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『バードメン』は出会いと別れの曲

チバがこの世を去ってから10ヶ月経った。

あっという間のような、まだ10ヶ月しか経っていないような。時間経過のスピード感がよく分からないし、いまだにチバの不在は現実感がない。今のところライヴ情報はないけど、ある日突然ツアーが発表されて、夏フェスのラインナップにもThe Birthdayの名前が並ぶんじゃないか。そんな風に思ってる自分がいる。そんなことは絶対に起こらないと分かってはいるけど。

相変わらず日常の中でThe BirthdayやTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTを聴いている。懐かしむとかそんな感情ではなくて、ずっと現在進行形で好きだから。

チバユウスケの音楽を初めて聴いたのは大学1年生の冬だった。「チキンゾンビーズ」がリリースされた頃。
ある日曜日、ラジオを流しながら部屋の掃除をしていた。ラジオはJ-WAVE「TOKIO HOT 100」だった。クリス・ペプラーさんの。
何位にランクインしていたのかは覚えてないけど、THEE MICHELLE GUN ELEPHANT『バードメン』が流れた。
衝撃的だった。耳をつんざくようなギターとがなり立てて歌う声。曲が流れたのはほんの数十秒だったと思う。

バンド名と曲名をメモして、翌日タワレコに行って「チキンゾンビーズ」を購入した。視聴機コーナーに「チキンゾンビーズ」があって、聴いて「かっこいい!!」と興奮したな。『ハイ!チャイナ!』は「吐いちゃいな」にかけてるって分かった瞬間、「このバンドはホンモノだわ」って確信した。

私のチバユウスケとの出会いは『バードメン』。

出会いの曲である『バードメン』、実は私にとってチバユウスケとの別れの曲でもある。

1月19日の献花の会で、私が祭壇にガーベラを手向ける時に会場で流れていたのが『バードメン』だった。
偶然なのか、運命なのか。
私が『バードメン』を好きか嫌いか、そんなことは関係なくて、『バードメン』がチバユウスケと私を結びつけるものなんだと勝手に思っている。

『バードメン』を聴くと、初めて聴いた時の衝撃と別れの絶望感が一気に襲ってきて、「生」と「死」の圧倒的な生々しさを感じる。
決して悲壮感はない。チバと私が同じ時代に生きていたことの証しだから。チバとほんの少しでも同じ時間、同じ空間を共有できたことは私の人生にとって大きな財産になってる。
だから、ずっと聴き続けるよ。


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