RRR吹替についての個人的な感情。
RRRの吹替についてね。
ぶっちゃけ心配していた部分は全然良かった。声優も一部違和感があるメンツがいるものの演技は上手い。
だけどもだけど。本当に本当に申し訳無いが個人的に言うと…
解釈違いだ。
字幕でウン十回観たからかもしれん。
既に「RRRといったらこれ」という固定概念が出来てしまっているからかもしれん。
だから初見の人には全然問題ないと思う。しかし…しかしだな…
あと解釈違いと書いたけど、それはキャラクターだけじゃなく吹替のあり方に対しても個人的解釈違いを起こしててもうラーマみたいにウワァァァーッッてなったわけです。
とりあえず吐き出させていただく。
▽全体的の雰囲気について
とりあえず第一印象としては「アニメっぽいなぁ」。
吹替といえばあくまでキャラが喋るセリフが他言語で聞き取れないから当てるもの、と個人的に思ってたから本編にない吐息の演技やら掛け声やらはいらなかったなぁ…と…。アニメとかだとそういう演技が映像をリアルにするのはあるから違和感が無いけど、それを映画に持ち込んじゃうのはどうかなって思った。
それにRRRってそういう日常的に漏れ出る声のオンオフをしっかりするから引き立ってたシーンがめちゃくちゃ多かったんだよね。最初のラーマが単騎突入するシーンとか、人としての音を無にする事でラーマの人外感というか迫力が増していたように感じる。吹替版だとただの強くてやべぇ人間って感じがした。
あと皆のキャラ付け?すっげぇ薄くなってた気がする。皆いい意味でも悪い意味でも教科書みたいな綺麗な台詞になってたから、個々のキャラが薄い。声優さんがそれを声の演技で補って入るけど、それのせいで盛大な解釈違いを起こしてしまった(あくまで個人の感想です)。吹替って声優だけじゃなくて翻訳する人もすごく大事なんだな…と初めて感じたよ。
▽それぞれのキャラクターについて
そんな全体の雰囲気を踏まえつつキャラクターについて。
〇ラーマ
しっぶ。すげぇ渋いクールな声。たまに煉獄さん。
この後話すけどヴェンカタババに声質にせた?正直ラーマとしてというよりチャランさんの声質には個人的に合わなくてめちゃ映像と脳内のバグが起きていた。私は今…誰を見ているんだっけ…?って何回か思ったよ。
でも警察官の顔の時の声にはぴったりだったかな。ビームと話してる時はもうちょっと明るく楽しそうであれ…。
〇ビーム(アクタル)
どこの生まれの貴族様?なんか清楚で純粋な世間を知らない箱入り息子だ…森生まれの雰囲気はとりあえずなかったな。すげぇ良いとこの出感がスゴイ。あとストーリーの都合上おとぼけキャラになってるのが、なお世間知らず感が増してる。言葉が綺麗すぎるんだよなぁ…森生まれならではの無骨な雰囲気?それがないから何ていうか生まれたてのエケチェンみたいな純粋さなんだよね。すごくバーフバリと話が合いそう。
〇シータ
普通にイメージ通りだった。声質けっこう似てるかな?あと演技もアニメっぽく無くてイイ~。
今後アーリヤ・バットの吹替はこの人固定ならいいな。
〇ジェニー
初登場シーンではちょいギャルっぽい?と思ったけど聞いていくうちになじんでった。違和感はそんなになかったかな。
〇ジェイク
「テンゴゥ!!!!!(巻き舌)」
うん、お前よりジャイアンみが増しててよかったよ。なんていうか、ファンの方が描く二次創作のジェイク感が強かった。ぜんッぜんわるい意味ではなく、むしろ好き。
〇ゴーンド三人衆
ジャング声そのまんまやないかーい!!!(最高)
ペッダイヤは長老みが増しましたね。
ラッチュは…ら、ラッチュ…?声野太いね…あと語りがシャーマンぽくて怖い…キュートなラッチュはどこへ…
〇マッリとロキ
声タカーーーーーーーーイ!アニメの女子キャラみたいな高さだった。
ロキは結構声まんまだったね、最初の「マッリーーー!」は似てても若干違う感じに本編が吹替である事を知らしめてくれる感じだった。
〇エドワードとエドワードのドスティ(通訳の人)
エドワードすげぇナルシスト感の出る声だったな。嫌味さマシマシ的な感じだった。最後の「うてぇー!!!」が叫びなれてない感じのカッスカス声でワロてしまたよ。
エドワードのドスティはイメージぴったり。とっても良かった。
〇スコットとキャサリン
スコット…長老…!?すごい隠居のおじいさんみたいな声と喋り方だった…元々スコット(レイ・スティーヴンソンさんが、かな?)って緩急つけた喋りが印象的だったからこちらもラーマ同様、脳が混乱に混乱した。
キャサリンは…つぇ~!つぇ~~女!!つぇ~~~女、イメージ通りです。むしろキャラ濃くなったな。
〇ヴェンカタババとサロージニ
声しっぶーぃ!ラーマの吹替声に近い!しかしなんか聞き覚えのある声なんだよな…誰だろ声優。
サロージニはなんかシータの声に近い?2役とかかな?声優さん見れてないけど!
〇スワルルババイ
良い感じでした。やさイケボで良き。最後の「成し遂げたな」良いね…。あと名前略されちゃったね、悲しみ。
◯軍の皆様
軒並み声が若いな?グリーンさんもスペシャルオフィサー発表さんも。群衆怖いディビッドはイメージ通りだった。
〇ヤーニキ
お前なんで吹替入ってんの?
キャラクター個々についてはこんな感じかな。
なまじ演技が皆しっかりしてる分、声質で違和感を感じる部分が多かったかも。
あと台詞回しね。さっきも言ったけど多分台詞に合わせてキャラ付けをして演技してるから皆すごいガッチガチなんだよな。
特にメイン2人、声だけ聞いてるとホントに仲良いんか?ってなる…なんていうか、どっちもよそいきの声で喋ってる感じだったかな。ラーマは本編で完全にオンオフ声があるけど吹替ではないし…ね…まぁそこまで似せろとは言わないけど…。
▽吹替版の翻訳(台本)について
おそらくこれについてが1番モヤッてる。
吹替版で何よりいいのは字幕版で省略されてしまう情報を与えてくれることなんだと思うんだよね。
真っ先に気づいたのはラーマの村の名前。多分普通にテルグ語では言ってたけど字幕にするには長すぎて南の方になってたのを言ってくれた、こういうのはマジででかいよね。
あと元のセリフの直訳に近い言い回し。これもすごく大事だと思う。
RRRは有識者が「ここ、字幕だとこうなってるけど直訳は…」ってのを教えてくるから、そこが吹替で反映されてるとウォーってなったよね。まぁ大体字幕と一緒だったけど…。
んで、これはうえでも散々言ったけどほんっとうにキャラ付けが薄い。本編であんなに生き生きしてたビームが割と感情がのっぺりした雰囲気イケメンになったり、ラーマが脳筋みたいになってたり。急な「悪く言わないでよ」に驚いたりビームのことをラーマが「こいつ」って言ったり…いやわかる、字幕で結構キャラ付けされた部分があるからそれ通りにならない事で違和感が出ている部分もあるんだけど、それでもラーマには紳士かつやんちゃでいてほしかったし、ビームは素朴で朗らかでいてほしかったよ…
そしてそして、いちばんの問題。これは吹替版が出るとなった際に真っ先に懸念されていた「言語の表現分け方法」。
一体どうなるんディス…とハラハラしてたけどいざ観たら、なるほどそう落とし込んだかと。
うん、まぁ納得…いやまぁうん…個人的には腑に落ちないけどまぁ回避法としては悪くは無かった。こうならざるを得ないか?というかね。
でもさぁ、やっぱり“言語の統一化”はあの映画ではやってはならなかったのではとも思うんだ。
そもそもRRRってさ、テルグ語(とかヒンディー語)とかが使われる国でかたくなに英語しか使わない人たちがのさばってる違和感と、それに無理やり従わされつつも必死に毎日を過ごしている人たちの葛藤が味の1つだと思うのよ。(上手く言えないけど)
それを無くしちゃったのは結構な痛手というか。初見の人たちに「言語の壁」という味を伝えられないのはどうかなぁと。
言葉によるすれ違いが起きるシーンの回避方法は、何度も言うけど悪くはなかった。けど、回避をすることでキャラクターのキャラ付けに違和感は少なからず出てしまうし、やっぱり「なんでそうなる?」という事も出てきてしまう。
この改編で一番割を食ってるのはアクタル(ビーム)だよね。まぁそれはそうだ、言語の壁を一番体現しているのはアクタルだから。そして一番重要な部分で「言語の切り替え」を必要としているのもアクタル。
バイヤ=兄弟という翻訳なのはまぁいいさ。でもやっぱり、バイヤ→アンナの切替はちゃんとやってほしかった、なぁ…。
あとまぁ個人的に「兄さん」はちょっとなかったと思う。ちょっとよそよそしいよね。やはり貴族出身か。
まぁあれこれ言いつつ「じゃあどうすればよかったのよ!」と言われたらアレだけどもさ。でも別に英語の部分は英語のままでよかったんでない、と思うよ。
最近見たスパイダーバースもスペイン語には字幕がついてなかったし、私の愛してやまないマグニフィセント・セブンのネイティブ・アメリカンのキャラクターは吹替でも部族の言葉で話してたよ。むしろ英語は英語のままでいることでラーマの英語からテルグ語に切り替えをするシーンとか結構際立ってよかったのでは、とも思うなぁ。
まぁ個人の意見だし「それだと吹替の意味を成してねぇじゃん」ってくらい英語のセリフも多い映画だからこうなるべきだった、というのもわかる。わかるからこそモヤモヤするんだよね。
ーーーーーーーーてな感じでね!ひとまず思ったこと、今吐き出したい内容はバーッと書けた。ま~たなんか思い出したら書きなぐってしまうかもな。その時はここに追記していこう。
以上!
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