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「第三章 女性牛飼いの章⑬」~牛と寝る人牛を蹴る人~

ある日の朝、牧場に行くと女性牛飼いさんは牛小屋から出てきました。

「寝とったわ~」

どうやら牛小屋に泊まったらしいです。

ドロボー対策で泊まってた?

という訳ではなく 子牛にミルクをあげてて、そのまま一緒に寝ていたらしいです。

牛も人間と同じで育児放棄する親がいます。

その場合は人の手でミルクをあげます。

愛情込めて育てる。そんな牛飼いもいます。

そして、女性牛飼いさんのお兄さんはワラ置き場から出てきました。

「ここが寝心地がいいんや」

と言ってワラのベッドを自慢します。

ほとんど家に帰らず牧場で寝てるらしいです。

スゴイ世界だ。

ある日、子牛のセリの会場に行きました。

ひな壇になっている席に買い手である肥育農家が座っています。

そこに子牛と飼い主が出てきて血統や体重、そして見た目で値段をつけて いきます。

それぞれの席にはボタンがあってそれで値段を上げていくようです。

「ビビー!100万円!!」

競り落とされたらコールされます。

愛情込めて育てた牛が買われていく。

飼い主にとっては複雑な心境のようです。

しかし、中には嫌がる子牛に無理やりワラを食べさし水を飲ませている飼い主もいました。

体重を少しでも重くして有利にするためです。

牛を商品としか見ていない、愛情なんてまったくない牛飼いもいるようです。

ちなみに僕の地元の農業高校では牛を蹴ったら退学になったという話を聞きます。

「ヒトは牛の奴隷」

ある有名なマンガではそういう表現をしていますた。

それくらいの感覚で丁度良いのかもしれません。

つづく

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