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競馬の荒れる条件とは?データから探してみる

競馬の回収率を上げるために、荒れるレースの条件を探ってみます。

競馬アプリとサイト「pakara」を作っています。
基本無料で使えるので一度使ってみてください。


荒れやすいレースの結論

先に荒れやすいレースの結論から言うと

開催地の特徴

  • 暖かい地域はダート・短距離、寒い地域は芝・マイル

  • 新潟芝は荒れやすい

  • 阪神は芝・短距離のみ

  • 京都は荒れにくい

レース条件別

  • 新馬戦は荒れやすい

  • ハンデ戦は荒れやすい

  • 芝・不良馬場は荒れやすい

あくまで荒れ傾向のある特徴です。
荒れる荒れないは競走馬の走りとオッズによって決まるものなので、特徴だけで判断することはできません。
この条件だと何故大多数の予想を裏切るのか原因を見つけることが重要です。

人気を覆せるほどの好条件がそろっているか、実力を発揮できない悪条件が揃っているかを織り込んで予想した馬が、他の大多数の予想より優れていた場合に荒れるレースで勝てることになります

予測精度を大多数の予測より高めて、人気やオッズに振り回されないことが重要です。

競馬のレースが荒れるとは

荒れたレースとは、1番人気が飛んだり、3連単で100万馬券だったりと人によって様々ですが、平均配当より多かったらと定義します

簡単に言うといつもより得をした状態です。

単勝の平均配当は
957.8円(2022年〜2024年2月)となります。

年代別で単勝の平均配当を見ると

年代別単勝平均配当

2024年のデータは2月までなので今後高くなる可能性はありますが、年々低くなっている傾向はあると思います。
これは大多数の予測精度が年々向上していることを示しています。
2016年には回収率100%を超えるAI予想が現れ、AIが競馬にも普及するようになりました。

以下全てのデータは2022年〜2024年2月間をもとに計算しています。
荒れるかどうかはオッズ(大多数の予想)による影響が大きいので、なるべく近年の傾向を見ていきます。

荒れる要因

払い戻しが平均より高くなるパターンとしては以下が考えられると思います。

  • 1番人気の馬が実力を発揮できずに飛ぶ

  • 実力のない馬が展開や環境によりラッキーで1着

  • 実力が均衡してオッズが割れる

  • 過剰人気や過小人気により馬が正しく評価されていない

といったパターンが考えられると思います。

オッズ別1着回数の分布

単勝のオッズ別1着回数をグラフ化しました。

オッズ別1着回数

2~4倍代が最も1着回数が多くなります。
的中率でいうとオッズが1倍台の方が高くなりますが、そもそも1倍台になる馬が少ないのでグラフ上では少なくなります。

平均配当の958円を境にカウントすると
平均より多い回数: 1727回
平均より少ない回数 5824回
となりますので、今回の定義(平均配当より多かったら)ですと22.9%が荒れた結果になります。
1日1開催地で2.7回は起こる割合となります。

ちなみに100倍以上の回数は63回だったので、単勝の万馬券の出現確率は0.8%となり、月に2.4レースほどになります。

オッズ別払い戻し合計額

オッズ別に払い戻しを合計した額をグラフ化しました。

オッズ別払い戻し合計

17倍あたりが全て合計した値の中間になります。
現実的においしいオッズを狙うなら10~20倍あたりがバランスよさそうです。

開催地別での荒れやすさ

次に開催地やコース、距離別に平均配当をみていきます。
開催地が与える影響としては馬場の荒れやすさや直線の長さや起伏、コーナーの曲率が考えられそうです。

開催地のコース別平均払い戻し

開催地の芝・ダート別、単勝の平均配当をグラフ化しました。
赤線が平均配当のラインです。

開催地のコース別、単勝平均配当

福島・ダート、新潟・芝が高く単勝平均配当が1200円を超えるので、平均より200円以上高くなります。
最低は函館のダートで722円と平均より200円以上低いです。

京都に関しては、芝・ダート共に平均より低い結果となりました。
京都の特徴として、3コーナーの上り坂からの下り坂をえてゴール前の直線というアップダウンの激しいコースは、実力差が順当に結果にでるのでしょうか。
また京都は改修により、芝の排水性が大幅に向上(馬場が荒れにくい)したようです。

開催地の距離別平均配当

開催地のコース、距離別の単勝平均配当をグラフ化しました。

距離は

  • 短距離、1400m未満

  • マイル、1400m以上~1800m未満

  • 中長距離、1800m以上~2400m未満

  • 長距離、2400m以上~

で区切ってあります。

開催地、芝、距離別

開催地の芝距離別、単勝平均配当

阪神の短距離が最も高く1556円
中京の長距離が最も低く255円

距離が短い方が荒れやすい結果となりましたが、函館、福島に関しては短距離の方が平均配当が低くなりました。

開催地、ダート、距離別

開催地のダート距離別、単勝平均配当

東京の短距離が最も高く1612円
新潟の長距離が最も低く405円

芝同様、短距離の方が荒れやすい傾向がありますが、またしても函館、福島に関しては短距離の方が平均配当が低くなりました。
小回りで直線が短いコースの影響がでているのかもしれません。

全体的に短距離の方が荒れやすいですが、北海道や東北の開催地では荒れにくいようです。
阪神は芝短距離のみ荒れやすいが、それ以外は荒れにくい結果となりました。

長距離が荒れにくいのは、実力差が順当にでやすく、ミスを取り返すチャンスも多そうです。

クラス別の荒れやすさ

次に各クラス別に比較してみます。
クラスは

  • 新馬

  • 未勝利

  • 1勝

  • 2勝

  • 3勝

  • オープン

で区切ってあります。

コース、クラス別平均配当

クラス別、単勝平均配当

新馬戦が高いのはデータが少なく予想が難しいため、オッズが分散されるのではないかと思われます。
3勝クラスが荒れやすいのは、ある程度能力が近い馬が多いとかもありそうです。

開催地、クラス別、芝・平均配当

開催地、クラス別芝単勝平均配当

札幌の3勝クラスは8レースと少なく、万馬券も出ていたため統計としては信頼できません。
函館以外は新馬戦は荒れやすく、未勝利は荒れにくい傾向はあると思います。

条件別の荒れやすさ

次はレース条件別の荒れやすさをみていきます。

条件別平均単勝配当

  • ハンデ

  • 別定

  • 定量

  • 馬齢

で区切ってグラフ表示しますと。

条件別平均単勝配当

ハンデ戦が荒れやすく、別定のダート以外ほぼ平均ぐらいでした。
ハンデ戦が荒れるのは有名な話ですが、1番人気の単勝率も平均より10%低く、実力が拮抗するようなレースは予想が難しいようです。

ハンデ戦の各レース毎に1番人気と1着の斤量と、平均斤量との差を出して平均すると
1番人気: -0.22kg
1着       : -0.79kg
となります。

これは、平均よりちょっと軽い斤量(ほぼ平均)の馬が来ると大多数が予想しているが、実際に1着になるのはもっと斤量が軽い馬ということになります。

これは斤量が軽い馬に投票すれば勝てるということではありません。
斤量がレース結果に与える影響は、みんなが思っている以上にある
という事になります。

馬場状態別の荒れやすさ

次は馬場状態別に荒れやすさを見てみます。
馬場状態は、良、稍、重、不良で区切ってあります。

馬場状態別単勝平均配当

馬場状態別単勝平均配当

芝の不良以外は特別荒れるような事はありませんでした。

次に芝の硬さの指標であるクッション値の影響を見てみます。

クッション値による荒れやすさ

クッション値は低いほど軟らかくなります。

クッション値別単勝平均配当

クッション値が6台は5レースと件数がだいぶ少ないので参考にはなりません。
クッション値による影響は特になさそうです。

クッション値も馬場状態もレースを走る馬にとっては同じ条件です。
馬場状態によってはパワータイプ、スピードタイプといった適正の影響もあると思いますが、インコースの荒れ具合など馬によっては有利不利が変わる条件までデータで取れたらまた変わってくると思います。

JRA公式が公開している馬場状態の写真から、緑とそうでない部分の色の割合を画像処理で数値化したらおもしろそうです。

脚質による荒れやすさ

次は脚質による荒れやすさを見てみます。
脚質は、逃げ、先行、差し、追込で区切ってあります。

脚質別単勝平均配当

芝は逃げ、追込が高く、ダートは差し、追込が高い結果となりました。
先行は芝・ダートともに荒れにくいようです。

逃げ馬は展開による影響が大きいので、前走で惨敗して評価が低くなった馬でも、展開さえハマれば十分に勝てるのではないのでしょうか。

また逃げ・先行有利と言われている中で、追い込み馬は過小評価されやすい傾向はあると思いますが、実際に追い込み馬の勝率は低いので狙うのは難しそうです。

季節による荒れやすさ

夏競馬は荒れるという有名な話があるので、季節による違いをみていきます。

季節別単勝平均配当

月別にみると6、9月は荒れやすい傾向はありますが、7、8月の真夏は特に荒れやすいことはありませんでした。

6月は梅雨の時期なので、馬場が不良馬場になりやすいと思いましたが、不良馬場の数と雨のレース数をカウントすると(2022年~2023年で計測)

不良馬場、雨カウント

レース数をカウントしていますので、1日雨だった場合は3開催地だと36回分カウントされます。
過去2年間に関しては不良馬場と雨のレースは3月が多い結果となりました。

6月は2歳新馬戦、2歳未勝利戦が始まり、条件戦に3歳馬が参戦とレース形態が変わる影響がありそうです。

天候による影響

晴れ以外の件数が少ないので、過去4年間のデータで検証しています。
過去4年間での平均単勝配当は990.3円となります。

天候別単勝平均配当

雪に関しては件数が少ないためあまり参考になりません。
天候が悪くなれば少し荒れやすくなります。

2022年以降で見ると

天候別単勝平均配当

件数が少なくなるので信頼性は下がりますが、天候による影響は少なくなっています。
競馬場の芝は改修工事などで年々進化しており、排水性を良くして馬場が不良になりにくいようにしているようです。
天候自体が与える影響としては、馬のやる気や走りやすさなど性格寄りな部分でしょうか。

夏競馬だからとざっくり季節で判断せずに、クラス条件や馬場状態を参考にした方がよさそうです。

総括

様々な観点から荒れやすさをデータから見てきましたが、荒れる(大多数の予想を裏切る)原因としては

  • 実力が拮抗しているか、条件や環境による影響で実力が発揮できないレース

  • データが少なく馬を正しく評価できないレース

  • 実力はあるが前走で惨敗して過小評価されている

などが考えられると思います。

荒れるかどうかは結果論であって、条件とオッズだけで判断はできません。

人気を覆せるほどの好条件がそろっているか、実力を発揮できない悪条件が揃っているかを織り込んで予想した馬が、他の大多数の予想より優れていた場合に荒れるレースで勝てることになります

年々大多数の予測精度が向上する中で、大多数より優れた予想をするには、他の人があまり知らない情報や指数の作成、新しい技術の導入などが考えられます。
それもいつかは普及し、優位性はなくなるのでイタチごっこをしなければなりません。

大多数の予想が間違っている状況を作るという方法でもレースは荒れやすくなります。
まだ予想方法が確立していない競馬初心者が増え、間違った予想が大多数を占めればレースは荒れます。

なので誰でもできるレースが荒れる状況は

周りの友人を競馬沼に引き込んで競馬初心者を増やす


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