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200万パチ屋に吸い取られたクズ大学生の自己紹介(1)

とりあえず、タイトルを見て貰えばわかると思うけど、私はこの通りパチンカスである。

私はどこにでもある普通の家庭に育って、それなりの家庭環境だった。

ただ、自分でなにかを成し遂げたことはなかった。唯一成し遂げたのは高校の時に適当に作って応募した俳句が佳作を取ったぐらいなもので、特に趣味らしいものを持つことはできなかった。
一応、勉強はそれなりにできたのだが、それしかやってこなかった人間は、脆い。
周囲を見下しながら辛うじて中の上ぐらいを維持していた成績は高校になってジェットコースターの如く急降下して高度20mぐらいの超低空飛行状態になった。
そこから私はロクに勉強もしなかったが、不思議なことに地元ではそれなりの(全国で見るとFランであるが)大学に進学できた。
高校で堕落し、すっかり生気を失っていた私はとりあえず大学デビューをしようと所謂「陽キャラクター」サークルに入った。

だが、現実は甘くない。明らかに異質な存在を彼らが受け入れるわけがなかったのだ。当然と言えば当然であり、高校ですっかり低下した「人間社会で生きるための能力」がここで足を引っ張った。
それでもどういうわけか先輩には可愛がられてある程度は楽しめたのだが、先輩が引退してから大問題となった。
同級生とまともに関わってこなかった私は先輩という後ろ盾を失った時、完全に集団から異端扱いされることとなった。それでも、私は一応飲み会とかに参加したが、当然ながら心から楽しめるわけはなかった。

2年生の時、悩んでいた私はある人に相談した。
それはIくんといい、同じサークルの同級生である。彼もおよそ陽キャラとはとても呼べないような風態であり(それでも高校時代は野球部だったらしい)、実際陽キャラではなかった。
異質扱いされる者同士、なんとか生き残ろうと2人で色々話すうちに、Iくんはあるものを勧めてきた。

「シンフォギアっていう、パチンコが面白いよ」

今となってはバカらしいと思うし、当時は私も今ほどバカではなかったので、パチンコなんて下劣なやつがやることだと認識していたので、話を聞くだけで絶対にやらないと誓っていた。

しかし、次第にIくんの話を聞くと面白そうに思えてきた。ある日、私は家の近くのパチンコ店に行き、ついにサンドへと5000円札を入れた。

確か、打ったのはエヴァ12の甘デジだった気がする。あっという間に5000円は消えた。
5000円というのは、私が一日5時間バイトしてやっと手にできる金であり、それがものの1時間もしないうちに消えてしまったのは正直言って戦慄した。
しかし私の財布にはまだ2000円入っていた。
愚かな私は1パチコーナーへ行き、ジジイとババアに混じって海物語のアグネスラムを打ち始めた。
クソ面白くなかったと、隣のジジイが死ぬほど出していたのは覚えているが、この日は結局負けた。

人生初のパチンコから1ヶ月後、大阪の大学に行っているKくん達が地元に帰ってきた。
愚かな私は、「パチンコ打ってるオレ、カッケー」みたいにイキっていたから、Kくんたちを連れてパチ屋に直行。
そこで、Iくんの言葉が脳裏に浮かんだ。

私の人生を狂わせたシンフォギアと私の出会いがこの日だったのだ。

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