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【ポケモンSV S20最終609位】補完枠・ヤシアン【役割論理・ヤーティ】


0.はじめに

ずっと目標にしているレート2000は達成できなかったものの、過去最高順位は達成できたので記念に構築記事を書くことにします。
最終レート1908、最高レート1938

1.構築と経緯

レンタルID:311XYD

これまで禁伝ヤケモンは特殊ポケモンを軸にしていたものの、S19が散々な結果だったため、心機一転して今期は物理ヤケモンを使うことを決定。
まずはコライドンをダイス()で軸に据え、取り巻きには前期から使っていた眼鏡テツノカシラ原種ガチグマゴツメ炎ケンタロスを何となく続投させ、フェアリーの一貫を切るためというだけの理由で炎オーガポンを採用、鉢巻が余っていたので雑に強いディンルーに持たせていったんS20を開始した。火力が物足りなかったのでスケショをそのままに珠に変更したところ割と使用感は良かったが、コライドンはテラスの噛み合いになる場面が多く、またいまいち選出やサイクルも上手くできず留守番することも増えていったので、「どうせ選出限られるならザシアンで良くね?一般ポケモンに強いし」と思いザシアンを採用することにした。コライドンを外すとスカーフカイオーガで壊滅してしまうので炎オーガポンに変えて水オーガポンを採用、テラパゴスやルギア以外にあまり出番のなかったディンルーを外し、水ラオスを流したり物理禁伝にサイクルを回したり地面の一貫を切ったりといい感じに構築の穴を埋めてくれそうなギャラドスを採用してランクマに臨むこととした。

2.個体紹介

①ザシアン

構築の軸と見せかけた補完枠。
技構成は一致技のきょじゅうざん、じゃれつくは確定、鋼への打点としてインファイトを採用。最後の一枠は悩んだが、構築全体で物理ポケモンが多くヘイラッシャが重くなりがちなので、物理の役割集中をするためワイルドボルトを採用、テラスタルも電気とした。ヘイラッシャの他にもホウオウ、アーマーガア、水テラスキョジオーンなどに刺さる場面が多く、技構成やテラスタルに過不足はほぼ感じなかった。
選出率は40%程度で下から2番目と禁伝とは思えない選出率になってしまったが、相手目線としてはザシアンを意識せざるを得ないようで、拘りポケモンが炎技で拘ってくれたのをギャラケンタで安定処理したり、ラッシャやラウボがほぼ選出されるためそれを逆手に取った選出がやりやすかったりと、ベンチにいながらしっかり仕事をしてくれたと思う。パオカミがほとんど出てこないだけでも絶大な貢献をしてくれたと言える。

②テツノカシラ

この構築の真のエース。襷悪だくみ黒バドにあまりにも負けるため誰かいいのがいないかと思いたどり着いたヤケモン。鋼テラスを切ることで邪魔なエスパータイプを消しつつ、眼鏡タキオンカッターをぶち込むことで耐久にあまり振ってない黒バドは大抵吹き飛んでくれた。吹き飛ばない場合は即ガチグマに引くことで起点を回避しつつ気合で立ち回っていた。Dに振り切ることで+1臆病アスビも耐えられるため、味方の死に出しからでも処理ルートとすることができた。その他襷持ちカミパオもテラスで緊急の処理ルートとしていた。
耐性的にはガチグマやギャラドスと相性がよく、カシラ+ガチグマはこの構築の基本選出となっていた。ランドロスやカイリューの相手は基本したくないものの、遅い個体が増えていたためゴリ押しができる場面も少なくなかった。ミライドンの処理は基本的にガチグマに任せるが、弱点テラバ(水や氷)によりガチグマが落とされた場合は、特化イナズマドライブを耐えながらEFにただ乗りしつつカシラが超火力で弱点を突けるため、その点でもガチグマとの相性は抜群だったと思う。
その他受け系の構築によくいる毒菱持ちに強かったり、耐久型が切りがちな妖・毒・水テラス全ての弱点を突くことができたり、鋼テラス眼鏡タキオンカッターで構築単位で重い特化物理受け(ラッシャ、ラウボ、アーマーガア)を半減ですら押し切ることができたりと、とにかく仕事のできる場面の多いポケモンだった。
終盤調子に乗りすぎてアカツキに突っ張ってチョッキで逆襲されたのは反省点。

③ガチグマ(原種)

ミライドンや黒バドを筆頭に特殊禁伝にはほぼ必ず選出していた。カシラと組み合わせることで低負担で繰り出せる場面が多かった。空元気とぶちかましの他は、カイリューランドへの最大打点になる冷凍P、ミライドンからの引き先でたまにいるアーマーガアに刺さるサンダーダイブで困る場面はほぼなかった。
テラスタルは火力を伸ばしつつミライドンの弱点テラバや黒バドの草弱点を消せるノーマルが環境的にも安定していたのではないかと思う。Dに振ることでミライドン黒バドのサブウエポンもテラスを切れば大抵耐えることができるのが強かった。なお、特化ミライドンの水・氷テラバであっても中乱数で耐えることは可能。

④ケンタロス(炎)

構築的に重い炎ポンや壁展開に抗うことができる貴重なヤケモン。またコライドン、ザシアン、白バドといった物理禁伝に対して欠かすことのできないサイクルパーツだった。珠は余っているが持たせると流石に過労死を防げなさそうなので、役割対象に発動しやすいゴツメを持たせることにした。
テラスタルは当初草にしていたが、水や地面を半減にしたい場面がほとんどなかったため、コライドンに安定させるため終盤に妖テラスに変更した。結局切る機会がなかったがもう少し早く気づいていれば拾える勝ちもあったかもしれない。
SV役割論理の申し子と個人的に思っており、使うたびにその芸術的なヤケモン適性に感動させられる。異教徒にももっと評価されてもいいのではと常々思う。

⑤オーガポン(水)

スカーフカイオーガを止めるために採用。ゆえに選出機会は少ないのだが、終盤になって実はコライドンにも出していけるのではないかということに気づき、実際出してみると組んでいるラッシャやカミに対して意外と仕事をしていた。黒バド、白バド、テラパゴス、ルナアーラあたりの特殊禁伝にも出して行けそうなのでもう少し使い方の開拓ができたのではないか少し後悔している。

⑥ギャラドス

この構築のエースその2。ヤケモンの象徴。ケンタロスと組んで物理禁伝にサイクルを回し負荷をかけていくのが主な役割で、格闘、地面、水あたりの一貫を切れるのが非常に偉かった。当初は妖テラバにしていたが、交代先への負荷やコライドンへの奇襲を考慮して飛テラバとした。飛テラバは通りもよく、ザシアンを受けに出てくるB特化ラウボを確定2発にできたりと火力も中々なので正解だったと思う。
鉢巻アクテでもH振りアカツキが乱数なのがしょっぱいのでいい加減ウェブタを覚えてほしい。クイタンでもよし。

3.基本選出

①コライドン

ギャラドス+ケンタロス@1
コライドンが先発で来ることが多いので基本ギャラドスを合わせ、ケンタロスと力を合わせてサイクルで競り勝つことを目指す。ラッシャと組んでいる場合は水ポンやガチグマを出していた。ザシアンはあまり出しに行けなかった。スカーフ型は割といなせたが、終盤は鉢巻型や身代わり型によく当たったので立ち回りが難しかった。

②ミライドン

テツノカシラ+ガチグマ@1
ワダチがいる場合はギャラドス、パオニューラの場合はケンタロスの選出が多い。大体初手にミライドンが出てくるのでカシラからガチグマに素直に引いていた。正直噛み合い感はあるが、読まれて破壊されたことは少なく結構勝てていたので間違ってはいないのだろう。相手目線、ミライドンにテラスを切るとカシラにやられるという思いがあったのかもしれない。ザシアンはそんなに出していない。

③黒バドレックス

テツノカシラ+ガチグマ@1
初手に黒バドが来た場合はタスキだとガチグマに引いても試合が終わるため、即テラスタキオンを撃ちに行っていた。オボンなどで撃ち漏らした場合は即ガチグマに引いて気合いで何とかしていた。ザシアンや水ポンをあまり出していないがその辺をもう少し活用できたかもしれない。

④ザシアン

ギャラドス+ケンタロス@1
剣舞型が多いので引くタイミングと殴るタイミングの見極めが重要。@1は相手の取り巻き次第だがカシラかザシアンが安定か。地面テラスは処理しやすいが電気テラスは処理が難しい。

⑤テラパゴス

テツノカシラ+ガチグマ@1
あまり当たらなかったが@1は上から殴れて素テラクラスターを半減できるザシアンで良いと思われる。積まれる前に殴り勝つのが基本。眼鏡型でも意識することはあまり変わらない。

⑥ホウオウ

テツノカシラ+ガチグマ@1
基本通りガチグマを降臨させて超火力でサイクル破壊を目指す。ワイボルで落とせるのでザシアン選出は大いにあり。威嚇を入れてより低負担でガチグマを降臨させることができ、エッジでの突破も見込めるケンタロスも割と有効だった。

⑦カイオーガ

オーガポン@2
スカーフ以外なら電気テラスで電磁波を拒否しつつ上から落とせるのでザシアンの選出でよい。

⑧白バドレックス

ギャラドス+ケンタロス@1
基本的には白バドに威嚇で回しつつ殴り合いでの勝利を目指す。@1はザシアンかカシラが多めで、トリルっぽければカシラ優先。食べ残しっぽければ水ポンではたくのもルートの一つ。

⑨ムゲンダイナ

テツノカシラ+ガチグマ@1
ザシアンは有効だが終盤はスカーフやメテビばかりだったので炎技への対処が少し難しかった。ガチグマが炎テラス火炎放射を2耐えするので体力管理が重要。実は水ポンがやれる説。

⑩ルナアーラ

ガチグマ@2
カシラから出すことが多かったが、拘り型との噛み合いで負けがちだったので水ポンから入ったりザシアンで殴りあう方が良かったかもしれない。

⑪ルギア

テツノカシラ+ガチグマ@1
毒菱をカシラで牽制しつつガチグマを着地させて殴るのが基本だが、HB特化の場合ノマテラ空元気でも受けきられてしまうので地味に天敵だった。その場合は冷凍P連打で凍結お祈りをすることになる。水ポンかザシアンを絡めるのが良いのかもしれない。

選出率と勝率。バトメモは神アプリ

4.SV禁伝環境における役割論理の所感

①禁伝ヤケモンについて

禁伝1体環境における役割論理をやっていて思ったのは
(1) 基本的に禁伝ヤケモンは異教徒禁伝に強くなく、対面かテラス択に勝つかしなければ相手の禁伝を見られない場面が多い。上位禁伝であるミラコラ黒バドザシアンに対して特に顕著。
(2) よって禁伝ヤケモンの主な役割対象は一般ポケモンとなる。
(3) しかし一般ポケモンの火力も半端ではないので、受け出しが可能な場面は限られる。
(4) 現環境は一部の高速ポケモンとそれ以外で二極化しており、禁伝ヤケモンはS()が高い方が偶発対面時に相手のサイクルに負荷をかけやすい。

以上の理由から、現環境における禁伝ヤケモンは、無振りでも準速ラオスの上を取ることができ、耐性・火力・技範囲でも役割を持ちやすいコライドン・ミライドン・ムゲンダイナ・ザシアンの4体を軸にするのが安定感としては一枚抜けているのではと思う(論理的強みはほぼ皆無だが同じ理由で黒バドも相当強いのではないだろうか)。
ホウオウ、カイオーガ、レシラムあたりも魅力的だが、受け出しや対面時に下から殴らざるを得ない場面が多くなることが想定され、禁伝の火力を十分に発揮できない状況も多いのではないかと個人的に感じている。

②一般ヤケモンについて

上記①(1)の理由から、禁伝は基本的に一般ヤケモンで見ることが多いが、やはりキャラパワーの差は否めず、一つの読み負けや型の相性、相手の選出の偏りがすなわちサイクル崩壊=敗北につながる非常に厳しい環境である。また基本的には一体ではなく二体の並びで禁伝を見ていかなければ安定はせず、物理・特殊両方の禁伝に役割を持てる一般ヤケモンも存在しないので、ヤーティの構築や選出はかなり難しいのではないだろうか。

③まとめ

以上から、ヤーティでは禁伝1体までがサイクルを回せる限界で、2体以上となるともはやヤーティという名の対面寄り構築にならざるを得ないのではないだろうか。例えば黒バド+コライドン@1という選出がなされたときにヤーティのサイクルでどうにかできるとは到底思えない。現環境ですでに論理はあまり元気がない気がするので、剣盾のように禁伝2体以上の環境になるとSVの役割論理はいよいよ終わりなのかもしれないと危惧している。
幸い、レギュHは伝説や準伝説のいないデフレ環境となることが発表されたため役割論理はまだまだやっていけそうではあるが。

5.終わりに

体調がすぐれなかったため最終日に潜るのを断念したのは若干消化不良だったが、ヒスイクレベースのような異端児を使わずにちゃんと役割論理をした上でレート1900を達成できたのは一定満足している。ただせっかくの禁伝を上手く使えていないのは反省点なので、そのあたりもっと成長したいところ。
8月は夏の甲子園があったりアニサマに行ったりでS20以上に時間はないが、レギュG自体は嫌いではないのでやれるだけ頑張りたい。
質問などあれば@_P_A_Lへどうぞ。


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