月読み‐月夜さんについてわかったこと‐

ツクヨさんは漢字で「月夜」と書く。美しい名前だが彼女の姿を見ることができるのは家族くらいである。以下の話は私が月夜さんに会う前に夕子さんから聞いた話だ。

月夜さんは夕子さんより３つ年上だった。幼少のころから霊感のようなものがあり、未来を言い当てたりして周囲を驚かせた。しかし、こういった特殊な能力を持つ子供はいつの時代も疎んじられる。事実、小学生位になると彼女は気味悪がられいじめられた。子供は残酷である。が、月夜さんは彼女なりのやり方で解決する。すなわち自分をいじめた人間の未来を全て洗いざらい話したのだ。これが大問題になる。彼女は隔離され自宅で義務教育を修了させられるという特別措置が取られた。

彼女の部屋は家の離れにある。普段はお手伝いさんが3食食事を運ぶだけで基本的に誰にも会おうとしない。たまに何かの拍子に家族に姿を見せる。見せた後には何かしらのよからぬことが起こる。

それでは彼女は引きこもりのニートなのかと問われれば答えはNOである。彼女は雑誌の占いコーナーで連載を持っている。少し前に金沢のタウン誌にある占いがやたらとよく当たるとネットで話題になったかと思うがそれこそが月夜さんの占いだ。あとは有名人の個別鑑定で相当な稼ぎがある…らしい。

ここまで書いていて何故彼女が私に会いたいのか皆目見当がつかない。というか恐ろしすぎる。