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フェス出展者さんに聞く①みんながみんなお口でかみかみ、素材のままで大人気![三井化学株式会社 梶原克之さん]

こんにちは!ライターのかのです。
2023年10月に開催され大盛況のうちに幕を閉じた「教えて!赤ちゃんフェスティバル」。参加された赤ちゃん、ママパパには楽しいという感想をいただきましたが、では一方の出展者の方は何を得ることができたのでしょうか?そもそも、こんなふしぎなイベントに、みなさん、どんなモチベーションで向かい合っていたの?その感想を出展者の方に伺います。

素材を口に入れて「あじわう」赤ちゃん続出

材料メーカーである三井化学さんは、HUMOFIT®という体温を感知して形を変える素材でできたソファやおもちゃなどを持ち込んでいました。

HUMOFIT®はあたためるとやわらかくなり、のばしたり、折ったりすることができる素材です。普段はアパレルなどに活用されているこの素材、もしかしたら赤ちゃんに触ってみてもらうといいのでは…?と三井化学さんに赤ちゃん研究所からお声がけしたのが取り組みのきっかけだったそう。

展示されているソファは、体重や体温に合わせてHUMOFIT®でできた背もたれの部分がゆっくりと形を変えるというもの。体圧が分散されることで座り心地がとてもよいとお母さんたちから好評。会場では、眠ってしまったあかちゃんが次々とこのソファの上に連れられて行ってねんねしている姿も見られました。

また、イカの形をしたおもちゃなどが赤ちゃんの手に…いや、口に(!)、次々と入っていきます。

まさに「素材を口に入れて味わう」たくさんの赤ちゃんの姿が見られました。

「山のもの」と「海のもの」が手を組んでみたら…?

今回出展の感想についてお話を伺ったのは、三井化学株式会社の梶原克之さんです。

ー出展の背景をお聞かせください。

梶原さん:赤ちゃんに素材の可能性を教えてもらえるのではないかと感じたのが出展の理由です。

私たちは最終製品とつながりがあまりない、いわば「川上の源流」に近い材料メーカーです。普段は最終消費者の方と接することがあまりないのですが、最もお客様と近い「川下」にいるピープルさんと何か取り組むというのも面白そうだと期待して出展しました。

ー「山のもの」と「海のもの」が一緒に手を組んだら…という感じですね。

梶原さん:はい。でも、本当に自分たちの素材が赤ちゃんに楽しんでもらえるのかというのは全くわかりませんでした。ですので、触ってにっこりするところを見ることで、素材の良さを知ることができたら、という点にも期待していました。

ー出展されて実際の反応はどうでしたか?

梶原さん:赤ちゃんにモノを渡すと、とにかくみんな口に入れるんです(笑)。
全員口に放り込んでかみかみするということに驚きました。

幼稚園児ぐらいになると、HUMOFIT®を引っ張ったり伸ばしたりして自己表現をするのですが、もしかすると赤ちゃんが持ったモノを口に入れて噛むというのは、泣いたり手足を動かすという以外の、自己表現の一つなのかもしれない…と、感じました。

ー今後赤ちゃん研究所とどんな風にコラボしていきたいと思いますか?

梶原さん:私たちは材料メーカーですから、材料については詳しいのですが、最終製品になるまでの工程はど素人なんです。赤ちゃんに受ける形、赤ちゃんにとって安全な形、赤ちゃんが触って「きもちいいね」と思う形…そういう形を作れるのは赤ちゃん研究所さんだと思っています。

これから、HUMOFIT®でどんな風に赤ちゃんを喜ばせることができるのか、ピープルさんと一緒に考えて行きたいです。

ー「海のもの」「山のもの」ということですが、ほとんど加工しない素材をそのまま赤ちゃんが楽しんでくれたということは、「山のもの」が海の人たちにそのまま喜んでもらえたという感じなんですね。

梶原さん:そうなんです。

これまで僕らは「山のはっぱ」という素材を用意して、それを加工して服を作ってもらったり、食べてもらったりしていたんですが、今回直接「山のもの」を海に持っていったら、みんなそのまま食べられちゃったみたいな(笑)。「どないしよ」みたいな感じだったんですよ。

ー間に赤ちゃんがいることで、うまくいっているのかもしれませんね。

「山の民」と「海の民」だけだと、お互いに気を遣って「山の葉っぱはこう料理するとおいしいみたいですよ~」「海の人も山の葉っぱは好きですよ~」と、ふんわりしたやりとりになってしまうのではないかと思うのですが、赤ちゃんがいることでストレートにつながったのではないかと思います。

梶原さん:そうですね。もう、口にぱくっと入れる行為が、本当にすごいなと思いました。

ーありがとうございました。

(まとめ、聞き手:プレーンテキスト 鹿野恵子、聞き手:clockhour 黒川成樹)


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