週記32【花火】

・打ち上げ花火の美しさはいくつになっても色褪せない。
しかし今回は手持ち花火の話です。残念。来年は見に行けるといいね。人員募集しておきます。

私は今夏、既に三回花火大会をしている。驚きだろ?そんな奴この世にいちゃいけないのにね。


○一回目
バイト先のメンバーと。
大量の手持ち花火とチャッカマン、紙コップなどを持ち寄り(私は何も持ってきていなかったが)、海沿いで開催された。本当に感謝しています。
しかし、実は海岸沿いと手持ち花火の相性は良くない。火にとって大敵の風が幾度となく襲ってくる。花火は風では消えないが、花火を付けるためのキャンドルが、付けては消え、付けては消えを繰り返した。風のせいだけでなく、花火が付いた瞬間にも「花火を付けられたんだね………僕も、役に立てたんだ……。」と幻聴が聞こえてこんばかりに消える火。
毎度毎度消えるキャンドルに苛立ってしまった関西人の集いは、花火リレーという解決に落ち着く。
花火がパフォーマンスをしているところに、別の花火を近づけ、それが灯ればまた新しい花火を近づけ……という、風情も何もない行為をしていると、あっという間に大量の手持ち花火は底をつき、残るは大量の線香花火のみとなった。
結局これが一番綺麗。蛍の尻のように灯る球状の赤に、纏わりつくように飛び散る小さな火花。嗚呼、この時間よ、永遠に━━━━━。
二束あったが、一束使い切った所で、線香花火の魅力を骨までしゃぶりつくしたので、晩飯の後に追い線香花火をした。
結局これが一番綺麗。蛍のケツみたいに灯る球状の赤に、纏わりつくように飛び散る静電気みたいな火花。嗚呼、良い━━━━━。
ちなみに、写真映えが一番するのは間違いなく線香花火です。理由は後に。

一昔前の心霊写真みたいな出来栄えになっちゃった花火さん


○二回目
高校の友人と。
昼からダーツをし、晩飯のあと、物足りなかった我々はコンビニで100本入りの花火を購入し、公園に駆け寄った。
あまりにも唐突だったので、花火以外の準備物がなかった。
パフォーマンス後の花火を入れるバケツ的なものは、友人が食べ終えたアイスボックスを使用し、火は私が持っていたライターのみ、という鬼畜花火。
この場合、スタートから花火リレーが始まることは言うまでもないだろう。
100という数字は大きく見えるが、実は大したことない。あっという間に花火大会は終了した。
線香花火は、たったの6本。一本一本、大切に灯した。
結局これが一番綺麗。蛍の尻のように灯る球状の赤に、纏わりつくように飛び散る小さな火花。嗚呼、この時間よ、できるだけ長く━━━━━。
花火は後片付けも大事。私は率先して何か(何だったか忘れた)を持ち帰ったが、それよりももっとしんどいもの(これ持ち帰って処理せなアカンの面倒臭いわぁ…ってやつ)を友人に持ち帰らせたような記憶がある。その公園から私の家は目と鼻の先なのだから、全部持ち帰ってやれよ。私は狡猾で愛のない人間です。ここで懺悔したので許して下さい。許さなくてもいいです。その場合一報してからLINE等をブロ削してくれるとありがたいかもです。

自分で持って帰るわけでもないのに一丁前に二つ持ちされてる可哀想な花火たち


○三回目
中学の友人(A, B)と。
一回目と勝るとも劣らぬ量の手持ち花火。そしてさらに、置き花火が5つ。
これだけの量を三人じゃ……。と、急遽友人Aは、高校の友人Cを呼びだした。ちなみに私とBは、Cと会うのは二回目である。とは言っても一回目は、私とBで遊んでいるときに偶然AとCに出会った、みたいな構図なので、まだまだ距離がある。
しかし花火というのは人と人とを繋げる物だ。意中のハートの導火線にも、火をつけるんだZE☆
置き花火の一つを使って開幕宣言をするも、思いのほかパフォーマンス時間が短く拍子抜けした。なんとなく開幕した花火大会。
しかし!私は既に今夏、二回も花火をしているのだ。完全にファイヤーワークスマスターと化した私は、その日花火奉行となった。
まず、虫よけをする。これ一番大事。
次に、風が少ない場所で行う。キャンドルの火が消えないように。
そして、手持ち花火の先端になぜかついてるビラビラの紙をちぎってから火をつける。
大事なことなのでもう一度言います。
手持ち花火の先端についてるビラビラの紙をちぎってから火をつける。
一回目の際に、花火に着火するたびにキャンドルの火が消えた原因も、実はこれにあった。と思う。
実際、いちいちちぎってから着火させていた私は一度もキャンドルを絶やすことはなかったし、途中参戦でそのことを知らなくて、ビラビラをちぎらなかったCは、しょっちゅうキャンドルを消していた。言ってあげればよかったのにね。やっぱり花火を使っても距離は縮まらないもんです。
全ての手持ちを終わらせた後は、置き花火4つを一斉に付ける、という私が通っていた保育園の夏祭りの最後、みたいなことをした。(ぽかん、としてますか?お前がどこの保育園行ってたか知らねえよ、って顔してますか?大丈夫、現場のAとBとCも同じ顔をしてました。)
B持参のチャッカマンと私持参のライター、合計2つの源で同時に4つを灯すのは無理な話だ。でも、一瞬でも、4つがパチパチしていれば、それで、いいの。幸せなの。
結果虚しく、チャッカマンが不具合を起こし、一瞬たりとも4つが同時に上がることはなかったが、とても美しかった。代償に、辺りが煙まみれになったことは言うまでもない。
そして最後の線香花火。今回は4本。回数を重ねるごとに本数が減っていく。反比例式が作れそうだ。
結局これが一番綺麗。蛍尻灯球状赤、纏飛散小火花。嗚呼、Cさんともっと、仲良くなれますように━━━━━。
出てきたゴミなどは、一番家が近いBが全て持ち帰り処理してくれた。こういう人間が世に憚る。一方私という奴は。ああ、はずかしい。火があったら夏の虫のように飛び入ってるところでした。

煙も出ない、眩しすぎない、故に1番写真映えする、愛しの線香花火ちゃん

思い出したように言うが、一回目の際のゴミは誰がどこに捨てたのか、全く覚えてない。つまり、絶対に感謝すべきものがあったのに、私はしそびれている。捨てた張本人にはぜひとも読んでほしくない投稿である。もし読んでるなら一報ください。私の方からブロ削しておきます。あなたの手を煩わせるのもおこがましいので。



そして、新たに4回目がある可能性も捨てきれない、と言っておく。
別の友人の花火欲が溜まってきているらしいのだ。
まるでどこかの花火王が「俺の火薬か?欲しけりゃくれてやる。灯せ!この世の全てをそこで打ち上げた」と言ったくらいの大点火時代が到来している。
この世界線のワンピースがあるとすれば、ラフテルには巨大な線香花火が隠されているのだろう。

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