業界の数値の法則

パチンコ業界の数値で重要視され、基本となる数値がアウトと呼ばれるものです。
アウトとはパチンコで言えば打ち込んだ玉数、スロットで言えば遊技に使用した枚数になります。
他にも台の売上や射幸性に影響のある玉単価、コイン単価や儲かり具合を表す玉利、コイン粗利など色々な要素はありますが、まずは基本としてお客様がどのくらい遊技したのかという指標となるアウトについて話していこうと思います。

基本的にどの法人でも導入された機械のアウトというのは1番気になるところだと思います。
例えばパチンコの新台を50万円で購入したとしてそれを玉利0.30円で運用したとします。
初週のアウトが50000あった場合、一日の粗利は15000円で1週間の粗利は105000円ほぼ5分の1の費用を回収したことになります。
実際初週のアウト50000という数字はかなり優秀な成績になります。
1時間の最大アウトが約5000玉(ずっと打ちっぱなしで6000玉)ですので10時間ほぼ埋まっている状態ですね。
そして玉利0.30円の運用もお客様の立場から言えば決して良いものではありません。
しかもアウトというのは週を追うごとに低下していく数値になります。
この時点でパチンコ店において新台の費用回収がどれほど難しいかを物語っています。

それではこのアウトという数字に影響する要因をいくつか整理していきます。
1.機械の出来(お客様のニーズ)
2.機械の特性
3.導入台数
他にも要因はありますが今後の話と重なる所も多々ありますので割愛します。

まずは1つ目の機械の出来(お客様のニーズ)は言わずもがなですね。
多くのお客様が楽しいと感じる遊技台であること。これが1番大事なポイントでここを感じ取れない選定者の方は少しお休みをされた方が良いと思います。ここのポイントについては今後の記事を見ていただければと思います。

2つ目に機械の特性です。リーチが長い、擬似変動、擬似遊技が多い、大当りからアタッカー開放までの時間が長いなど、色々とありますが、単純に演出上避けて通れない打てない時間、打ったら損になる時間が多いほどアウトは低くなる傾向にあります。これは何に関係するのかというと、新台の選定であれば打感と収益性に関係してきます。この打てない時間が打ち手の快感とリンクしていない機種は基本的に危険と考えています。
そしてアウトが低くなりがちということは売上も粗利も低くなりがちになるということですので、より慎重に選定を行う必要があると言うことです。
そしてここは中古台選定において影響があると感じています。初週の結果から中古台の価格の下落率が大きく変化します。アウトの低い機種=史上価値のない機種として遊技台の評価以上に価格が下落することが多くあるので中規模法人の方は掘り出し物の発掘のしがいがあると思います。
中規模法人の活路は中古台にあると私は考えています。

3つ目は導入台数です。ここも個人的に重要なポイントと考えています。
というのは単純に需要と供給のバランスです。
シンプルに供給された台数以上にユーザーが居ればアウトは下支えられることになります。
そしてこれはパチンコ業界の不変の法則になると思いますが遊技台のイスは1番店から埋まっていきます。
言葉通りに行けば間違いになりますが、埋まる優先度というのは基本的に稼働率の高い1番店が有利になります。これには運用玉利が影響する側面もありますが、1番店に対抗出来るのは2番店であり3番店、4番店が1番店と同様の台数を導入することはハイリスクハイリターンの投機になります。よほどの選定眼が無ければこの戦略を行う3番店、4番店の業績は真っ逆さまに落ちて行くでしょう。
導入台数で気を付けることはエリアのそのカテゴリーのユーザー人数、自店の競合に対する立ち位置、今後発売される同タイプの遊技台の評価などを踏まえて、しっかりと費用回収が出来る台数を割り出す事です。
どんなに良い台でもエリアカテゴリー以上の導入があれば他エリアからの流入や新規ユーザーの参戦がない限り良い結果には繋がりません。
自店のアウトは外的要因に大きく左右されることが多いことを忘れてはいけません。

そして遊技台選定は投機ではなく投資でなくてはならないが私の持論です。
投機とはいわばギャンブル、投資とはより確実性のあるものへ資金を投入し増やす事です。
投資において必要なことは様々根拠を重ねて多角的に分析し、ローリスクハイリターンの取引をすることです。
機歴や台数制限、値引きなどの制約もあり非常に難しい判断になると思います。
ただ、この機械の失敗は人件費の削減や光熱費の削減、お客様への付加サービスの削減で削った経費を軽く超えてくるという事実を忘れてはいけません。
そしてユーザーの方には機械選びの下手な法人は総じて利益率が高くなる傾向にありますので恐らく体感はされているでしょうが、店選びを一考されることを願います。※1番店でも今は設備投資にかなり費用を割いておりますのでお気を付け下さい。

またまた長くなりましたが最後まで見ていただきありがとうございます。
ユーザー、店舗、メーカーの三方良しになる未来を信じて!
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