コーチングで感じたことまとめ


1.LPを上げるための動き

ーーーー「TFTが上手くなる」ことと「LPを上げる」ことは違う

 「TFTが上達する」「LPを上げる」この2つはもちろん共通する部分も
あり、TFTの基礎的な知識や立ち回りを身に付けることは、どちらにも直結します。しかし、実は結構違う部分もあって、それはフレックスにプレイするか、テンプレの構成を決め打ってプレイするか、という点です。

 TFTの技術を高めるというと、やはりそのときに引いた駒で柔軟に対応する力をつけるというイメージをみなさんお持ちでしょうし、実際その通りだと思います。ですが、ランクを上げるという一点のみに注目すると、決め打ちでプレイした方がはるかにLPを稼ぎやすいです。一見、フレックスにプレイした方が駒を引けなくて困ることがないので安全な気がしますが、問題なのはどのように構成を完成させるかです。

 例えば引いた駒で対応しようとした結果、ブルーザー4+スナイパー4でアッシュキャリーの形になったとしましょう。前衛と後衛がバランスよく配置され上手くいく気がしますが、硬さで言えば磁器が出ているアムムの方が優秀ですしCC要員のノーチラスもいないので、テンプレのワーデンスナイパーには基本的に勝てないでしょう。加えてセージリリアなど他のテンプレ構成にもパワー負けすることが予想されます。このように、柔軟に構成を組み立てる場合、テンプレの構成と対等以上の完成度を維持するのはめちゃくちゃ難易度が高いです。

 チャレンジャー最上位勢の配信を見ていると、柔軟なプレイでスマートに構成を整えたくなります。実際、コーチングに応募していただいた生徒の中で、そのときに引いた駒を組み込みながら龍王型の構成に着地しようとしたものの、上手くいかずに下位になってしまう試合が結構見受けられました。もちろん、難易度の高いプレイングにトライするのは決して悪いことではありません(むしろ経験値になるので良いことです)。しかし、最上位に位置する彼らは非常に高い判断力を持ち合わせているからこそフレックスにできるのであって、あえて言葉を選ばずに言うと99.99%のプレイヤーにとって真似できる代物ではありません(当然僕にも無理です)。いわゆる「上手すぎて参考にならない」というパターンです。

 一方でテンプレに沿った立ち回りは、狙った駒を引けなかったときの不安はあるものの、迷うことがないため必要最低限の時間で構成を組めますし、
完成度も保証されています。対戦数を重ねるごとに構成の組み換えに脳のリソースを割かなくて済むようになるので、その分立ち回りがどんどん洗練されていき、結果的にLPは伸びやすくなるのです。

 決め打ちのプレイングはTFTが上達することとは違う部分もありますし、何よりテンプレばかりやっていると飽きて面白くないと感じるプレイヤーも少なくないでしょう。もちろんゲームですから、様々な楽しみ方があります。それがLPに直結するとは限らないというだけの話で、TFT自体の奥深さや面白さを求めてプレイするのも全然アリです。面白さを追求するか、ひたすらLPを稼ぐことを意識するか、そのバランスを上手にとりながらプレイできると良いと思います。

 それを踏まえ、あくまで個人的にですが、同じ構成に絞ってプレイしながら目標のランクを目指す過程で、(構成の選択に脳のリソースを割かれなくて済むので)TFTの基礎的な力は身についていくと思います。LPが伸び悩むとストレスにもつながりますから、たとえ決め打ちプレイングになってもまずは目標を達成してから、基礎を応用して本格的にTFTの技術を高めていくという順番の方が、精神衛生上良いのではないかと考えています。

2.オススメの構成

 前項でテンプレの構成を決め打った方がLPは伸びると述べましたが、具体的にどのような構成が良いのか説明していきましょう。

 構成にはそれぞれプレイできる条件があります。(特定のアイテム, 特定のオーグメント, 大量のゴールド, 勝ち進行etc・・・)
決め打つのに向いているのは、この条件が緩い、すなわちアイテムやオーグメント依存度が低く、少ないゴールドで完成できる構成です。このような構成は、試合ごとにプレイできる条件を見極める必要がなく難易度が低い点でもLPを稼ぎやすいです。

 以下に直近の例を挙げておきます。

①セージリリア

・リリアとモルガナで相手の後衛を倒すのが強みなので、まずは両者にアイ
 テムが欲しい。
・タンクまで充実させるためにアイテム系のオーグメントがあると良い。
・ウーコンを引くまではザイラやソラカで代用する。

②ワーデンスナイパー

・ここに挙げたものの中でも特に少ないゴールドで盤面が整う、とにかく
 安さが売りの構成。
・構成のパワー自体はやや低く、レベル9の伸びしろもあまりないので金策
 オーグメントよりも質の高い戦闘オーグメントが欲しい。
・セトを引くまでは他のワーデンで代用する。

③ドライアドフェイト

・5コストが入ったときの伸びしろが大きく1位も狙える。
・セト, アジールを引くまではそれぞれヤスオ, レクサイで代用する。

(デュエリスト構成も安さが売りではあるものの、BFやリカーブが大量に必要でロッドが処理しづらい, 専用オーグメントの有無に左右される場合がある, 勝ち進行から目指したいなど、上に挙げた構成に比べるとやや条件が厳しくなるため本記事では除外しました)

 これらの構成は、まずレベル8の段階である程度の強さが保証されている点で優秀です。苦しい試合展開ではレベル9に到達できず、何とか4位か5位に滑り込みを狙う場合もあるので、レベル8でも通用するというのはかなり心強いです。もちろん、完成度を高くするためには5コストが必要ですが、
5コストを引けていない段階でもとりあえず強い形になりますし、4コストも2~3枚で済むのでかなりコスパが良いです。

 そして、これはどのパッチ, どのセットにも当てはまります。かなり前の話になるのでご存じない方もいると思いますが、例えばセット9のフレヨルドアフェリオスも決め打ちに適した構成でした。

 条件が緩く決め打つのに適した構成は、その1つの構成のみをプレイする完全決め打ち型のプレイスタイル(いわゆるOTP)でもLPを上げることが可能な場合があります。OTPと聞くと、何となく良くないイメージを持っている方もいると思いますが、実はそれがLPを上げるための近道になることもあるのです。LPが上がらずに困っているプレイヤーは、試しに1~2つの構成に絞ってプレイしてみるのも良いでしょう。

 逆に、パッチ14.8 ~ 14.9で一世を風靡した磁器4インヴォ4型のアッシュは、単にレベル8で4コストを重ねるだけでなくレベル9まで上げてリサンドラを引くことが前提のものだったため、ゴールドを大量に必要とし、かつ体力にもある程度余裕がないとプレイするのは厳しい構成でした。また、ブルーザーカイサも強力なオーグメント、もしくはフォーチュンの報酬がないと勝ち切るのは難しい構成でした。このように、条件が厳しい構成はいつでもできるわけではないので、決め打ちには不向きです。

※アンブラル構成について

 コーチングの際に多かったのが、アンブラル構成で下位を取ってしまった試合でした。アンブラル構成は完成すれば強力なのでプレイできないわけではないのですが、かなりクセが強く難易度の高い構成です。まず、アルーンを☆3にするにはレベル7でリロールするのが最適なのですが、その一方でアンブラル6を出すためにセトを引く必要があるので、レベル8, 9に上げなければなりません。したがって、レベル8でリロールしてアルーンは余程集まりが良くない限り☆2で我慢し、レベル9を目指すのが最もリスクの低い立ち回りになります。しかし問題はそれだけではなく、セトを引くまでアンブラル4で耐える時間がかなり弱いですし、そもそもセトの代わりにどの駒を入れれば良いのか判断するのが難しいです。何レベルでリロールするか、どの駒を買えば良いか、様々な点で混乱しやすく、多くの生徒のLPを奪う結果となっていました。

 例外として、「真夜中のサイフォン」または「アンブラルのクレスト(クラウン)」のオーグメントを取れた場合は積極的にアンブラル構成をプレイできます。サイフォンはヨリックを☆3にした時点で盤面が相当強力になるのでそこからレベルを上げてアンブラル6まで繋げやすいですし、紋章があればセトなしでもアンブラル6が出る上に紋章を装備させたリリアやアジールが優秀な働きをしてくれるので安定性が格段に上がります。一方、「月の怒り」も強力ではありますが、結局アンブラル6が出ないと強い形をつくれないという問題が解消されないため、2-1で取るのはリスクがあります。

 アンブラル構成は特定のオーグメントが出たときは選択肢に入るものの、それ以外の場合は難易度の高さを考えるとあまりオススメできません。

※競合について

 競合を気にしすぎている生徒がかなり多かったように感じました。もちろん、競合を確認して場合によっては別の構成に切り替えることも重要ですが、いつも敵に譲ってばかりなのはよくありません。譲ると敵を楽させることになり、結局競合するはずだった相手を一人勝ちさせてしまう場合も多いです。また、競合しないことを重視してあまり強くない構成をプレイしても結果的に勝ちづらくなります。

 その環境で強い構成であれば多少競合しても何とかなりますし、きちんとお金を貯めていれば相手より先に引けることもあるので、自分の道を突き進む勇気も必要です。

3.リロールタイミング(4コスト)

 簡単のために、「レベル8でリロールし、現環境最も主流な4コスト構成をプレイする」場合に限定して説明します。

 目的の4コストおよび周辺の駒を引いて盤面を整えるためには、レベル8の段階で最低でも50G程度は必要です。そして、その50Gを貯めてリロールするタイミングは、基本的に4-2, 4-1, 3-7(モブラウンド)の3パターンしかないと思ってください。敵もこのタイミングでリロールして盤面を強くするので、遅れれば遅れるほど体力が削れて不利になります。

 3パターンの中では、4-2でリロールする試合が最も多くなると思います。オーグメント, ポータル, 遭遇などでゴールドを多く手に入れていない限り、このタイミングでレベル8の50G前後になることが多いです。もしここでゴールドが足りないようであれば、そもそも序盤の立ち回りで適切にゴールドを貯めることができていない可能性が高いです。目安として、ステージ2で5連勝できた場合を除き、2-6で20G貯めてください。それを下回るとゴールドが足りなくなります。

 ゴールドが多い試合では4-1や3-7でリロールできます。3-7は戦闘フェーズではないのですが、このタイミングで少しリロールしておくと、次に必要な駒と売る駒を整理できるため4-1で盤面を整えるのにかなり猶予ができます。なお、ポータルなどでプレイヤー全員にゴールドが大量に配られた場合は、当然ながら敵も自分と同様ゴールドを多く持っているため4-1や3-7でリロールしなければならない可能性があります。

 平均的な運ですと、最初のリロールでは目的の4コストを1枚ずつ集め、周辺の駒を数枚☆2にするくらいでしょう。運が悪いと4コストが1枚も引けないこともあります。逆にこのタイミングで4コストが☆2になったら相当運が良いです。

 リロールした後はゴールドを貯め、体力がない場合はレベル8のまま再度リロールして4コストを☆2にし、余裕がある場合はレベル9を目指します。レベル8で4コスト☆2をつくるためには5-1までゴールドを貯めたいですが、あまりにもピンチであれば4-5でリロールすることも視野に入れます。

※途中3-2でリロールする立ち回りについて

 3-2で一度リロールし盤面を整えようとする動きがコーチングの際に何度か出てきました。これは、ステージ2で連敗した場合にそのままステージ3も連敗し続けると体力が減りすぎて下位に落ちるリスクが高くなってしまうため、それを防ぐというのが主な目的です。実際にチャレンジャーのプレイングでもしばしば見られる動きではあるのですが、将来4コストを引くための貯金を切り崩しているため、リロールするからには確実に盤面を強化しなければなりません。そこで問題なのが、「盤面が強くなる見込みがどの程度あるか」です。

 例えば、リーチ(同じ駒を2枚所持していてあと1枚で☆2になる状態)の駒が3体以上いる場合、リロールすればどれかは重なってある程度盤面が強くなることが期待できます。これに対しリーチが1枚のみの場合、その特定の駒が重ならなければ盤面はほとんど強くなりません。こういった状況でのリロールはかなり危険であり、たとえ連敗していてもあまりしたくないというのが本音です。

 さらに、たとえリロールするとしても3-2で最低40Gはキープしてください。ここでゴールドを使いすぎると、ステージ3を連勝できてもステージ4でのリロールタイミングが大幅に遅れるので、最悪の場合完全に試合から除外されます。

 最上位帯の試合であれば別ですが、マスター以下の試合に関しては、
3-2リロールは行わないケースの方が圧倒的に多いと考えられます。

※リロールをあえて遅らせる立ち回りについて

 競合がいない場合に限り使える戦法で、「自分が使わない4コストを敵に引かせて確率を上げるためにあえてリロールを4-3に遅らせる」という立ち回りを行っている生徒が数名いました。これは数字だけ見れば合理的で体力さえ余裕があれば効果的に思えますが、個人的にはあまり賛同できません。1ラウンド分の体力を犠牲にして4コストが引ける確率を上げるという理屈ですから、目的の4コストを☆2にするくらいでないとただ体力を削っただけになってしまうのですが、この戦法で多少確率を上げたとしても4コストはそう簡単に重なりません。加えて、4-3までゴールドを貯めても今度はゴールドが多すぎて1ラウンドで使いきれず、盤面の組み換えが間に合わないケースが出てきます。そうなると2ラウンド犠牲にすることになるので、リスクの方が圧倒的に高くなってしまうのです。

 これらのことから、長い目で見てLPを上げるためには、先で述べたリロールタイミングを遵守した方が良いと考えます。

4.まとめ

・TFTの技術を高めることとLPを上げることは違う要素もある。
・単にLPを上げることに特化するのであれば、難易度の低い構成を1~2つ
 くらいに絞ってプレイした方が効率は良い。
・LPを上げるのに適しているのは、アイテムやオーグメント依存度が低く、
 少ないゴールドで完成できる(要はいつでもできる)構成である。
・4コスト構成でリロールするタイミングは4-2, 4-1, 3-7のどれかである。


 

 

 


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