週記37【とでも言うのだろうか】

9月29日放送の「梅田サイファーの水曜The NIGHT」を視聴した。
それから、アマプラ見放題でチェックできる「ほんとにあった!呪いのビデオ」を1から順に観始めている。
私の求めていたコンテンツはこれだ、と確信している。



姉がNetflixに入っている。私もその恩恵を受けているのだが、なかなか作品を観る気になれない。映画もドラマもオリジナル作品も。大好きなバナナマンのライブ集でさえ、一番古い二つ三つは観ていない。
しかし、YouTubeは飽きるほど観ている。何なら飽きても観ている。この違いは、一体なんなのだろうか。


個人的見解だが、消費カロリー量の差が原因だと思う。完璧に人による話なのだが、私は映画やドラマを見る時、「吸収するぞ!」みたいな気持ちが乗る。流し見できる器を持っていない。
さらに、アニメの中盤などで、一度ブリッジ(CM行く前、行った後の奴。業界人ぶりたかったけど使い方合ってる自信ない)が入ると、もう早く終わんねえかな、とか思ってしまう。集中力があからさまに切れるのだ。

変わって、YouTubeは良い。監督や演出、脚本などがないからか、構えることなくスッと見れる。流し見になんの罪悪感も抱かない。最高である。



今週から大学後期がスタートする。それに伴い、私のスマホ画面から赤い再生ボタンのアイコンが消えた。私なりの意志表示だ。
しかし、だからといって今まで敬遠しがちだったNetflixやアマプラに、あの親近感を求めても仕方がない。


9月29日放送の「梅田サイファーの水曜The NIGHT」は、ほんとにあった!呪いのビデオ特集だった。R-指定(ラッパー)とhokuto(トラックメイカー)が2時間ぶっ通しで紹介したそのシリーズ作品は、私(大学3回生)の心(ハート)を突き刺した(ダガー)。
小学生の頃、夏になれば録画番組リストに積もった心霊動画番組を家族団欒の中に投下され、父と姉は楽しみ、私も、晩飯を食べるために必要な箸と椀を持つための両手を顔とテレビが結ぶ直線上に構えながら楽しんで、嘘、嫌がりながら、その後かぴかぴになった米を食べる日があった。

あれから十年後・・・

はじめてのおつかいなら、成長し大人になった青年が映り、「しっかりした大人になって…」と森口博子がハンカチを取り出してもおかしくない文言だが、あいにく映るのは路頭に迷いタバコをくゆらす落ちこぼれヒョロ男だ。「心霊映像、テレビで全然やらねえじゃん」と誰様目線で呟いている。

そんな私に光が差すように舞い込んだR-指定の言葉。
「心霊映像で取り上げられる映像は、結構『ほん呪』の奴が出てる」
The NIGHT視聴後、即座にアマプラを開いた。番組内でも特に紹介されていた「ほんとにあった!呪いのビデオ55」は見放題でも見れないようだったが、98まで続くシリーズのうち、まあそこそこの量が配信されていた。


さて、私が求めていたものはこれだ、と思った理由をいくつか紹介したい。

まず、騒がしくない。
中村義洋のナレーションは、肝を冷やすにはもってこいの声質で、恐怖心をそそられる。だが、視聴を重ねると、だんだんあの声が非常に心地良く感じるのだ。もしあの声で童話を朗読したものがCDとして販売されたら是非とも購入したい。
また、テレビ番組やドラマ等でお馴染みのBGMがない。飽きさせないための工夫の一つだと思うが、ほん呪においてそれらは恐怖を薄める要素となってしまう。だから、BGMが流れることはまずなく、あっても不安を煽るだけのちょっと気味悪い環境音として聞き流せる。

そして、中身がない。正しくは、身が詰まってない。
私がこれまでの人生で味わってきた作品たちの中で、最もアツくなるのが伏線回収だ。前半にあった何気ないシーンが後半に意味を持つ、という展開はどんなにくだらなくても心躍る。ドラマを観る際構えてしまうのはこれが一因だと思うのだが、ほん呪において、伏線は関係ない。
実際、伏線回収的演出はある。前の作品の映像が、実は…みたいな。しかし、この作品のメインミッション、標的は「怖い」なのであり、「面白い」は隅に置いているのだ。
面白い、というのは色々ある。腹を抱えるものもあれば、鑑賞後、心にじんわり染み渡るものもある。守備範囲が広い「面白い」に対し、「怖い」は判別が簡単で、ぞわっとしたか、鑑賞後に後ろが気になるか、だ。受け取り方が単純明快だから、観やすい。



こうして、YouTubeの代わりとなる優良コンテンツを見つけたのだが、問題が一つ存在する。
それは「怖い」ということだ。
家で一人でいるときは観れない。夜に見てしまうと、トイレのドアを閉められなくなる。
二十有余年生きて、一度も遭遇したことがないそれを、想像力がどんどん恐れるものにしていく。
シリーズを一通り観たあと、この恐怖心が薄れるのか、それとも濃くなるのか。今後の私をご覧いただきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?