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私のパドックの見方

はじめに

まず最初に理解して頂きたいことは、パドックだけで良い馬を見つけられるか否かは「運」が、かなりのウエイトを占めているということです。

これは、「適当に推奨して当たればラッキー」という意味ではありません。

パドックで映し出される時間は限られているので、映像からはその馬の

【映し出された瞬間的な状態】

しかわからない為です。なので、運の要素もかなり占めています。

パドックで馬が映し出される時間

中央競馬は、10秒程度しか映りません。
地方競馬では、18秒前後の映像を2回程度見ることが出来ます。

さらに中央競馬においては、3つの開催場で行われている場合、返し馬を見ることはほとんど出来ません。パドックすら見れない時もありますよね。

地方競馬の場合、パドック&返し馬ともにしっかり見れるのが特徴ですが、馬具を付けている馬が多いのは難点です。

瞬間的にしか映し出されないパドック映像で何を判断する?

答えは簡単です。

【瞬間的に把握できる要素をたくさん探す】

ということです。

1秒で1項目を見て、たくさん見る!というのはなかなか難しいです。始めは、下記の項目からピックアップしてみると良いです。表記順は個人的に考えている優先順位です。

私が見ているポイント

・頭から背中までのラインで気合と集中力を判断

まず知っておきたいのは、【肩が立っている、寝ている】という骨格の特徴があり、その影響で元々頭が高い、低いは骨格的にあります。馬体の話をすると少し難しくなってしまうので、【き甲】と言われる部分の角度から見て前進気勢があるか否かを判断します。

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私が走りそうだなぁ感じる馬は、き甲の角度より頭が下がっていて喉が開いていない馬です。

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少し違うのわかりますか?

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やる気ないですね笑

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・口向き…機嫌が良いか悪いか、操縦性が高い馬なのか否かを判断

ハミは走る馬に合っている物を関係者が選んで付けています。それにも関わらず、嫌がって頭を上下させたり、口から多量のヨダレをダラダラ垂れていた場合はハミを気にしていていたり、集中出来てない可能性があります。

この馬は頭を上下に動かして、口を割っているので少し機嫌が悪いですね。例え、ハミが合っていたとしてもこのレースでは操縦性が高い馬とは言い難いと思います。

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・歩度…体調、集中力、体の使い方に硬さがないかを判断

馬の性格によるので、速く歩く馬もいれば、おっとりしている馬もいます。足捌き(前脚の出方、後脚の踏込み)と連動してハキハキ歩いてると印象は良いですよね。ハキハキ歩いているのか、気合が乗りすぎているのかは馬の頭の動かし方を見ましょう。頭が一定の位置からズンズン前へ進む感じ&動いている幅が同じストロークで歩けていれば、かなり良いです。しかし、頭を左右に振ったり、ストロークがバラバラだと、どちらかというとテンションが高かったり、機嫌が悪かったりします。ゆっくり歩いていても元気がないように見えなければ特に割引く必要はありません。

この馬は、踏み込みも大きくて好印象ですよね。

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コチラは、ちょっと硬い印象ですね。

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・発汗…適性体重か否か、入れ込んで体力を消耗していないか。暑くての汗なのか、緊張しての汗なのかを判断

汗自体は悪くありません。問題は、他馬と比べて汗をたくさんかいているからどうかです。ゼッケンの下にかく汗は、暑い時期はどの馬もかきます。他馬は、少し泡が浮く程度にも関わらず、滴り落ちる程の汗をかいている様なら割引きしても良いです。また、お股にかいている汗は人間でいう脇のようなイメージで私は見ています。なので、コチラも多量にかいている様なら印象は良くないですね。

暑い時期にこれくらいなら問題ないです。

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お股の汗はコチラですね。こちらも足元まで真っ白になるくらいでなければ大丈夫です。

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・目線…集中力、体調の判断

コチラは、どなたがみてもわかりやすいと思います。今まで説明させて頂いた内容と併せて見ると、よりわかりますね!良くない順番で写真を並べてみます。

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コチラの2頭は良いですね。

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・尾…集中力や気合乗りを判断

尾は虫が来たりしたときに動かしますが、気分を表す部位でもあります。馬の性格もありますが、ブンブン振っていて、尚且つ、頭もブンブンしているようだと割引きしてしまいますね。

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・耳…集中力、性格を判断

耳の動きをよく見てみましょう。頻繁に動かすようだと、怖がりの馬だったり、緊張している事が多いです。そこを改善する為に馬具を使用している場合もあります。

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ひとまず、今回はこの辺りで終わります。

好評であれば、その他の行動(常歩や速歩)、細かい馬体の適正などをどんどん追記していきたいと思います。

最後になりますが、パドックはあくまで評価の一部でしかありません。全てを委ねるにはリスクが高いです。
馬能力>パドック&返し馬になりますので、しっかりと事前に推し馬の情報を得ておく事が非常に重要となりますので、覚えておきましょう!

そして、パドックで良いと思った馬の結果を確認し、その結果と照らし合わせて復習をすることによって、最後の最後にパドック気配から選んだ馬が馬券内に来る精度をあげていきましょう。

9/27 追記 装着馬具について

少し質問があったので、馬具について書きたいと思います。

基本的に全ての馬具は馬の能力を最大限に発揮させる為に使用します。

では、種類毎にざっくりと説明します。

シャドーロール

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脚元が見えないようにして走りに集中させます。脚元を怖がらずに走れるので、顔をより地面に近づけるようになり、頭の低い走りに矯正出来る効果もあります。ビクビクして走らなくなり、集中して走ってくれるので操縦性が増したりする時もあります。

チークピーシーズ

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ブリンカー

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コチラの2つは、周りを気にして能力が発揮出来ない馬に使います。どちらも様々な大きさがあり、視界を狭くする事で走りに集中させます。ブリンカーの場合は、面子とセットで使う場合が多いですね。チークPは届け出が必要なく、着脱自由ですが、ブリンカーは必要となりますし、申請した場合は必ず付けなくてはなりません。出走表にBと記載があれば、ブリンカー着用です。ブリンカーは大きさで、深い、浅いとあります。深いブリンカーをしている馬は馬場コンディションが悪い時などにブリンカー内に砂などが詰まりやすく、凡走することもあるので要注意です。

ホライゾネット(パシュファイヤー)

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コチラも面子とセット使われる事が多いです。目の周りを覆うので、視界を少なくして走りに集中させる効果があるのに加え、砂を被ったり、泥が飛んでくる事から目を守り、馬が怖がらず走りに集中出来る効果があります。

面子

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他の馬具を装着するために付けていたり、顔に砂が付くのを嫌がる馬につけたりします。耳まで覆われているものは、外部からの音を聞こえにくくすることにより、走りに集中させる効果があります。馬によりますが、面子を付けるという事で「これから走るんだ」とわかる馬もいて、気合が入ったりします。ルーティンとして馬にレースや調教がこれからあるということを覚えさせる役割もあります。

有名な馬具を少し書きましたが、それぞれ特徴があり、大きさも様々です。その馬の個性なので、レース内容と照らし合わせてみると、どういう馬なのかという事も分かるかも知れませんね。

例えば、

シャドーロールをつける馬は脚元を気にしやすい=馬場がコンディションが悪い時の成績をチェック

チークPを着用している馬は、周りを気にしやすい=揉まれ弱いのか過去レースの道中ポジションニングと成績を確認する。

ブリンカーもチークPと同様事項と、馬場悪化時、脚質によってブリンカーが影響して凡走しているときはないか確認する。

ホライゾネットなら、チークPとブリンカーのチェック事項の両方を確認する。

面子は、音に敏感=風が強い日など気候が悪い時の競争成績を確認する。

などです。ブリンカー以外は出走表に表記がないのでわかりにくいですが、大金を賭けるレースならしっかりチェックをしておきたいですね!

また、何かご要望があれば追記いたします。

4/15追記 パドック等での行動について

・ボロ(糞)に関して

様々な説がありますが、緊張するとボロをする傾向にあるそうです。パドックでのボロは、普段と違う環境から少しストレスを感じた場合にする事が多いそうです。また、このボロは緩い傾向がある事から、一概に体調が悪いとは判断できない事を覚えておきましょう。

・尻尾の動き

左右に降っている場合は、虫などを追い払う仕草とみて問題はないです。ただ、上下に振っている場合には、気分が悪い(体調、馬具、気性何かしらの原因)と読み取る事が出来ます。また、尻尾を股の間にしまい込むような動作は、不安や恐怖の表れの可能性もありますので、返し馬などで操縦性をチェックする必要があります。パドックと返し馬での尻尾の見方の違いは、尾を高くあげるときです。返し馬の走り出しなど広いコースに出て走り始められるという気分で、馬が尾を高くあげる時があります。この場合は、前進気勢と見て良いので割引く必要はありません。(返し馬の中に尻尾の上下がずっと続くようでしたら、注意してください)

・落ち着いている馬とそうではない馬

コチラは統計学的な観点からすると、装鞍所にて落ち着いている馬の方がそうではない馬より平均1.5着ほど先着するというデータがあります。しかし、このデータは相関関数的に導くにはとても大変なデータとなっていまして、一概には評価出来ません。あくまで参考程度に覚えておくと良いかも知れません。

・返し馬で注目すべき点

大きなレースになればなるほど、パドックよりも重要なのは、返し馬になります。厩舎関係者の中でも「最終的に返し馬において、その馬の当日のコンディションの良し悪しがよく表れる」というのがほぼ一致した意見です。返し馬にはおいて、まずチェックすべきは【馬と騎手とのコミュニケーションがとれているか】という点です。脚運びの具合や動きの素軽さをチェックするのも重要ですが、【騎手との折り合い】に注目すると良いと思います。騎手が行いたい動作が手綱から馬に伝わっていて、スムーズに馬がアクションへ繋げられているかが、良い競馬をする為に大切な要素になります。ここで折り合いがとれることにより、無駄なエネルギーを使う事なく、その馬のパフォーマンスを最大限に発揮出来る準備が整ったということになります。

今日はここまで。また追記していきます。


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