「第三章 女性牛飼いの章⑥」~草を食べなくなったヤギ~
ヤギを放牧していたら勝手に雑草を食べてくれるので草刈りをしなくてもいい!!
そんな理由でヤギが流行っていました。
女性牛飼いさんもその噂を聞きつけさっそくヤギを注文していました。
「まだかな、まだかな~。楽しみやわ~」
と出会うたびに言います。
人気があるのでなかなか順番がまわってきません。
待つ事半年
「来たで、来たで~!!」
ついにやってきました。
かわいい小型のヤギさんです。
女性牛飼いさんはさっそく名前をつけて部屋をつくってかわいがっていました。
話は変わりますが、その時僕は週に1回都会に出て野菜の販売をする仕事をしていました。
週に1度の販売なので野菜が余ったら捨てる事になります。
その野菜をヤギさんにあげていました。
喜んで食べてくれるので楽しいです。
女性牛飼いさんも牛のエサをヤギにあげていました。
「かわいいからなんぼでもあげてしまうわ~」
そして、ついに、放牧させて雑草を食べさしてみよう!
となりました。
しかし、食べません。
エサを与えすぎて雑草を食べなくなってしまったようです。
お腹を空かせて試してみてはどうか?
と提案しましたが、
「かわいそうや」
と却下されました。
そうして雑草を食べない普通のペットのヤギさんになりました。
それでもかわいいから女性牛飼いさんは満足そうでした。
そういえば、野菜販売で売り終わって片付けをしているとき
「その余った野菜捨てるんでしょ?どうせ捨てるのならちょうだい!」
と言ってきたおばちゃんがいました。
「これはヤギのエサにするので無理です!」
と答えたら
「私はヤギ以下か!!!」
と怒られました。
「その通りです。」
と心の中でつぶやきました。
つづく
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