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web3では、"中央"は儲からなくなるのか?


Web2とweb3の違い
主語を大きくするWeb2的コミュニティとweb3的コミュニティの比較みんなが主役のweb3

今回は、「web3では、"中央集権的存在"は儲からなくなるのか?」について説明します。
結論から言うと、GAFA級を除き、「率は低くなるけれど、総額は高まる可能性あり」です。

中央集権的存在がトップオフで手数料を取るわけではなくなるため、偏った過剰な儲けは出せなくなります。
しかし、貢献に応じた適切なリターンがある世界線です。

Web2とweb3の違い

具体例を交えて解説します。
有名人のファンたちが集まる「オンラインサロン」のように、中央集権的なコミュニティについて考えてみましょう。
売上を、その中央集権的存在が優先的に取り、その中で生まれる企画に対して、サロンオーナーやコアメンバーが予算をつけていく形がWeb2です。
web3において、サロンオーナーのファン達だけが対象のコミュニティにしてしまうとどうなるでしょうか。 web3ですから、収益はオーナーでは無くコミュニティのトレジャリーに入ります。 コミュニティとしての軍資金は貯まっていきますが、中央集権的存在(サロンオーナ-)に売上が優先的に入ってこず、中央集権的存在の「儲け」は大きく減ってしまうことになります。
ここで鍵になるのが、『主語の大きさ』です。

主語を大きくする

Facebookのメタ社が「メタバース」という壮大な主語を掲げているところに、ヒントがあります。
"Facebook"というひとつのSNSとしてではなく、ブランド力を活かしてその領域・業界全体に最大限広げた『主語』の相互運用性のあるコミュニティを掲げ、その一員としてのメタ社を存在させようとしています。
先ほどの例で、有名人のファンクラブ的オンラインサロンではなく、「キャンプ好き」みんなが集まるコミュニティに『主語』を広げてみます。
そして、その起案者・推進者として、有名人の影響力をテコに使うイメージです。
その貢献に対して、適切なガバナンス・トークンやNFTでストックオプション的リターンを設計します。

Web2的コミュニティとweb3的コミュニティの比較

1.有名人のファンクラブ
 ・規模 1万人
 ・年会費 1万円
 ・手数料率 50%
これだと、年5,000万円の収益です。

2.「キャンプ好き」コミュニティ
 ・規模 100万人
 ・年会費 1万円
 ・リターン 1%
これだと、リターンはわずか1%でも、年間1億円の売上になるのです。

中央がいないため、参加者みんなが主役となるため、業界全体にまで規模を広げられるのです。

みんなが主役のweb3

web3のコミュニティでは、「みんなが主役」というメッセージをグローバルな人たちにもトラストレスに証明することが、カンタンにできます。
例えば、コミュニティへの参加パスポートをNFTの売上にした場合、その売上がコミュニティみんなの軍資金(=トレジャリー)に計上されているかどうかは、常にオープンです。
起案者・推進者の有名人がどれくらいの比率のガバナンス・トークンやNFTを保有しているかもオープン。
なので、コミュニティでファンである自分がどんだけ頑張ってもトップオフで中央集権的存在に手数料を取られる世界よりも、より「自分が主役」になれる環境が整うのです。

ビットコインやイーサリアムという世界共通のプロトコル上では、「自分が主役」となれるからこそ、ビジネスチャンスを感じた”大企業”も、コミュニティの一員として、結果としてコミュニティのグロースに貢献してしまっています。
フェアなコミュニティさえあれば、”巨人”の後押しも期待できるのです。
web3で中央集権的な手数料を取らない姿勢は、「鉄道」が最低限の費用で利用できることに似てます。
「鉄道」は現代社会になくてはならない存在ですが、ここが中央集権的権限を発揮すると、「鉄道のビジネス利用はすべて30%の手数料を取る」、といったことができてしまいます。
これが、いまWeb2で起こっている現象です。

『早く行くには1人で行け、遠くに行くならみんなで行け』。
web3によって、アプリケーションレイヤーもインターネット的なプロトコルとしてのフラットなインフラとなる時、これまでの巨大企業であっても参加者と立場を落としてそのコミュニティへの貢献に対する適切な収益分配になり得るのです。


※この記事は、パジ(@paji_a)の発言をベースにかねりん(@kanerinx)が編集して記事化しています。
※この記事の元投稿は、HiDΞで連載中のマガジンです。(JPYCの投げ銭も可能)

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