見出し画像

「第四章 ブラック系?農業法人の章⑬」~退職届~

「じゃあ、クビです。」

宣告して、農場長はタマネギ小屋を出ていきました。

数十分後、一枚の紙を持って戻ってきました。

「これにサインしてください。」

それは退職届でした。

アルバイトとはいえ、簡単にはクビにできません。自分から辞めると言ったことにしないといけないことを、僕でも知っていました。

別に辞めてもよかったのですが、腹が立っていたので嫌がらせをしたくなりました。

「自分から辞めると言ったわけでもないのに、これにサインするのはおかしくないですか?」と、サインを拒否しました。

「、、、、、、、」

しばらくの沈黙の後、「出直してきます。」と、農場長はまた出ていきました。

しばらくすると、また戻ってきて無言でタマネギの皮をむき始めました。

余計なことで時間をロスしてしまったので、農場長は必死にむいていました。

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?