週記43【11月14日】

オロナインを塗っときゃ治る、という母のアドバイス(大幅な脚色)を鵜呑みに、風呂上りに色白になるほど鼻に塗りたくって一週間。膨らみはだいぶ治まったものの、まだ全然赤い。半分、青い。ならぬ。それどころか、眉間や頬にまででき始めた。ああ、ニキビができたストレスでニキビできそう。




・「すずめの戸締まり」を観に行った。友人の伊藤(仮名)と二人で、西宮ガーデンズまで。(仮名システム使うの久しぶりすぎて、伊藤の仮名が何だったか忘れてた。)
伊藤は新海誠監督作品が好き。「君の名は。」からハマったような素振りをしている。(伊藤と誠は引き寄せ合うんだろうな。本名全然伊藤じゃないのに、ごめんな。)
「天気の子」が公開されたときも、一緒に観に行った。ちなみに私は「君の名は。」を観たことが無い。当時は「日本の人間を四分割した時に『君の名は。』観てないのに『天気の子』観た奴が一番少ない!だから俺は一番希少な人種!」とバカな事を言っていたが、さすがにそろそろ「君の名は。」を観ていないことが恥ずかしい。次テレビでやるときは教えてください。




すずめの戸締まり観よや
ええで。どこで?
西宮ガーデンズ
ええけど、なんでそんな遠い所まで?
IMAXでやってるから。せっかくやから良い音で聴きたいやん?
いいね。何時集合?
15時半と18時半ならどっちがいい?
もちろん15時半
じゃあ13:20くらいに集合で
現地?
車でいこう
じゃあ俺の家の前に13:20てこと?
そう
ok

というわけ。私と伊藤のLINEの原文ママ、じゃないけどね。


当日。生活リズム調整のため、用はないが10時に目覚めた。プラプラしてるとあっという間に集合時間になったので、私の一軍服、オーバーオールでいざ出陣。助手席に乗り、車が西宮に着くまで喋る。

最近得体の知れない虚無感や世に対する絶望が、常に心の中にあった。しかし西宮までの長い道のりで、その時ふと思ったことや、それに関連する最近起きたことなどを話していると、根底にあった私のネガティブマインドが芋づる式でどんどんどんどん露わになっていった。
話せば楽になるよ。という言葉は安っぽく思っていたが、実はあれは的を射ている。正体が見えるだけでも、扱いやすさがまるで違う。

「男女でカラオケに行ったときに一番最初にかける曲は何がいいか」について話していたころ、目的地付近に到着した。
西宮ガーデンズの近くでは工事が行われていた。クレーンが大きなコンクリートの物体を運んでいる姿を見て「いつもご苦労様です、お仕事頑張ってください!」と言わずにはいられない。無論、車の窓は閉まっているので向こうには聞こえない。

バカみたいな駐車場までの道のりを走っていて、「マイクラみたいだな」と思った。西宮ガーデンズは、駐車場の入り口から、駐車券を発券できる場所までの道のりがジェットコースターばりに奇想天外だった。ちなみに、「マイクラみたいだな」と思った経緯は私にもわからない。
5階から、各携帯会社の店舗が並んでるだけのエリアを素通りし、TOHOシネマズ 西宮OSに入る。チケットを発券する前に、伊藤が駐車券を車の中に忘れてきたので、各携帯会社の店舗が並んでるだけのエリアを素通りし、車の駐車場を取る。また各携帯会社の店舗が並んでるだけのエリアを素通りし、チケットを発券した。伊藤は既に二人分のチケットを予約していた。用意周到。さすが新海誠大好きなだけある。かくいう私は伊藤に2,100円を渡すと、財布の中の紙幣が0枚になってしまった。不、用意周到。
上映開始まで50分ほど時間があったので、4階を練り歩き暇をつぶした。
4階には飲食店が立ち並び、高校時代からの私の因縁である「chano-ma」も肩を並べていた。今日の晩飯はここで決まりでしょ、と奮起したが、伊藤が「chano-ma、神戸にもあるで」と鶴の一声を発し、結局「chano-ma」ではご飯を食べなかった。なんでも、落ち着いて対処することが大切。
先ほど述べた「高校時代の因縁」については、また今度書きます。
西宮ガーデンズ4Fには、HMVと本屋がある。ちなみに都会か否かの基準は「本屋と映画館とタワレコがあるか」なので、西宮ガーデンズは惜しくも都会ではなかった。残念。

本屋で「射精道」を見ながらキャッキャしていると(中坊かよ)、公開時刻はもうすぐそこだった。急いで上階へ。
伊藤は昼飯を食べていないので、ポップコーンを昼飯にするらしかった。私はそこまでポップコーンを食べる気分じゃなかったが、飲み物は欲しかった。この場合の最大公約数は、ポップコーンペアセットに違いない。ハーフ&ハーフ、二人してコカコーラ・ゼロを頼んだ。(すずめの戸締まりがRADWIMPSだから無理して曲名をぶち込んだとかじゃないです。)
いざ館内へ。驚くことに、私たちは一番後ろのど真ん中の席だった。どんだけベストコンディションで鑑賞したいねん、伊藤。良いことだけども。
入場時にA4ほどのサイズの「新海誠本」というものを渡されたのだが、あいにく私は手ぶらだった。伊藤も、Nintendo switch lite一つも入らないようなサイズのカバンだったので、二人して綺麗かどうかも分からない座席の下、つまりは地べたに置いた。

予告が流れている間、伊藤の膝の上にあるポップコーンをつまみ食いしてみた。数える程度でやめておこう、と思っていたのだが、つまむ手が止まらない。
あれえ?このポップコーン、めっちゃ美味くねえ?
塩も、キャラメルも、唸るほど美味かった。手を小さな器のようにし、そこに載せられるだけのポップコーンを載せて、お手製の小さなポップコーンカップをつくって食べるくらいに美味しかった。この時、「ポップコーン食べるために近々もう一回映画観よう」とまで思った。



鑑賞後、晩御飯にはまだ早かったため、西宮ガーデンズ内をぶらぶらすることに決めた。まずは一階から。広場みたいなところがあり、クリスマスの飾りがあった。クリスマス気分早くね?と言いながら、一人ずつ飾りの前で写真を撮った。男二人のノリ。彼女と行け、お前ら。周りカップルだらけだってのに。
一階エリアを一周したタイミングで思った。「西宮ガーデンズってでっかいねえ!!」と。逃走中できるやん。と。
二階にはレゴブロックを大きくしたみたいな椅子があった。座ってみると、意外にレゴブロックと言われる所以となる丸い凸の部分が硬かった。でもレゴブロックだったら実際丸い凸の部分は硬い。再現度が高い、ということだろうか。

晩飯どきが近づいてきた。三階を流れるように見て、四階に向かう。
晩御飯は、伊藤の希望でハンバーグ屋に向かった。
私は内心ハラハラしていた。
先ほど言っている通り、私の財布の中はすっからかん。しかし、私は以前、伊藤の誕生日に「今度遊んだ時に飯奢る」をプレゼントしてしまったのだ。
奢れない、どころではなく、奢られる可能性がある。
頼むからPayPayが使える店であれ・・・!!!

有難いことに、伊藤希望のハンバーグ屋は、バーコード決済に対応していた。現代社会はみるみるうちに発展している。美味しかったです。
店を出る時にふと店内を見回すと、カップルばっかりだった。
その後、スタバのギフト券あるから使いたい、という伊藤。しかしここ最近伊藤はカフェインを抜いているらしい。
店前で少し悩んだ結果、「無理に飲まなくても」という私の鶴の一声で、二人は踵を返した。
駐車場に行く道中に自動販売機があったのだが、そこでも悩んだ。結果、何も買わずに車に乗り込んだ。


ていうか西宮ガーデンズ、カップル多すぎる。見渡す限りカップルだらけ。スタバの床を粘着シートにして「カップルホイホイ」と名を変えても差し支えないくらいカップルばっか。
(西宮駅のキップ買って アベックだらけ~♪)


駐車場から出る際、赤く光る棒を振り回しながら車を導いている警備員さんを見て「こんな遅くまでお疲れ様です。お仕事頑張ってください!」と言った。これももちろん、相手には聞こえていない。



スピンオフ
喫煙所から出ると、待っていた伊藤が「あんな人も煙草吸うねんな」と、私が出る前に喫煙所を出た女の人について言及した。伊藤が言うとおり、確かに清純そうな服装ではあったと記憶している。
人は、結構、見かけによらない。

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