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2022 参院選 北陸地方

今回は中部地方編第三弾ということで、北陸地方(福井県、石川県、富山県、新潟県)の分析をしていきます。



(前半部分) 各党の得票数・得票率まとめ

【福井県】

福井県は自民、維新、社民、N党(現政女)の4党が票を増やしました。特に維新は得票数が2倍以上に増え、立憲、国民、公明を抜かして第2党になりました。
一方国民は9,000票以上票を減らすなど、福井では組織票(主に電力総連票)が強いはずでしたが苦戦を強いられています。
公明、立憲、共産、れいわの4党も票を減らしました。

【石川県】

石川県は維新、社民、N党(現政女)の3党が票を増やしました。なかでもN党は2倍近く票を増やしましたが、これは選挙区での候補者擁立によるものと見られます。(2019年は石川県に擁立していなかった)
一方自民は大きく票を減らし、得票率は5%以上低下しました。
また公明、国民、立憲、共産、れいわも票を減らしており、小規模ですが支持政党の変化がグラフに表れています。
新党の参政も得票率4.4%と全国平均(3.3%)と比べてかなり高いことが分かります。


【富山県】

富山県は自民、維新、立憲、れいわ、N党(現政女)の5党が票を増やしました。
立憲、維新、N党は選挙区での候補者擁立が要因だと思われます。
一方社民は2021年に富山県連が分裂(→立憲に合流)したのもあって7,000票以上減らすことになりました。
公明、国民、共産の3党も票を減らしました。
(国民に関しては前回野党統一候補、今回候補者なしで微減だから地味に凄い)


【新潟県】

新潟県は維新、立憲、N党(現政女)の3党が票を増やしました。
維新は全国的に票を伸ばしていますが、新潟では立憲が強いことと選挙区での擁立がなかったことで得票率は1.3%と維新にしては伸びていません。
立憲は選挙区で現職議員が野党統一候補として戦えたため、比例では14,000票以上増やしましたが、選挙区では自民候補に敗れてしまいました。
森姐さんれいわに来ないかな…

自民、公明、国民、社民、共産、れいわは票を減らしました。
(国民は自由党票が新立憲に流れたと思われる)


【北陸信越全体】

※前回の甲信地方編の長野県と今回の北陸4県(福井県、石川県、富山県、新潟県)の計5県が北陸信越ブロックです。

北陸信越ブロック全体では維新が票を大きく伸ばし、2020年に一部が立憲に合流した国民や全国的に伸び悩んだ共産が大きく票を減らしています。
立憲は国民からの合流もあり票を増やしましたが、民主党全体(立憲+国民)としては票を減らしているため、かなり厳しい状況です。


2022(参)の比例票を衆院比例に換算するとこのようになります。
北陸信越ブロックは次期衆院選から議員定数が削減されて10議席になりますが、参院選と全く同じ得票数の場合、立憲が議席を1つ減らすことになります。
全国的にも伸びている維新は1議席のままですが、衆院選の頃には支持率も上昇し2議選目が狙えるかもしれません。
れいわはあと10万票以上必要なため現時点では厳しい感じですね。



(後半部分) れいわ新選組の分析

ここからは後半ということで、いつものようにれいわに特化した分析をしていきます。

地図やデータを使った得票率・得票数の比較

まずは2019(参)と2022(参)の得票率の地図を使ってれいわの得票率の変化を見ていきます。

2つの地図を見比べてみると2019(参)には2022(参)にはない黄色や橙色(得票率5.0%以上)があることが分かります。
2019(参)の方が全体的に明るい色が多い印象ですよね。

次は2019(参)と2022(参)の得票数を比較した地図を見てみましょう。

富山県以外は赤色の地域(得票数が減少した自治体)がほとんどです。
北陸信越は2021(衆)では直前で東京8区→北陸信越(比例単独)に鞍替えした辻村さん、2022(参)では全国比例候補者の蓮池さん(とボランティアとして辻村さん)の2人が主に活動していましたが、それ以外の活動(党主体のもの)は活発ではなかったので残念ながら3年前よりも票を減らしてしまいました。


各自治体のデータも見ていきましょう。

【福井県】

福井県では2019(参)の得票率が全国平均(4.6%)よりも僅かに高い4.7%でしたが、2022(参)では3.8%と約1%下がりました。とは言いつつも北陸4県のなかで福井県が一番得票率が高いです。
市町村ごとに見ると票を増やした自治体もありますが、ほとんどの自治体で票を減らしています。

【石川県】

石川県は川北町以外は票を減らしています。(※能見市は得票数は減ったものの、得票率は僅かに上昇)
県庁所在地の金沢市でも3割以上票を減らしているので、増税反対デモや街頭演説など支持者“外”に向けた活動が必要かもしれません。

【富山県】

富山県は県庁所在地の富山市や海津市、滑川市で票を減らしましたが、その他の自治体では増えています。
得票率も上がっている自治体が多いので、少しずつではありますが、れいわの支持は拡大していると思われます。


【新潟県】

新潟県はほとんどの自治体で票を減らしました。
2019(参)では新潟市や湯沢市など得票率がやや高めの自治体がありましたが、2022(参)では得票率4.0%以下の自治体が大半です。
新潟は国政地方問わず結党以来候補者が1人もいなかった(参院選時点)ことや党としての活動がほとんどなかったことが影響して2019年に新党として期待していた層が離れてしまったのかもしれません。


今後の選挙について

【衆議院選挙】

北陸信越ブロックは次期衆院選から定数が減って10議席になるため、比例議席の獲得がさらに難しくなります。
また小選挙区も著名人、首長経験者などの有力候補でなければ当選が厳しいため、前回のように比例単独候補者を1人擁立が無難だと思います。

しかしそれでは面白みに欠けるので、もし擁立するとしたら何処がいいかも考えてみましょう。(長野県内の選挙区は前回触れたので省略)

・新潟4区  
現職は立憲の米山隆一議員です。
言わずと知れた緊縮財政派ですね。前回の選挙では対抗馬の自民党の候補者が(一応)積極財政派でしたが、定数削減で候補者が変わる予定なのでれいわ支持者は投票先がありません。

・富山3区
現時点では野党は共産党しか候補者を擁立しておらず、得票率10%以上を達成できる可能性が高めの選挙区です。

・福井1区
現職は自民党の稲田朋美議員です。
すでに立憲と共産が候補予定者を擁立しているため、得票率10%以上を達成するのは困難ですが、北陸地方で得票率が高い地域なので挙げてみました。

【参議院選挙】

北陸4県全て1人区なので候補者擁立を推奨しません。

全国比例では候補者が北陸など日本海側の県をあまり回れていなかったので、新たな票を発掘するためにも次の参院選では北陸を回る候補者を増やした方がいいと思います。
この方が比例候補者の大半を東京に集めて踊らせるよりは効果的でしょ?


【地方選挙】

ここまで国政選挙について触れましたが、支持がまだそこまで広がっていない北陸地方では地方議員を誕生させてれいわ地盤を作る必要があります。

(福井県)
・坂井市議選 (定数:24 2026年4月頃)
・越前市議選 (定数:22 2026年7月頃)

(石川県)
・白山市議選 (定数:21 2025年2月頃)

(富山県)
・富山市議選 (定数:38 2025年4月頃)
・高岡市議選 (定数:27 2025年10月頃)
・射水市議選 (定数:22 2025年11月頃)

(新潟県)
・上越市議選 (定数:32 2024年4月頃)
・村上市議選 (定数:22 2024年4月頃)
・十日町市議選 (定数:24 2025年4月頃)
・南魚沼市議選 (定数:22 2025年10月頃)
・三条市議選 (定数:22 2026年4月頃)

定数の多い自治体(21以上)かつ3年以内に選挙のある自治体を抜粋しました。
統一地方選が終わった後なので定数30以上の自治体が少ないですが、富山市上越市などの穴場もあるので、次の統一地方選(2027年)よりも前に北陸地方でれいわ所属の地方議員を誕生させられるかもしれません。


今回のまとめは以上になります。
長々と続いた中部地方編も今回で終了ということで、次回は東京の分析をしていきます。 東京はれいわが最も力を入れてきた地域なので私も記事を書くのが楽しみです。

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