UFOに乗り、時代の移ろいを感じた日
昭和ラブホにある、特殊な形をしたベッドが好きだ。
馬車、舟、スペースシャトル、貝がら、車、汽車…いろんなモチーフがあるけれど、私はUFOベッドが1番好き。
理由は、UFOなんかに乗れるのってラブホくらいなものだし、中には回転&上昇しちゃうベッドも存在するし、、あとベッドのデザインが豊か。ホテルによって結構個性が出ていると思う。UFOが不確実な存在だからかな?
私が今まで出会ったUFOベッドたち。リアル寄り(?)なものからおもちゃみたいなものまで。みんな違ってみんな可愛い。
つまるところ、1番ロマンを感じるのがUFOベッドなんですよね🛸
そんな私が1番好きなUFOベッド。それが、三重県桑名市にあったホテル湖城A号室のベッド。
正確に言うとベッドのみならず、空間として格別に好きだった。ブルーで統一され、鏡と電飾の使い方が素晴らしくて星みたいにキラキラしていて、でも四角い布団がはみ出ているような親しみやすさもあって。
決して広くはない部屋の中に宇宙を作ろうとした。その拘りをとても感じる。好き。大好き!!
湖城との出会いは2018年
昭和ラブホに興味を持ち、趣味で巡るようになってほんとに間もない頃。
初めて行ったのが伊勢のべんきょう部屋。2番目に利用したのが湖城だった。
当然お目当てはA号室。(当時は変わった形のベッドにしか興味がなかった…笑)
でも行ったらA号室に衝立が置いてあって
うわーーー😭とショックを受けていたら、ホテルのオーナーさんがたまたま通りかかったので、利用できないか尋ねてみると、
「ここでいいの?こんな部屋、古くて恥ずかしいんだけど…」
と苦笑いしながら衝立を外してくださった。
掃除が大変だからとか、きっと理由があるんだろうけど…A号室を止めていたのはオーナーさんがこの部屋に後ろ向きな感情を抱いていて、表にあまり出したくないからなのかな、なんて勝手に想像してしまい、少し落ち込んだ。
このオーナーさんの言葉はすごく印象的で、今でもよく覚えてる。
昭和ラブホ初心者だった私は恐る恐る階段を上って客室に入り、うっとり部屋を眺めた後に瓶コーラを飲んだのでした。(瓶コーラを置いてるラブホすごい!とテンション上がって注文したな笑)
そして2022年1月、閉店
突然閉店のお知らせが。しかも広報されてから閉店まで1週間くらいしか無かったと思う。慌てて向かった。
A号室を宿泊で狙って行ったけど、既に埋まっていたのでお隣のB号室で宿泊した。
この部屋見て思ったけど、岡崎のホテル伍萬石にすごく似てる。地域によってラブホの内装が似ていることって結構あるなと思う。
入院する時に着るやつみたいなパジャマを着て眠った。ちょっと寒かった
翌朝、A号室へ
オーナーさんのご厚意で清掃後すぐにA号室に案内して頂いた😢オーナーさんが優しくて沁みた…
4年ぶりの再会!!!B号室も素敵だったけど、やっぱりこの部屋が1番好きだーーーー!!!!
ベッド以外の部分もこんなに可愛いの。
この部屋を自分の家にそのまま移設したいくらい好き。見惚れる美しさ。
4年ぶりに来て思ったこと
前利用した時は気付けなかったけど、湖城はすごく清掃が行き届いたホテルだなと思った。経年劣化的な古さもあまり感じない。
昭和ラブホはご年配の方が内輪で経営されているパターンも多いので、正直掃除があんまりな…笑ということは結構ある。
そういう時は、ま、これもご愛嬌ね〜と誤魔化すのだけどwもちろん清潔感のあるホテルの方が好き。
古い設備を綺麗に維持するなんて大変でしょう、ホテルの方々の努力を感じてジーーンとした。と同時にこんなに綺麗なのに無くなっちゃうんだ…とさらに落ち込む😢
また、前利用した時と比べると、多分アメニティとか増えてたし(顔パックまであったよ!)、PayPay対応してたりLINE公式アカウント開設してたりと、サービスがかなり充実している印象を受けた。
お客さんを離さないために時代に合わせて色々試してみたけど、やっぱり厳しかったのかな…というのが伺えて悲しくなった。実際の閉業の理由は分からないけどね。
記憶の中で、永遠に
昭和のものを追いかけていると、出会いの数より別れの数の方が圧倒的に多すぎて辛い。特にコロナが流行り出してから閉業ニュースが多くなったと思う。
そしてその度に、もっと早く行っておけば…とか後悔ばかりしてる。
湖城もそう。決して家から遠くなかったのに何でもっと行かなかったんだろう…でもせめて最後に会えてよかった。後悔しては前向きに思い直す日々。多分辛いと言いつつ、私はこの趣味をずっと続けていくでしょう。
閉業後すぐに解体が始まったそう。今はもう更地かも。でも私はこの爛々と光る赤い看板を思い出すことができる。いつでも。きっといつまでも。
ホテル湖城、ありがとう。お疲れ様でした。
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