禁酒節酒法案審議(妄想国会)

今国会提出の議案。

〈ここ数年の飲酒量増大によって考えられる様々な健康不安に対する懸念と対処法の成立〉

議長「では民民党こっぽり議員どうぞ」

こっぽり「こっぽりです。現在ワタクシが懸念するところと致しまして、国家、すなわち我々の心体の健康状態の維持管理であります。11年前に成立しました禁煙タバコ放棄法により、我が心体は喫煙を放棄しましたが、この時の喜びに反してその日からの飲酒量が著しく増大し、またそれが常態化していますことを懸念しております。この点、総理はどの様にお考えでしょうか?」

議長「しみっちょ内閣総理大臣」

総理「え〜飲酒量が増えています事は事実として存在しますが、生活に支障をきたすレベルになる事は抑え込まれていると認識しています。」

議長「こっぽりくん」

こっぽり「ワタクシ共の資料では、年々翌日の活動への悪影響が指摘されています。実際にですね、鎮痛薬や胃薬の服用が増えています。この点どうお考えですか?」

議長「環境省」

こっぽり「あ、いや、総理が、お答え下さい!」

環境省「こちらの管轄なのでまずはワタクシどもの考えを述べさせていただきます。翌日の軽い胃もたれや頭痛により、午前の仕事効率が下がる事は多少見受けられますが、直ちに生活面の質の低下をみるほどのものではございません。したがって心体の精神面を考慮して現状維持で問題ないかと考えます」

議長「こっぽりくん」

こっぽり「生活面の質の低下は無いと言いますが、薬の服用回数が増えており、この点無理が生じており、飲酒量の減量が望ましく、厳格な法案の設立が望ましいと考えます。薬の摂取に関して厚生省はどの様にお考えですか?」

議長「厚生省」

厚生省「え〜ご説明いたします。頭痛の回数はここ一年で増えており、またこれに対して安易に鎮痛剤であるロキソニンを胃薬のレパミピドど共に服用する回数が増えております。また、ロキソニンの副作用により胃部不快感が増大し、レパミピドの単独服用の回数も増えており、多少の懸念材料ではあります」

こっぽり「いや、多少では無いでしょう。おえおえと嘔吐く様な場面が常態化していますよね!これはもう危険信号ですよ!私は夜9時までの飲酒禁止、あるいは1日缶ビール350ml2本までを提案します」

議長「しみっちょ内閣総理大臣」

総理「え〜おっしゃる事はよく分かります。私も心体が心配ですからね。しかしですね、1日2缶は少ない。実に少ない。これによる心身のストレス増大による健康懸念の方が心配されます。せめて4缶」

議長「こっぽりくん」

こっぽり「分かってない。あなたは心身の健康ばかり考え、財務状態を無視している。現実の平均1日5缶はあまりにも経済負担が大きい。まして現在の発泡酒禁止法などもってのほか!ここは、総合的に見て、1日2缶、発泡酒の解禁でどうでしょう」

議長「しみっちょ内閣総理大臣」

総理「発泡酒はですね、それそのものはとても美味しいです。はい。しかしながらビールより少し胃もたれが多い様に感じられ、不安が残ります。1日ビール3本、夜11時まででどうでしょう」

こっぽり「3本ってなんですか?缶が本にすり替わってますよ!」

総理「……」

議長「しみっちょ総理大臣、気をつけなさい」

総理「すみません。3缶、夜11時まで」

こっぽり「夜11時までなんて、実質無制限です。夜9時からか夜10まで2缶を提案します」

議長「環境省」

環境省「環境省としましても、現在の飲酒量は不安です。先程は不安無しと申し上げましたが、このまま続ける事は生活環境に思わぬ病が発生する懸念があり、やはり改善が急がれます。つきましては環境省として、食事時2缶、その後は禁酒を提言いたします」

議長「はい外務省どうぞ」

外務省「外務省です。友人や職場の飲み会とかはどうしますか?外務省としてはお付き合いは大切かと」

全員「そこは無制限でしょう」

外務省「ですよね」

厚生大臣「お待ち下さい、外での飲酒につきましては、飲酒量はそれで良いですが、飲酒物規制は2年前設立した法案を維持してもらいます。特に胃もたれするジンやウォッカ等、焼酎やこれを利用した酎ハイの規制ですね。すなわち、無制限のビール、ハイボールと飲酒量制限ありの日本酒、ワイン、これらに引き続き限ります。胃もたれと嘔吐防止のためです」

全員「はい…」

国防省「国防省です。ここ最近のアルコール分解能力低下により、飲酒時にやや失言等が増え、戦闘となる可能性があります。その点お気をつけください」

こっぽり「兎も角、我々の心体はもう若くは無い。食事の摂取量低下、運動量の激減など、そのあたりもよくよく考えて下さい。その状態で飲酒量ばかり増えるもので、もうほんとおえおえどころかおえーってしてますから」

総理「おえーっは言い過ぎかと。おえっぐらいかと」

こっぽり「総理は認識が甘い!おえおえおえーっです」

総理「分かりました、当面は審議を続けるとして、しばらくは4缶程度に抑えましょうか…」

内務省「家庭内での会話が弾み、楽しくなっちゃった時はどうしましょうか?」

総理「そこは無駄な緊張感を生まない様に少しと多めにしても良いかなと。プラス2缶?ぐらいで。皆さんどうですか?」

各省「そこはやむなしですな」

こっぽり「あまい…甘すぎですよあなたたち!ほら、今この瞬間も心体は胃薬飲んでますよ…」

議長「ではこの議案については継続審議とし、次回の国会までは飲酒量に少し気をつけながら、過ごしましょう。特に自粛明けは飲み会が増えたりもしますので」

ダン!!

議長「これにて閉会!」

こっぽり「ちょちょちょちょ…」

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