Stuck in Tokyo

早くも日本に帰ってきてから5ヶ月が過ぎた。

寂しさは募っていくばかりで、常に気を紛らわせていないとそれに飲み込まれそうになる。


日本は、というか東京は目に見えて外国人が増えていてびっくりした。実際年々旅行者は増えていっているらしい。韓国や中国なんかの近隣の国からならまだしも、わざわざ遠くの欧米からこの小さくて狭くて天災が多い国に来る人がこんなに多いとは。

トロントでも、向こうに住んでいる間に行った他の国でも、日本の評判はなかなか凄かった。過大評価されているなーと常々感じていた。どの国も同じようなものだろうけど、変なところと良いところだけとり上げられて、それが国全体のイメージになっているように感じた。

使用済み下着の自販機なんて見たことないし、日本人の女性がみんなAVみたいに淫乱な訳じゃないし、落とした財布の金はちゃんと抜かれるし、日本人が親切にするのは義務であって、全員が自然に親切にできてる訳じゃない。


個人的には、日本の人気が上がってきてるというよりは、日本がお手頃になってきてるんじゃないかと思う。欧米はもちろん、アジアのこれまで発展途上と言われてきた国たちの勢いには眼を見張るものがあり、経済的にも停滞している日本に対しての敷居がいろんな意味で下がっているんじゃないかと。

観光産業が儲かるのはいいことけど、ぼけっとしてる間に名ばかりの“先進国”がいつのまにか“発展途上国”たちに追い抜かれるのは時間の問題だろう。


その話は今度またまとめるとして、とにかく、日本に帰ってきてしばらく経った。


帰ってきてその月のうちに働き先を決め、翌月から大きな会社で非正規に働き始めた。


もともとすごく日本にいるのが嫌で、外に出てみてやっぱり日本が嫌で、日本に帰るのがとても辛かった。帰りたくなかった。このままトロントで居心地のいい、生ぬるい生活を続けたかった。


なので、帰ってきた当初こそ日本食のうまさや久しぶりの友達に喜んでいたものの、今やそれもすっかり日常に溶け込んで、残ったのは虚しさとホームシックだけだった。


ちなみに、このホームシックという言葉や、友達とこういう話をする中でカナダに「戻る」「帰りたい」という表現、かぶれやがってと毎回言われるんだが、素直にそう思うから仕方ない。カナダへは「帰りたい」と思う。


さすがにプランを立てないとマズいだろうと、年が明けてから具体的に移民の方法など調べているのだが、これがなかなかハードルが高い。落ち込む。中国の投資移民みたいにどかんと国に貢げたら話は早いんだけど。中国人の生命力はほんとに凄い。


不幸にも?トランプと対比してトルドーのリベラルな姿勢が注目されまくっていて、もはや中東だけでなくアメリカからも“難民”がカナダへ押し寄せていて、今後ますます移住の敷居は高くなりそうだ。

ちなみに世間の(特にネットの)ムードは未だにトランプをピエロのように扱ってバカにしているけど、もうそんな状況じゃないだろ、いい加減もっと深刻に考えてちゃんと批判しろよ、と思う。


カナダへの移住があまりに非現実的だったら、ドイツやオランダ、もしくはヨーロッパの小国も視野に入れて見ようと思っている。アジアは暑いのと湿度高いのが苦手でどうも気が向かない。

あとトロントの生活で、音楽や映画との距離の近さは幸福度にめちゃくちゃ関係してたので、それを考えるとあまり田舎すぎる国も困る。



いづれにせよ、今はそういう下調べをしつつ、できるだけ負荷のかからない、のんびりした生活ができるように努力したい。のんびりするための努力というのも変な話だけど。









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?