権力者による遊技台選定

日々のお仕事お疲れ様です。
非選定者です。

今回は権力者による遊技台の選定について書いていこうと思います。
現場と権力者、見えているものも感じていることも違うことが多いこの2つの関係性が業績に大きく関わって来ることを説明していきます。

~ポイント~
1.権力者とは誰か
2.認知的不協和
3.クソ台買いの先にあるものは

まずは権力者とは誰かですが、読んで字のごとく権力を持つ者ですね。
経営者、エリアマネージャーなど企業において大きな力を持つ人物を指します。
ここ最近の業界では代替わりが進み、比較的30代からの若い世代の方が指揮を取られている法人も多くなってきていると思います。
若い方のメリットというのは時代の流れに敏感で、最新鋭のツールを使いこなし、古き慣習に拘らずドンドン改革を進めていけるパワーがあるということです。
逆にデメリットは、経験不足からくるリスク管理、年代間のコミュニケーション不足からくる組織の衰退、実力を過信しやすいなどでしょうか?
若い世代のリーダーがいる企業では現状、実力やカリスマにより業績の二極化が起きやすい状況なのではないかと感じています。
さて、パチンコ業界において1番費用対効果の責任が重いものである機械代を決める人物は社内において権力者、経営者であることは仕方の無いことに思えます。
しかし、気を付けなければいけない落とし穴がいくつも存在しています。
これを理解していないと業績は最短で真っ直ぐに一直線に下降していきます。

認知的不協和という言葉をご存知でしょうか?
今目の前で起きている不都合な出来事を知った時に自分に都合の良い解釈をして間違った行動を肯定することです。
例えば、お盆前に注目の機械が導入される際に、いつもは5台のところを20台導入したが、そもそもその台は事前評価のみが先歩きしたいわば版権の強い普通の台でした。お盆後にその機械の評価は暴落し、アウトは激減、予算からお盆後の注目機種を導入出来ず、競合店に集客を取られてしまったとします。※今回は例えですので利益率や外的要因はなく純粋に機械的要因によって落ちた集客とします。
その際にお盆期間はアウトがあったのだから導入した集客効果はあった。今稼働していないのは販促やメンテナンスが下手くそだからだ!とかこんなに競合店以上に台を買ってやっているのになぜ活かすことが出来ない!頑張りが足りないのではないか!などと言ってしまう要は自分は悪くない、扱いきれないお前達が無能なのだという考え方をすることが認知的不協和です。
これを良く引き起こすのが言わば権力者と言われる方々です。
そもそも面白い機械を当てるということは、幅広い層に支持される何かがないといけません。
源さんでは当時はなかった超スピードと超連チャン、リゼロ鬼がかりで言えば右打ちで3000単発でも1500そして時速や先バレなど、そもそも版権を知らなくてもこれが出れば熱く、その先にある出玉の塊がイメージ出来た時に出る『汁』や思い入れのある版権が純粋持つ作品としての完成度を体感出来る『汁』などこの『汁』という快感物質を感じる力が1番重要だと感じています。
これは長年遊技を見てきた目や版権を知る目、世代間の考え方を受け入れる心など様々な能力が必要になります。
つまり色んな角度から見ないと無理なのです。
機械が当たらないと言っている方のほとんどはこのうちの1つしかわかってない、その1つでさえも浅いことが多いです。
ちゃんと研究なさっているところは年代や版権の知識の有無など選定者をある程度分散させて多角的に分析をされている所もあるのではないでしょうか。
正直申し上げて、権力者の方は自分の面白いが世界の面白いであるという考え方から抜け出すことが出来ません。我を押し通せる人は間違いを認めようとしません。
そのような人が結果を出せないまま反省も分析もせずに台を買いまくれば店舗の利益も削減した経費もすぐに無くなります。これはものすごく簡単な事なのです。

そしてそういったクソ台買いをした先にあるものはというと、まず現場の士気の低下です。これは間違いないです。まぁ何をやっても機械の失敗で集客が減っていく訳ですから誰だってそうなります。
現場も何とか光熱費を減らし、人件費を減らし、何でも自分たちでやるように言われやっているがそれを全てパーにされる訳ですから士気なんて上がる訳がありません。機械台回収のため利益率が上がり、お客様からの風あたりも強くなり、自分たちアイデンティティはズタボロになります。給料や賞与がある程度あるうちは何とか耐えると思いますが今と同じ給料のところがあれば離職する可能性も上がります。
この後沈むしかないシステムに居るのですから当然です。仕事の出来る人ほど早く辞めていきます。
そしてこの士気の低下と離職が企業の接客やコンプライアンスを大きく落としていき、成長の可能性のない企業に変わっていく結果となります。

機械の失敗というのは選定者が権力者であろうが現場であろうが上記の結果を招きます。
ただ、現場というのはそのマイナスには敏感で経営者のお金でやらせてもらっていることを忘れることはないですが、権力者はそこで失った損失は自分だけの損失だと思うことが多いです。
その損失がなければ従業員やその家族がもっと楽しいことが出来たかもしれない、取引先の人の人数を減らさなくても済んだかもしれない。
そのマイナスのせいで不幸になってる人が必ずいることを忘れないでください。

毎回機械を当てるなんて言うことは不可能に近い事だと思います。
ただ、反省や分析をしない権力者による遊技台の選定が企業に及ぼす悪影響はかなり大きいと私は思います。
メーカーが儲かったお金は全て株主に消えます。
遊技台値段が下がる訳ではありません。
株主は1回利益が出ればそれ以上儲けろ、それ以上儲けろとなってきます。
そこにお店、お客様、従業員、取引先のメリットはあるのでしょうか?
もし、権力者の方がこれを読んでくれた際は、今1度何が1番メリットのある買い方なのか、過去を振り返って反省や検証をしてきたのか、今のままでいいのか現場の方と忖度なして話し合っていただきたいと思います。
それが出来る企業は今後必ず生き残ります。

現実を見ずして手は打てません。
歪んだメガネでは真実が見えません。
本当に手を取り一緒に闘う仲間は近くにいるのです。

業界自体の発展に少しでも力になれますように。

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