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■エヴァ合宿日記① 〜出発〜

エヴァセラピスト5期 合宿日記


サヨナキドリよりも早く目が覚めて
スマホを手探りで見つけて暗がりを照らします。

時刻はまだ朝の4時。

林間学校当日の子どものような目覚めで
思わず笑ってしまいます。

心臓が早く鼓動を鳴らしているーー。

久しぶりにみなさんにお会いできる。
一体それぞれどんな変化があったのだろう。

お会いしなかった間、わたしはというと
皮膚の状態が急転下した一ヶ月半でした。

少し関節を動かすだけでも皮下に電流が流れ、
家の中でお手洗いの移動をするのも
困難になっていました。

ほぼ寝たきりになってしまった日々を越えて
気づいたのは「赦し」。

今までのわたしは目の前に壁や障害が現れると
「乗り越えよう」だとか
「ブロックを壊そう」と思っていました。

だけどそれは正しい向き合い方ではなくて
たとえ壁を乗り越えたり、壊したりしたとしても
しばらくするとまた現れてきてしまいます。

壁や障害は乗り越えたり壊すのではなく、
「赦す」ものーー。

誰かをを赦すように、困難そのものを赦します。

氷の壁をあたためてゆっくり溶かし、
赦していくーー。

そうしてわたしたちは春の目覚めの中で
輪廻の輪が巡り、生まれ変わってゆく。

それが一つの理なのではないでしょうか。

春を越えて夏を迎えたときめく心臓を胸に、
わたしは特急列車に乗り込みます。

列車に足を踏み入れると
一ヶ月半ぶりの顔ぶれたちが
「いくちゃん!!」
とわたしを呼んで迎える。

その笑顔はまるで
ハイビスカスの花が咲きほころぶように眩しい。

なのにも関わらず
相反するように珍しくカチコチのわたし。

積もる話はたくさんあるはずだけれど
ちょっと心を落ち着けたくて
一人で座っていたMちゃんの
通路を挟んで隣に腰をかけます。

心を落ち着けておむすびを頬張っていると、

「いくちゃんそれだけ!!??
 わたしのおかず分けてあげるよ!!!」

と真剣な瞳をまんまるに見開き、
両手にお弁当を二つ持って見せてくれるMちゃん。

この人お弁当二つ食べる気だ…。
しかもどっちもまあまあ大きい。笑

彼女にとって、わたしはおかずのない
ひもじい子なのでしょう。笑
Mちゃんの優しさや真剣さが可笑しくって
可愛らしくて、思わず吹き出してしまいます。

そうして彼女のおかげで軽やかになった
わたしの心を乗せたわかしお号は
海へ海へと足早に駆け抜けます。

列車を降り、夏の匂いを感じていると
潮風がわたしの髪をなびく。

髪を片耳にかけ、潮風を感じ深呼吸すれば、
遠く遥かに潮騒の旋律が聞こえるーー。

わたしの胸に小さく光る希望や予感を
夏の眩しい太陽がキラキラと照らします。

こうして一生忘れられない
わたしたちの煌めく夏の二日間が始まるのでした。



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