【アークナイツ】を知らない人にも極力配慮した サイドストーリー『空想の花庭』 かんたん情報整理と要約と主観色強めの感想
不治の病や大規模な災害、迫害や貧困や陰謀や獣性が蔓延る過酷な世界で、宿命や理想に苛まれた者達が、変わらず今日も窮地に立たされる。
何を切り捨て、何を選んだのか。何が変わって、何が変わらなかったのか。
『アークナイツ』を知らない方々へも、そのテーマ性を一考できるだけの十分な情報量を抽出し伝えられれば、と思います。
やや現実世界ベースのSFモノ、それも「一度かなり発展した文明が滅びてから数万年後、中世以前程度ながらにその振れ幅が大きな文明」と身構えつつ捉えていただければ、円滑に理解できるかも。
用語の補足と要約も入ってます。入ってないのは筆者が「重要でない」と斬り捨てたやつ。「それがどのように作用しているのか?」が伝われば。
暗いお話です。心に余裕がある人だけ読み進めてみてください。(編集中追記)
ここ数日、日本では色んな事がありました。
本当に「心に余裕がある人」だけ読み進めてください。
今の私には余裕があり、それ故執筆を為せています。同じ状態の人たちだけ読み進めてください。
なるべくマイルドな表現に努めていますが、想像力が豊かだと意味無し。
とは言えまとめ方がまとめ方なので、実際に遊んでみて構成される雰囲気や体験としては元の2%にも満たない、些細なものです。
引用量だけで言うなら2割も入ってないと思う。
ギリ恣意的とは呼べない程度の要約が多めの構成。
ドクター各位におかれましては、イベント消化お疲れ様でした。
マイペースでゆっくり振り返りつつ楽しんでいただければと思います。要点は大体抑えたつもり。
筆者のプレイ歴はもうすぐ2年。レベル112。世界知識は明るくない。
考察は行いません。触れてもほんの少し。
大陸版ドクターや、グローバルなドクターたちが既に進めているので。
筆者が主に触れるのは「人としての価値観」です。
「今この時を生きる我々には、何ができて、何に向き合えばいいのか?」
視点は人の暮らしを豊かにします。豊かな暮らしは楽しいものです。
物語及び記事構成は以下の通り。
かんたん状況説明(ST-HE-1 ~ HE-3)
巻き込まれた事件の要約(HE-4 ~ ST-HE-2)
事態収束(HE-7 ~ ST-HE-3)
総括
感想
物語に対し個人的に興味深く感じられた事を書き連ねながら、また X/Twitter や Wikiコメントを覗く中で、
本物語中に登場する「アルトリア」「オレン」というキャラクターに関する賛否両論がかなり見られたのをきっかけに、
「個人的に、もう一度認識をしっかりと整理しておきたい」と、執筆(?)を始めた次第です。
一周目はガッツリ読んで、二周目は斜め読み、三週目は要点に着目し、四週目はこの記事を書きながら要約整理しつつじっくりと。
割合的には「謎/世界観への言及」よりも「実生活へと転用できそうな考え方」を見つける方向性の、感想や主張が増えるかと思われます。
具体的には、
「信仰とは再現性のある奇跡であり、奇跡は信仰の動力源となる」
「奇跡(楽園)の存在は希望そのものであり、信仰(信念)とは希望を得る為の行動である」という具合。
少なくとも筆者は「信仰」に対する認識が満足可能な程度に固まりました。
要約や状況説明で約5万字、感想で約2万字。
計7万字の、執筆素人渾身作です。是非お付き合いくださいませ。
※注意※
直接の描写は避けますが、作品内において死人が出ます。
物語の展開上、強い不快感を生じる可能性があります。
事の始まり(HE-ST-1)
「アレ」
既プレイヤーであれ確信には至らないながらにも、過去のサイドストーリー『吾れ先導者たらん』において「アレ」と語られた存在であり、
今物語において主に登場する「光る羽と光輪を持った種族たち:サンクタ」特有の能力を管轄しているような存在……らしいです。
筆者の認識は「ラテラーノというサンクタ国家の裏番長」みたいな。
この「アレ」が、サンクタ達に迫る何かの脅威を察知、これに対する対処の一環として本物語が展開される……と見えています。
ラテラーノ裏番長の「アレ」が、現頭領の「イヴァンジェリスタXI世」へと「警告」を提示、「適正人員リストに記載があった人達を訪ねようか」という所から物語は始まります。
ラテラーノの雰囲気
舞台は変わって、ラテラーノ街中。
かんたん会話要約:
女性「風船いっぱい。今日ってめでたい日なのかな?」
男性「知らん!そんなことよりこの風船でお空飛べねえかな」
男性「……あーッ!あーーーッッ!!飛んでる!飛んでる!!!」
女性「そこなお人!アレ助けて!」
フェデリコ「はい」ッタァーン ッタァーン ッタァーン
女性「ところで貴方は何処の人?」
フェデリコ「興味があるなら教皇庁へ」
ここからわかること……:
ラテラーノでは「光る羽と光輪を持った種族たち:サンクタ」と「頭に羽を生やした鳥モチーフの種族たち:リーベリ」が共に楽しく過ごしている
なんかイベントやる(やってる)らしい
サンクタ達の多くは、自分の銃を保持している
フェデリコはどこかの所属で、凄く機械的な印象を受ける性格や振る舞い
気になった台詞:
「楽しさが、それをより楽しくさせるもんなあ」と思った一文。
崇高な考えだ……
「聖徒」に選ばれた執行人
かんたん会話要約:
頭領「先祖が築いたこの都市へ災厄が迫った時……」
頭領「サンクタは新たな啓示と共に先導者を得る」
頭領「皆が見守る中、この楽園は永久にそびえ立つ」
偉い人達「我々はそれを見届ける義務がある」
頭領「……よーし儀式終了」
頭領「ホントは頭領格の人に行う儀式なんだけどね、聖徒授与」
フェデリコ「……」
かんたん会話要約:
フェデリコ「何故、聖徒に選ばれたのです?」
フェデリコ「職責は?災厄とは?対策の必要性は?詳細は?作戦は?」
頭領「啓示内容は私にもわからん。だが君は先導者として選ばれた」
頭領「君は執行人として戒律に縛られず自分なりの判断基準で以て業務を全うし続けた。選ばれてもおかしくない程にな」
頭領「丁度いい任務がある。自分の腕で選ばれた理由を見つけてきなさい」
フェデリコ「どうぞ」
ここからわかること……:
フェデリコは「超」がつくほど真面目
フェデリコは優秀な執行人(戒律に縛られず必要悪として禁忌も破れる)
何故「聖徒」に選ばれたのかは誰にもわからない
決して楽ではなく、複雑極まる状況で、予測している事態を超えてくる可能性があり、今まで執行してきたどの任務とも異なる任務が与えられた
「聖徒」に選ばれた理由を見出せたらいいなあ。
気になった台詞:
読み終えた今、結構大事な台詞だと捉えています。
任務の舞台「アンブロシウス修道院」
かんたん会話要約:
アルトリア「綺麗な花です」
老人「昔は一杯咲いていたのに……」
アルトリア「この花には素敵な意味があるんですってね」
老人「かつてはな」
老人「厳密には……そういう目線で見れなくなって久しい」
老人「余裕が無くてな。今残ってるのは苦果だけ」
かんたん会話要約:
老人「この5、60年間。ずぅっとここで皆と暮らしてきた」
老人「イベリアとラテラーノの狭間で。長く生きてきた」
老人「そんなワシは、ラテラーノ人と言えるのか?」
アルトリア「そう願うのなら、きっとそうなのでしょう」
老人「ところで貴方は何を求めここへ?悪人ではないみたいだが」
アルトリア「この地の物語に惹かれた旅人です」
アルトリア「願わくば、完璧な結末を見届ければと祈っています」
老人「狡猾なお人だ」
かんたん会話要約:
老人「ラテラーノから賜った信仰は、友愛を教えてくれた」
老人「兄弟姉妹を、忠誠を捧げた友人を捨てよ、とは教わっていない」
老人「だが、少数を切り捨て多数の幸福を取らねばならないなら……」
老人「……」
老人「在り方に背き、揺らぐ拠り所とした信徒は、一体何処へ向かえば?」
ここからわかること……:
舞台は修道院、でも貧しい状況に喘いでいる
アルトリアは修道院へ、植わった花の開花期へ間に合うよう訪れた
修道院はラテラーノへ、救援を求める旨の手紙を届けた
老人は自分を見失い、伴って他の全てをも見失いつつある状態
アルトリアは、「この地」という物語の完璧な結末を見届けたい
老人(司教)は「少数を切り捨て、多数の幸福を取らないといけない」選択肢に頭を悩ませている
老人(司教)は「揺らぐ拠り所を持つ者達は何処へ向かえばいいのか?」に頭を悩ませている
気になった台詞
「そういう味わい "も" 嫌いではありません」 ……ふーん。
何にでも言えるが「少しの間違いは許容する」という考えが広まってほしいなーと思った一文。
でなければこうした自己矛盾が生じやすそう、不和が生じやすそうだ、と。
フードを被った者達
かんたん会話要約:
ジェラルド「冬が近いってので獲物が全然見つからねえ」
住民「それでも十分な成果だ、ありがとう。君らは恩人だよ」
住民「そういえばハイマン最近見ないね」
ジェラルド「……気にするな。何ともないさ」
住民「……例のラテラーノの件で皆気が立ってるんだ。申し訳ない」
ジェラルド「気持ちは分かる」
かんたん会話要約:
ジェラルド「ハイマンは?」
ライムント「見かけてねえ、後で探してくる」
ライムント「ルートを探る探索隊を手配した。夜には帰るぜ」
ジェラルド「じゃあ引き続き頼んだ」
ライムント「……そうじゃなくて。この現状はどうしようもないのか?」
ジェラルド「俺たちにはそもそも、選択の余地なんて殆どない」
ジェラルド「時間の余裕なら少しはある。やれることはやっておけ」
ここからわかること……:
修道院がラテラーノへ送った手紙関係のせいか、住民達が慌ただしい
ジェラルドはこの結末を受け容れようとしている
ライムントは「俺たち」と「あいつら」との違いに頭を悩ませている
フードを被ったこの人達にあまり時間は無いらしい
何らかのルートを探る為に探索隊を手配している
ハイマンが行方不明
不穏な影
かんたん会話要約:
宣教師「聞こえるかい?」
原型を失った生命「むしゃむしゃ」
宣教師「冬入り間近、孤立無援、亀裂だらけの壁、僅かな燃料……」
宣教師「源石を採掘しエネルギーに、こうして今まで乗り越えてきた」
宣教師「だがこれには、鉱石病という死のリスクが付き纏う」
宣教師「君らは居場所を得る為に、こうした危険な仕事を引き受けた」
原型を失った生命「むしゃむしゃ」
宣教師「認めよう。私は今、確かに胸を痛めている」
ここからわかること……:
この生命はかなり衰弱しており、宣教師が管理している様子
冬を越す為の燃料確保には、死のリスクを纏う源石採掘が必要
「君たちは、ささやかな居場所を得るために、最も危険な仕事を自ら進んで引き受けた」→何故この生命へ向けて「君たち」と語りかける?
補足:「鉱石病ってなあに?」
「アークナイツ」を語る上で絶対に欠かせない要素の一つ
「源石」という鉱物の粉塵を吸うと一発感染(要活性?わからない)
治療法無し 抑制は可能 現時点では発症後の死亡率100%
臓器を蝕み身体を蝕み体表面に源石が現れる 見た目が惨い
末期では全身源石化、爆発して粉塵化 吸えば感染
エネルギー活用可能 但し使うほどに「天災」が生じるリスク
「天災」が巨大な源石を地上へと降らせる エネルギー活用、以後ループ
「源石」を介せば「アーツ」という魔法みたいなのが使える
要約:人を殺し災害も起こす致死率100%のCO2病
フォルとフィーナとクレマンおじさん
かんたん会話要約:
デルフィナ「レミュアンには気をつけろって言ったよね!?」
フォルトゥナ「誰にも何にも吹き込まれてないよ!」
デルフィナ「サンクタ同士は嘘をつけないって、わかるよね」
フォルトゥナ「レミュアンさんだってサンクタだよ。悪意も無かった」
フォルトゥナ「……どうしてそんな風にラテラーノ人を毛嫌いするの?」
デルフィナ「そのラテラーノにライムント達は入れないからよ!!」
クレマン「喧嘩はよしなさい!!!」
かんたん会話要約:
フォルトゥナ「……私の気持ち、わからない?」
デルフィナ「わかるわ。けど……もうやめ。ごめんなさいね」
デルフィナ「ところで、どうして銃を握ってるの?使えなかったよね?」
フォルトゥナ「そうだよ。握っているのはある種の祈りで」
フォルトゥナ「これがサンクタの習慣だって、銃をくれた父さんが」
デルフィナ「知らなかった。私のおばあちゃんの銃は峡谷で……」
フォルトゥナ「そんな悲しそうにしないで。今は一緒に祈ろう」
ここからわかること……:
「レミュアン」という名の女性が居る
修道院の住民は、もうすぐラテラーノへと帰れる
デルフィナは「ライムントたちが一緒に来れない」事に納得できない
サンクタ同士ならお互いの気持ちが感じ取れる
フォルトゥナが壊れた銃を持っている
フェデリコたちに与えられた任務
かんたん会話要約:
フェデリコ「イベリアがラテラーノと共同出資して建造した可動式大型総合施設『アンブロシウス修道院』は元々イベリアに属していましたが、61年前に航路を逸れ消息を絶ちました」
フェデリコ「しかし一か月前、当該修道院からの救援要請を受けてレミュアンとオレン2名の特使を派遣しましたが、連絡が途絶えました」
フェデリコ「我々の任務は、修道院の運営に影響を与えず、誰も死なせずにその両名を探し出し、安全を確保することです」
リケーレ「教皇が あまりやり過ぎるな ってか?」
スプリア「オレンはどうでもいいかな。レミュアン先輩が気になる」
フェデリコ「目下ターゲットの状態は不明、住民に敵意があるかも不明」
フェデリコ「正面突破ですぐ終わらせましょう」
ここからわかること……:
任務の概要を俯瞰的にまとめる、物分かり良さげなリケーレ
レミュアン先輩の為、任務に参加したスプリア
どこまでも機械的なフェデリコ
各々の意図や目的(HE-1_戦闘前)
日誌を読むレミュアン
かんたん要約:
「故郷から逃れてきた数人のイベリア人と共に、荒野を歩いていた」
「このまま死ぬ定めかと思われたその時、あの修道院が現れた」
「修道院の司教は行き場の無い人々を受け容れた」
「慎ましい暮らしながら、ここでは本来混じる事のない人々が和気藹々と、分け隔てなく接し合い生きる為に精一杯努力していた」
「私の要求を司教に伝えた所、私にはどうすることもできない、と」
「不思議と失望は感じず、むしろ司教の方が決まり悪そうにしていた」
「善人の楽園に巡り合えたことに、深い喜びを感じるが……」
「こうした奇跡が大地の上で生き永らえるなど、本当に可能なのか?」
「……少しこの場所に長く留まり過ぎたのかもしれない」
「ラテラーノへの旅路を、再び歩み出さねばならない」
レミュアン「この筆跡……」
レミュアン「こんな奇跡的な平和が、ずっと続けばいいのにと思うわ」
かんたん会話要約:
住民「寒くないです?布をどうぞ」
レミュアン「私はこう見えても結構丈夫なの。みんなの方を優先して」
住民「心配いりませんよ。しかしラテラーノはどうしてあなたを?」
レミュアン「それに関しては、私も問いただしたいのよね」
ここからわかること……:
日誌の筆跡に何らかの心当たりがあるレミュアン
この修道院は隔絶された地に在り、司教は誰もを受け容れてくれた
本来入り混じることのない人々が和気藹々と慎ましく暮らしていた
こんな善人の楽園が、大地の上で生き永らえていけるのか?
レミュアンも、こうした奇跡的な平和の持続を願っている
修道院住民とレミュアンとの仲は悪くなさそう
傍にオレンは居らず、名前も出てきていない
何かを言い淀むライムント
かんたん会話要約:
フォルトゥナ「一緒に育った仲間なんだよ。見捨てるなんて嫌だ」
フォルトゥナ「けどこのままじゃ……もっと良い解決方法はないのかな?」
ライムント「ため息か、どうした?デルフィナは?」
フォルトゥナ「ライムント!」
ライムント「……」
ライムント「訊きたいんだが……お前ら、俺たちと一緒に……」
フォルトゥナ「一緒に?」
ライムント「……何でもねえ。帰りは少し遅くなる」
ライムント「晩飯の前に、屋上の聖堂へ来てくれ。話したいことがある」
ここからわかること……:
デルフィナ、フォルトゥナ、ライムントは小さい頃から一緒
ライムント達と一緒にラテラーノへ行きたいが、それはできない
現状ではライムントを見捨てる他、選択肢が無い
ライムントはフォルトゥナ達へ何かを勧めようとし、躊躇う
警告を受けたアルトリア
かんたん会話要約:
ジェラルド「あんたはここの連中に楽しみを与えてくれた」
ジェラルド「だが、誰もがそうじゃない。災いをもたらしてくれるなよ」
アルトリア「災いは、蒔かれた種が実を結んだもの」
アルトリア「この花畑に蒔かれているなら、いずれ土から顔を出すわ」
アルトリア「私は……起きる全ての出来事を目撃する旅人に過ぎない」
ジェラルド「そんな種は無いし、災いは起きない。全て正常に戻る」
ジェラルド「余計な真似は慎んでもらいたい。これは俺からの警告だ」
アルトリア「ずいぶんな人ね。手を出さない温情は年の功かしら?」
ここからわかること……:
アルトリアは住民に楽しみを提供していた
ジェラルドはその音楽によって安らぎを感じず、警戒心を抱いている
アルトリア曰く「私は災いに関係無く、全ての出来事を目撃するだけ」
気になった台詞:
「問題ばかりに目を取られて、根本の要因へと目を向けない」
大いにあると思います。でもどうしようもない時が多いですよね。
そんな感覚を思い出した貴方。この物語はソレです。
三人組とバチバチライムント
かんたん会話要約:
ライムント「それ以上近づくんじゃねぇ!」
スプリア「ハーイ、フードのイケメンさん」
リケーレ「お話ししましょうよ……武器を下ろしてくれません?」
フェデリコ「先ほどから、意図的に我々の視線を遮ってますね?」
ライムント「てめぇ――!……上等だ、やってやるぜ」
スプリア「……」スッ……(潜入)
かんたん会話要約:
スプリア「あっちはバチバチだぁ……」
スプリア「けどあのフードのお兄さん……妙な感じだね」
スプリア「まあいいや。レミュアン先輩はどこにいるのかな~?」
かんたん会話要約:
リケーレ「スプリアは……どこ行った?」
フェデリコ「既に中へ入りました」
ライムント「はあ!?いつの間に……チッ!」
ライムント「お前ら司教に会いたいんだろ!着いてこい!」
クレマン「大変だ!だ、誰か来てください!盗賊が!」
ここからわかること……:
ライムントが抱くラテラーノ人への印象はかなり悪い
スプリア曰く「フードを被ったお兄さんは妙な感じがする」
定期的に、修道院は盗賊に襲われているらしい
遭遇と発覚(HE-1_戦闘後)
スプリアとフォルトゥナ
かんたん会話要約:
フォルトゥナ「ライムントが夜にする話、どんな内容なんだろ……」
フォルトゥナ「……ご飯をたらふく食べられる日が来れば――誰ッ!?」
スプリア「あちゃー……でも私に悪意は無いってわかるよね」ガシッ
フォルトゥナ「むぐぐ」
かんたん会話要約:
スプリア「私は人捜しに来た。車椅子に乗ってる人」
フォルトゥナ「!?!?!?」
スプリア「おっ、その人は元気?」
フォルトゥナ「……」
スプリア「言いたくないのかな。迷いと、怖れが見えるけど……」
スプリア「悩みがあるの?誰かと喧嘩した?それともその銃?」
スプリア「……まいっか。その食事は私が届けておくよ」
フォルトゥナ「あっ……!」
ここからわかること……:
銃は、良い子が "同族" に向けていいものじゃない(当然)
どうやらスプリアは銃のメンテが得意らしい
ようやく司教に出会えた執行人たち
かんたん会話要約:
クレマン「お強いですね…… これでしばらく盗賊も大人しく……」
リケーレ「結構多いんですか?」
ライムント「荒野で修道院が孤立してんだぜ。格好の獲物だろ」
クレマン「もうすぐ冬ですしね。それで、そちらは……?」
フェデリコ「ラテラーノから参りました、執行人のフェデリコです」
リケーレ「同じくリケーレです。あともう一人は中に入りました」
クレマン「我々の罪を裁きに来たわけではなさそうですね……」銃チラリ
かんたん会話要約:
フェデリコ「犯罪者は役場で自首及び示談によって減刑を求める事が――」
リケーレ「それはレミュアンとオレン見つけてからな。責任者の方は?」
司教「この私だ」
ジェラルド「一足遅かったか」
リケーレ「司教様ですね。ジェラルドさんも責任者の方ですか?」
フェデリコ「彼は違います」
ジェラルド「確かに俺は、そんな大層な立場じゃあない」
司教「場所を変えよう」
ここからわかること……:
少なくとも、ラテラーノからここまでの道のりは険しい
周辺にうろつく輩は、行き場の無い連中くらい
クレマンは「我々」と括った上、罪の意識を示している
フェデリコがジェラルドを「責任者ではない」と明言できている
簡単な情報共有と事実の判明
かんたん会話要約:
司教「修道院司教の ステファノ・トレグロッサ です」
フェデリコ「挨拶は不要です。レミュアンとオレンは何処ですか?」
司教「レミュアン特使は客人として、オレン特使は私の方が尋ねたい」
司教「オレン特使が連絡を取ったからこそ、あなた方が来たのでは?」
リケーレ「救援の手紙を受けて特使二名が向かった所、連絡断絶」
リケーレ「我々は特使二名と状況調査の為に遣わされたのです」
ジェラルド「オレン特使は俺たちの包囲から逃れたよ。保証する」
かんたん会話要約:
リケーレ「よくご存じですね。一般市民ではない様子」
ジェラルド「ここの猟師代表、兼用心棒だからな」
フェデリコ「ならばレミュアン特使は?何故行動の制限を?」
司教「……この修道院はな。この荒野からもう動けない」
司教「燃料も食糧も無く、脅威に曝された我々に選択の余地など無い」
フェデリコ「それで、荒野をさすらう流浪者を取り込んだと?」
司教「帰る場所を失くした行き場の無い人々に、居場所を与えたのだ」
かんたん会話要約:
フェデリコ「そのフードはなんですか?」ヒュッ
ジェラルド「あっ」ファサッ
リケーレ「司教、どうしてラテラーノ修道院の中にサルカズが?」
司教「……」
フェデリコ「あなたは一体何者ですか?」
ジェラルド「信じてもらえないだろうな。"猟師" の "ジェラルド" だよ」
補足:「天災ってなあに?」
要約:国が滅びる規模の自然災害 その地に源石がよく残っている
要約:エネルギー源 活用するほど天災を呼ぶ
要約:天災を避ける為に動く都市構造
長い!三行で……:
天災を避ける為に巨大な移動都市を作った。
移動都市の運用には莫大なエネルギーが必要。
莫大なエネルギーの生成手段が天災を呼んでいる。
補足:「サルカズってなあに?」
「サンクタ:光の翼と光輪を持つ種族」なら「サルカズ:鉱石病耐性が高く感染率も高い、角が生えた種族」、要は種族の一つ
サンクタとサルカズはとてつもなく仲が悪い(数千年規模)
故郷『カズデル』が戦争で蹂躪され、多くが世界に散り散りとなった
主に傭兵業を生業に厳しい生活を強いられ、排他的な者が多い
その名を口にする事自体がタブー視されてる(筆者の体感世界観)
要約:嫌われ者
ここからわかること……:
司教は何かの意図があって、レミュアン特使を客人として留めている
オレン特使は行方不明。警戒心の高さからか包囲を抜け出し逃げ出した
リケーレ曰く「オレンが姿を現さず連絡すら寄こさない」「嫌な予感」
修道院は十年前から動けない状態で、外界との交流手段も持たない
修道院、特に司教は行き場のない人々へ居場所を与えている
司教「当時の我々に、選択の余地はなかったのだ……」
ジェラルドはサルカズ(ここに居てはいけない存在)
様々なしがらみ(HE-2_戦闘前)
アルトリアとアウルス
かんたん会話要約:
アルトリア「遥か遠いところに、幸せに暮らす小さな村がありました」
アルトリア「小屋を建て畑を耕す人、狩りに採掘に用心棒……」
アルトリア「村人たちは分け隔てなく協力し、故郷を支えていました」
アルトリア「ですが幸せは長く続かず、村は次第に苦しみ始めたのです」
アルトリア「これはきっと試練だ!神様に許しを乞わねば!」
アルトリア「すると心優しき人々が訪れ、こう告げたのです」
アルトリア「一部の人間を切り捨てれば、我々の都市へと迎え入れよう」
子供たち「すごくつらいおはなし」
子供たち「ママみたいな英雄のお話が聞きたいよ!」
アルトリア「あなたたちのお母さんは、とても偉大な人なのね!」
穏やかな宣教師「……」ニコニコ
アルトリア「ちょっと待っててね」
かんたん会話要約:
アウルス「同行者を帰さなくちゃならんので旅立ちます」
アルトリア「その哀れな同行者のために、祈りを捧げるわ」
アウルス「命に関わる決心を "哀れ" とは、いただけないな」
アルトリア「私たちは自分自身を完璧には制御できないものよ」
アルトリア「絶対にしてはいけないと思いながら、行為に至ったりとかね」
アルトリア「そんな時、そうした "思ってもない行動" を咎めるかしら?」
アルトリア「決心や覚悟が、自分を説得する為の嘘でないと言い切れる?」
アルトリア「真意は何処に……人々がまとまる日はいつ訪れるのかしら?」
アルトリア「それはあなたが今まさに抱いている疑問ではなくて?」
アウルス「……」
アルトリア「私があなただったら、こんな時に慌てて出発はしないわ」
ここからわかること……:
昔話の内容と「アンブロシウス修道院」の状況が被っている
子供たちにとっての母親は「すごい英雄」らしい
アウルスは同行者(同胞)を連れて旅立とうとしている
どうやら同行者は「命に関わる決心」をしたらしい
何故、アルトリアがそれを知っている?
気になった台詞:
筆者が仕事へ意識して向けている姿勢が「集団主義」と呼ぶものだと知れた。
あと、ロマン主義で求める所が個人的に好み。知れてよかった。
「そう」と言い切りたいが、覚えがないので分からない。
そんな自分が、そうした状況に立たされてどうするのか。そこを考えると「自分を制御できない」旨の発言に納得できた。
「思ってもいない行動を取った」ことを咎める自信は無いし、決心とか覚悟とか意識付けとかそういうものが、自らを説得する為の「嘘」ではないとも言い切れない。
……とはいえ、「嘘でもいいからその方向へと自分を仕向けたい」という意志は明確にある。あるよな?あるんです。あると思います。
「楽園はサルカズを受け入れない」
かんたん会話要約:
ジェラルド「ごく普通のサルカズだ」
フェデリコ「武器を隠し持ち歩いてますね。傭兵ですか?」
ジェラルド「……護身の為だ。さっきも盗賊どもが来ただろう」
フェデリコ「傭兵の習性に対する釈明がないようですが」
ジェラルド「……今や武器より農具を握る方が長い。警戒の価値は無いさ」
リケーレ「フェデリコ、今は一つの可能性を追求している場合か?」
フェデリコ「……もっともな判断です」
かんたん会話要約:
フェデリコ「状況を説明していただけますか?」
司教「十数年前、物資が尽き荒野を彷徨うジェラルドたちを受け入れた」
司教「そんな彼らを死地に追いやるのは違う。そうだな?」
リケーレ「それはそう」
司教「全員が初めから受け入れた訳じゃないが、苦しさが勝ったのだ」
司教「我々は彼らに居場所を、代わりに喫緊の問題を手助けしてもらった」
司教「我々は互いに支え合っているのだ」
フェデリコ「ですが結局、ラテラーノへと連絡を取った」
司教「選択の余地が無かった…… 快く受け入れてはくれたが、しかし……」
司教「譲歩を示したレミュアン特使も含め、こう言い渡したのだ――」
司教「 "楽園はサルカズを受け入れない" と」
かんたん要約:
司教「なぜだ!?彼らが居なければ修道院が瓦解していたのだぞ!」
司教「我々が互いに支え合いながら生きていた間、ラテラーノは!?」
司教「……どうかお二方……教皇聖下よ、信仰よ、私の願いを……」
今にもその圧に壊れてしまいそうな老人が、信仰を頭上高くに掲げる。
フェデリコ「レミュアンは間違っていません」
フェデリコ「ラテラーノへ、サルカズが足を踏み入れる事は許されません」
かんたん会話要約:
ジェラルド「もういいんだ。俺たちのせいで、追い詰められる必要は無い」
司教「えっ?」
ジェラルド「俺たちはここを離れる。それで問題はないだろ、執行人」
フェデリコ「公証人役場は、罪のない平民を攻撃の対象にはしません」
フェデリコ「司教、私はオレンを追います」
フェデリコ「あなたは、ラテラーノ側が提示した条件に同意しますね?」
司教「少し……時間をくれないか……」
司教「最期の説教を行い、最後の夜を過ごしたい。明日、返答しよう」
かんたん会話要約:
リケーレ「それでは失礼」
ジェラルド「……まだ傭兵時代の習慣が残っていたか」
司教「ジェラルド、本当に……」
ジェラルド「俺が冗談を言わないのは知ってるだろ」
ジェラルド「……俺たちは皆、生きることに難儀している」
ジェラルド「それは決して、嘘なんかじゃない」
かんたん会話要約:
クレマン「客人は自由に行動させてます。司教……具合が悪そうですが」
司教「心配はいらない。鐘を鳴らしに行ってくれ、ジェラルドは――」
ジェラルド「準備が多くてな、すまない。出席できる人数も……」
司教「……そうか、仕方ないな」
クレマン「……本当に、こんな形で、見捨てねばならないのですか……」
司教「それ以上聞くな。もう行け、クレマン」
司教「……信仰が信仰に背くのならば、私もまた、決断を下さねば……」
司教「懺悔せねばなるまい……」
ここからわかること……:
ジェラルドは昔、傭兵だった
ジェラルドたちをサルカズと知りながら、司教は修道院へと受け入れた
サルカズとサンクタとして、互いに支え生きてきた
司教は選択の余地が無く、ラテラーノへと救援の連絡を取った
但し「サルカズだけは受け入れられない」という条件付き
ジェラルドたちサルカズは、この一件を受け修道院を離れるらしい
救援を受け入れる判断に時間が足りないと、明日の朝まで待つことに
クレマンは鐘を鳴らしに行った
司教は「信仰が信仰に背く」「自らも決断を、そして懺悔を」と話す
気になった台詞:
「そんな余計な事を考えている余裕などない」と解釈しました。
生存が保障された環境、我々を例に考えたなら、一体どうなんでしょうね?
救出成功。一番乗り。
かんたん会話要約:
レミュアン「それで、任務概要と部隊構成は?」
スプリア「教皇聖下直々の任務で、特使二名の捜索と修道院の調査」
スプリア「構成員はフェデリコ、リケーレ、自ら参加を申請した私」
レミュアン「大体わかったわ。お疲れ様」
スプリア「先輩がここを出ようとしない理由を訊いてもいい?」
レミュアン「外交は、銃と弾丸に頼って解決できない問題だから、かしら」
レミュアン「話し合いだと説得されちゃうし。ここの人達と気が合うの」
レミュアン「最後に考えを改めるのは誰になるか、知りたくなっちゃった」
スプリア「譲歩する気があるみたいに言っちゃって」
レミュアン「司教をこれ以上刺激したくないのよ。嫌な予感がして……」
かんたん会話要約:
レミュアン「で、貴方はここの状況をどれだけ認識しているの?」
スプリア「サルカズを受け入れてるってことくらいかな」
レミュアン「……貴方って外勤任務が嫌いだったわよね」
スプリア「先輩のためだよ?」
レミュアン「嘘ね」
スプリア「……とにかく、先輩は安全だってフェデリコ達に伝えるね」
スプリア「正直にいうと、先輩の努力が実を結ぶとは思えないかな」
レミュアン「……やってみなきゃ分からないわ」
かんたん会話要約:
スプリア「……レミュアン先輩、おっかないなぁ。私は構わないけど……」
聞き覚えのある男性の声(無線)《やっと連絡きたか》
聞き覚えのある男性の声《もう任務を破棄したんじゃないかと》
スプリア「まだその可能性はあるかもしれないけど。本題は?」
~~~
スプリア「ふぅ……しんどい任務だなー……あら?着いて来たんだ」
フォルトゥナ「頼みたい事があって……報酬はきちんと用意するから!」
ここからわかること……:
レミュアンは司教をこれ以上刺激しないようここに留まっている
レミュアン曰く「オレンはここの状況を正直に報告するはず」
スプリアには、任務へ参加するための別の動機がある様子
聞き覚えのある男性の声をした存在がスプリアと連絡を取っている
フォルトゥナがスプリアへ頼み事を、報酬付きで持ってきた
ハーブピッツェル
かんたん会話要約:
デルフィナ「誰にも会わない……あっカロリン!皆何してるの?」
カロリン「今日は……みんなちょっとやることがあって」
デルフィナ「……それ、何持ってるの?見せて」
カロリン「あっ」
デルフィナ「……何よ、これ?もみ殻に……おが屑……!?」
カロリン「違うよ、フィーナちゃん、話を聞いて。私たちは、ただ……」
デルフィナ「ただ……何だって言うの?教えてちょうだい、カロリン」
デルフィナ「あたしたちの暮らしは、一体どうなってるの?」
かんたん会話要約:
フォルトゥナ「あっ、フィーナ!砂糖って、どこに置いたか知らない?」
デルフィナ「なくなっちゃったけど……それにこの食材って」
デルフィナ「……こんな時にスイーツ作りをする気?」
フォルトゥナ「皆にサプライズしたくて。怒らないでよフィーナ!」
フォルトゥナ「それに、お礼にハーブピッツェルを作るって約束して……」
デルフィナ「……お礼?」
フォルトゥナ「その人、守護銃を直してくれたんだ!不思議だったんだよ」
フォルトゥナ「この銃を握った瞬間……まるで生まれた時からこれの使い方を知ってたみたいに感じたの!」
フォルトゥナ「すっごく綺麗でしょ?これからは一緒に使えるんだよ!」
デルフィナ「……」
かんたん会話要約:
デルフィナ「ねえ、フィーナ。正直あたしは銃や信仰なんてどうでもいい」
デルフィナ「それにラテラーノもね。あたしは、サンクタ失格かしら?」
デルフィナ「けどあんたやライムント、ここの皆のことは大事なの」
デルフィナ「あたしにはこの家しか……家族はあなたたちだけだから」
フォルトゥナ「なに言ってるの!私だってフィーナと同じように――」
デルフィナ「同じならスイーツを作る余裕なんてあるはず無いじゃない!」
デルフィナ「あんた、ラテラーノの人たちが来てから少し変わったよね」
フォルトゥナ「……変わったって何が?私は別に……」
デルフィナ「その銃、レミュアンってラテラーノ人に直してもらったの?」
ここからわかること……:
修道院のサルカズは長い間、少ない食糧で過ごしていた
フォルトゥナは壊れていた銃(守護銃)を直してもらった
フォルトゥナはサプライズとして、お礼としてスイーツを作っていた
デルフィナは "サンクタ" やラテラーノより、家や家族の方が大事
デルフィナ曰く「ラテラーノ人が来て、フォルトゥナは少し変わった」
ラテラーノ(HE-2_戦闘後)
別々の道を往く兄弟
かんたん会話要約:
ジェラルド「……鐘の音。エイリーンのことをまだ覚えているか?」
クレマン「私は貴方がたに救われたんです。忘れられませんよ」
ジェラルド「昨夜、爆ぜる火を見ていたら、どうしてか思い出してな」
ジェラルド「随分久しい。だがもう、顔をハッキリと思い出せない」
ジェラルド「修道院の花々を見て、鐘の音を聞いてると落ち着く、と……」
ジェラルド「死ぬ間際ですら、エイリーンは鐘の音を聞こうとしていた」
クレマン「だからあなたは、鐘の音が嫌いなんですね」
ジェラルド「嫌な知らせを運んでくるかもと、恐れているだけかもしれん」
クレマン「……どうか、彼女に救済があらんことを」
ジェラルド「ああ、願わくばな」
かんたん会話要約:
クレマン「本当に出ていくのですか?こんなに急な話になるとは……」
ジェラルド「もう決めたことだ。伝えそびれていた」
クレマン「ライムントやフォルトゥナたちはしばらく引きずるでしょう」
ジェラルド「ライムントはまだ若い。だがいつかは慣れないといけない」
ジェラルド「あるいはそれこそ、サルカズの宿命なのかもしれない」
クレマン「宿命とは、あまり良い言葉ではありませんね」
ジェラルド「その通りだ。他に形容できる言葉も見当たらん」
ジェラルド「……さて、ここでお別れだ」
クレマン「待ってください!私も、あなたたちと共に……」
ジェラルド「来るべきじゃない。あっちの景色は、きっと美しいだろうよ」
クレマン「……あなたたちにも、美しい景色は見えますか?」
ジェラルド「……鐘を鳴らしに行け。達者でな、兄弟」
ここからわかること……:
かつては「エイリーン」という仲間が居た
エイリーンは鐘の音が好きだった
ジェラルドは「また嫌な知らせが来そう」と、鐘の音を恐れている
「サルカズであるということ」という、サルカズの宿命
ジェラルドとしては、クレマンたちには幸せになってほしい
【閲覧注意】みんなで、ずっと一緒に
死亡描写があります
フォルトゥナ「レミュアンさんは関係ないってば!」
フォルトゥナ「私がウソをついてないことくらい分かるでしょ?」
デルフィナ「ウソなんてついてないって、光輪からはそう伝わってくる!」
デルフィナ「それが本当なら、何でこんな時にピッツェルを作れるの?」
デルフィナ「フォル、あたしには分かんない……」
フォルトゥナ「……みんなが幸せに暮らせればいいって思ってるからだよ」
フォルトゥナ「私たちは、他に生きる道なんて無かった」
フォルトゥナ「ラテラーノは、私たちが帰る事をきっと許してくれる」
フォルトゥナ「ジェラルドおじさんたちが来れないのも知ってた」
フォルトゥナ「だけど、私は諦めたくない!みんなが良い人だって……」
フォルトゥナ「ラテラーノの人たちに、分かってもらえれば――」
デルフィナ「ようやく分かった気がするわ。それで頭を下げたの?」
デルフィナ「ライムントたちを連れて行くために、頭を下げなきゃって」
デルフィナ「失敗するわよ。それはあんたの一方的な希望でしかないの」
デルフィナ「あたしたちと、ライムントやカロリンとの違いって何?」
デルフィナ「自分でも分かってるんでしょ?」
デルフィナ「あたしたちは仲間と認めて、あたしたちの仲間は見下してる」
デルフィナ「そんな扱いは許せない。だったらラテラーノなんて行かない」
デルフィナ「ラテラーノ人が来てから、修道院の空気がおかしくなってる」
デルフィナ「あたしたちの暮らしは酷いけど、嫌になったことは無い!」
デルフィナ「今の暮らしでいいの…… なのに……」
デルフィナ「あいつらが今の暮らしを壊しているようにしか見えないの!」
フォルトゥナ「それでレミュアンさんに八つ当たりは良くないよ!」
デルフィナ「確かにそうかもね。でも何もわかってない」
デルフィナ「皆が陰でする話、おじさんたちが全然来れない理由」
デルフィナ「カロリンたちが、みんなが何を食べてたのか」
フォルトゥナ「待ってよフィーナ、何の話?私、知らないよ……」
デルフィナ「あんたのせいじゃないわ、悪いのはあたし」
デルフィナ「この頭上の光輪から、少しでも感情が伝わるなら――」
デルフィナ「その守護銃をあたしに渡しなさい」
フォルトゥナ「フィーナ?何をするつもりなの?」
デルフィナ「そんなものに祈りを捧げる必要なんてない。早く!」
フォルトゥナ「今のフィーナ、絶対おかしいもん……渡せないよ!」
フォルトゥナ「お願いだから正気に戻って、フィーナ!」
デルフィナ「あたしは正気よ!何が祈りよ、サンクタ特有の繋がりよ!」
デルフィナ「そんな特別なものなんていらない!あたしはただ――」
デルフィナ「あたしはただ……みんなで、ずっと一緒に……」
ここからわかること……:
フォルトゥナは「みんなが幸せに暮らせればいい」と思っている
デルフィナは「みんなを差別しているラテラーノ人を許せない」
デルフィナ曰く「酷い暮らしでも嫌じゃなかった。この暮らしがいい」
デルフィナ視点「あいつらがあたしたちの暮らしを壊しているようにしか見えない」
スプリアと合流する執行人
かんたん会話要約:
スプリア「良いニュース。レミュアン先輩を見つけた」
スプリア「悪いニュース。あの人、私たちと合流しないみたい」
フェデリコ「確認してきます」
スプリア「……冗談?」
リケーレ「フェデリコは絶対に冗談を言わないんだ」
おばさん「お若いサンクタさんや、ここへ来るべきじゃなかった……」
修道院住民「何を言うんですか。連絡したのは我々でしょう?」
おばさん「はて……反対しなかったかね?当てにするのはよしなってね」
おばさん「ラテラーノ人なぞ入れちゃいかん、助けなんていらん!」
リケーレー「えーっと……」
かんたん会話要約:
ジュリアン「おばさん!一体どうしちゃったんですか?さっきは……」
おばさん「わ……私は……」
ジュリアン「ひとまずおばさんを休ませてきます!」
リケーレ「何か妙だな、さっきまで問題なかったんだが」
フェデリコ「……これについては心当たりがあります」
フェデリコ「ですが、個人の推測に過ぎません。言及は控えます」
スプリア「じゃ、そろそろ情報交換といきましょうか」
かんたん会話要約:
スプリア「レミュアンが要求を呑めなかったのも納得ね……」
スプリア「ロンディニウムのサルカズの一件で一部大公爵はカンカンだし」
スプリア「こんな時期にこの事実が漏れたら、万国連合計画はおじゃんよ」
リケーレ「そう言われると、かなり深刻そうな話に聞こえるな」
リケーレ「レミュアンとオレンの任務は、ここへの援助提供と……」
リケーレ「ラテラーノへと修道院を返還させることだな?」
フェデリコ「はい」
リケーレ「そういやさっきのサルカズ、お前知ってたのか?」
フェデリコ「傭兵です」
スプリア「つまらない会話ね」
リケーレ「レミュアンが無事なら、オレンはどうなんだ?」
スプリア「逃げ出したって。レミュアンも知らないって」
スプリア「身を守る能力は誰よりも長けてるから、どこかで企んでるかも」
リケーレ「ふぅん?」
かんたん会話要約:
スプリア「鐘の音?」
フェデリコ「説教の開始を告げる鐘でしょう、参加します」
フェデリコ「多くの住民が集まる場であれば、全体の状況把握の機会に」
リケーレ「言われてみれば。……なあ、何か心配事があるのか?」
フェデリコ「……私は、最も合理的だと考えるやり方で責務を果たします」
ここからわかること……:
ニーナおばさんの状態が怪しく、フェデリコには心当たりがある
サルカズと関わりがあると情報が漏れた場合、深刻な事態に
レミュアンとオレンの任務は「この場所の援助」と「修道院の返還」
フェデリコ曰く「修道院全体の状況を把握する為、説教に参加する」
クレマンと住民の会話
かんたん会話要約:
クレマン「皆さん、礼拝堂にお急ぎください」
修道院住民「どうして突然?ラテラーノ人に関係が?邪魔しに来たのか?」
修道院住民「ジェラルドたちがいるせいで反対してるんだろ?」
修道院住民「憶測だけど皆そう思ってる。でなきゃ今頃とっくに……」
クレマン「……」
修道院住民「今の話は聞かなかったことにしてくれ。ただ……辛くてな」
クレマン「ええ、気持ちは分かります……」
修道院住民「ラテラーノなら、仕事や食い物や服に困らないんだろ?」
修道院住民「子供たちに寒い思いをさせなくて済むんだろ?」
クレマン「ですが我々が、そんな良い暮らしができるのでしょうか?」
修道院住民「そうじゃなきゃ、俺たちは他にどこへ行きゃいいんだ?」
修道院住民「何だ……?今度は一体何の音だ?」
クレマン(この音は……銃声?)
ここからわかること……:
司教たちとの会話に参加していない一般人も、問題には薄々気づいている
ただし明確な解答は得られておらず、迷いに迷いこんでいる
クレマンが「ラテラーノでの良い暮らし」に与れるか疑問視している
【少し閲覧注意】戒律に違反したサンクタ
血の表現が少し含まれます
修道院司教「フォルトゥナ!?」
フォルトゥナ「おじいさん……助けて……フィーナが……」
微かな明かりが、頭から突き出た黒い角を持つフォルトゥナを照らす。
祈りの為の守護銃が、少女の手の中からついに滑り落ちた。
フォルトゥナ「わ、私のせいで……フィーナを助けて!」
クレマン「司教!……フォルトゥナ?……それは……血……?」
リケーレ「何があった――!?……うっ、これは……」
スプリア「これは……ただ事じゃないみたいね」
クレマン「な、なぜフォルトゥナの額から、そのような黒い角が?」
フェデリコ「光輪反応に乱れ、前頭部から角が露出……堕天の特徴です」
フェデリコ「彼女は、戒律に違反したのです」
ここからわかること……:
サンクタが戒律に違反すると、堕天する
「光輪反応の乱れ」「前頭部から角が露出」が堕天の特徴
フォルトゥナは堕天した
堕天に陰謀に怪物に(HE-3_戦闘前)
状況対処
かんたん会話要約:
額から得体の知れないむず痒さ、光輪の不安定な明減。
司教の見開かれた両目、周囲の喧騒。目の前の全てが明るさを失っていく。
目の前の老人の考えを感じ取ろうと試みた。だが感情は流れ込まない。
彼女は、自分以外のサンクタの感情を感じ取れなくなっていた。
フォルトゥナ「フィーナを助けて!お願い、早く……!」
フォルトゥナ「悪いのは、全部私なんだ……!」
司教「大丈夫だ……自分を責めないでいい」
フェデリコ「判断するに、危害の意図を含まない過失事故だと思われます」
司教「口を慎みたまえ!よくもそのような言いがかりを――」
フェデリコ「……これが最も合理的な推測です」
かんたん会話要約:
リケーレ「埒が明かない。まずフォルトゥナさんを休ませたらどうだ?」
リケーレ「皆が落ち着いてから解決策を話し合っても遅くないはずだ」
リケーレ「過去にも堕天例はあるし、悪意が無ければ罪は重くならない」
リケーレ「両名の意見は?」
フェデリコ「私に異論はありません」
司教「しかし……」
フォルトゥナ「……ステファノおじいさん、もういいの……」
リケーレ「とりあえず、フォルトゥナさんを休ませてきます」
かんたん会話要約:
クレマン「デルフィナ!」
スプリア「大声出さないで!皆に知られないの!?」
スプリア「……ダメだ。傷口が深すぎて……」
クレマン「聖堂の花は薬用にも使えると司教が……摘んできます!」
スプリア「やめなさい。大量出血に息も無し、蘇生法も効果なし」
スプリア「この子は、もう死んでしまったの」
かんたん会話要約:
フォルトゥナ「……フィーナは……」
リケーレ「今の所容態ははっきりしないが、前向きに考えよう」
フォルトゥナ「この角……どうしてサルカズみたいな角が……?」
リケーレ「実の所、俺も詳しくは知らないんだよ……」
リケーレ「とりあえず、ゆっくり休んでな。俺は部屋の外にいる」
ここからわかること……:
堕天により、サンクタ特有の共感能力が損なわれる
フォルトゥナには、自らの行いを罪と認め、罰を受ける意志がある
フォルトゥナを休ませようと、リケーレが部屋へと連れて行く
オレン・アルジオラス
かんたん会話要約:
リケーレ「……隠れてないで出てこいよ、オレン」
オレン「どうやって俺に気付いた?」
リケーレ「カマかけてみただけさ。本当に出てくるとは」
オレン「そうかよ、ペテン師野郎め」
リケーレ「スプリアはお前んとこの人間だろ?」
リケーレ「お前に関する質問をフェデリコがした時、明らかに避けていた」
オレン「それだけであいつを嘘つき呼ばわりするのか?」
リケーレ「俺もそういうことが得意だからな」
オレン「この修道院に居る奴は、お前の想像を上回る大物だぜ」
オレン「その時のフェデリコは、俺らを捕らえるより優先度を上げるかも」
リケーレ「……お前とスプリアの企みは、具体的に何なんだ?」
オレン「手を貸してくれるのか?」
リケーレ「内容次第だ」
ここからわかること……:
スプリアはオレンと手を組んでいる
オレンの企み次第で、リケーレも手を組もうとしている
オレン曰く「この修道院には大物が居る」
執行人フェデリコとしての判断
かんたん会話要約:
スプリア「フェデリコ、悪い知らせよ。傍に誰かいる?」
フェデリコ「リケーレならいません」
スプリア「それはどうでもいい。フォルトゥナって子は近くにいる?」
フェデリコ「リケーレが居住エリアまで。何か発見したのですか?」
スプリア「……そう。はっきり言うけど、手遅れだった」
スプリア「暴発による過失事故。彼女嘘は言ってないし、重い罪には……」
フェデリコ「それは教皇聖下が判断されることです」
スプリア「……モスティマの件も大丈夫だったし、お許しになるはずよね」
スプリア「あの子のことは、私が見張っとくから」
フェデリコ「あなたはオレンと連絡を取り合っているのですか?」
スプリア「……私を疑ってるの?」
フェデリコ「はい。教皇庁と連絡を取っていない彼が、サルカズの関与するこの件へと関わる以上……何かしら行動を起こすのであれば、誰かの協力が必要になります」
スプリア「ほんとに頭がいいね、フェデリコ。回答は拒否するよ」
かんたん会話要約:
司教「デルフィナ……本当に……。私自ら確かめねば……」
デルフィナ「スプリアは判断を誤りません。オレンに関する情報提供を」
司教「執行人よ、あなたは事の必要性をどのように区別している?」
司教「同胞の慟哭が聞こえないか?貴方にとって、感情は無価値なのか?」
フェデリコ「……否定はしません」
司教「だとしたら、あなたに楽園の先導者たる資格はない」
司教「貴方がラテラーノの代表なら……ラテラーノなど信ずるに値せん」
フェデリコ「……私の質問にお答えください、司教」
司教「……最早話す事など何もない。勝手にするがよい、執行人よ」
ここからわかること……:
フェデリコは、スプリアとオレンとの繋がりを疑っている
堕天例は過去にあった。比較的大きい事件だったが大事にはならなかった
司教はフェデリコへの協力を拒み、ラテラーノへ不信を示す
補足:「モスティマの件って?」
レミュアンが属していた部隊での事件
ある男がレミュアンをアーツで攻撃、その男を止める為にモスティマが銃撃した
レミュアンは男の攻撃によって5年間昏睡、回復後も車椅子を要する
殺しこそしていないが「同族を撃ってはならない」という戒律に背き、モスティマは堕天した
異形の来訪者
簡単会話要約:
レミュアン「……これで日誌は終わり、か……」
レミュアン「よくも最後の一頁まできっちり埋めたものだわ」
レミュアン「……いよいよ私も動かなきゃね」
レミュアン「あら?外に誰かいるの?」
うごめく化け物「……」
レミュアン「……あらあら、これは意外なお客さんね」
ここからわかること……:
レミュアンの下へ化け物が現れた
チェロの音色(HE-3_戦闘後)
花を摘みに来たクレマン
かんたん会話要約:
老人たちの世間話には、いつもラテラーノが登場する。
あの地は輝いていて、豊かで、争いなく、皆安らかに暮らしていると。
だが、この修道院内でラテラーノを直接見た者は、殆ど残っていない。
それでも語るのは、とうに覚めるべき夢を懐かしんているからだ。
暖かな陽光に満ち、花々が咲き乱れる。かつての修道院が見せた光景を。
アルトリア「綺麗な花ね、誰かへの贈り物かしら?」
クレマン「……もはや贈っても意味が無い。この花は誰一人救えない……」
アルトリア「悲しみ。苦しみ。絶望。それと……怒りを感じているの?」
クレマン「いえ、お客人の前では怒りませんよ」
アルトリア「私の前では、ね。正直な解答だわ」
アルトリア「なんだか私のことを嫌っているような感じがするわ」
アルトリア「何か悩みがあるのなら、力になれると思う」
クレマン「……力?何について力を貸して下さるのですか?」
アルトリア「それは私が決めるんじゃなくて、あなた次第ね」
アルトリア「私はただ、貴方自身の考えが聞きたいだけ。」
クレマン「変わった方ですね。アルトリアさん」
クレマン「でも私相手では無理です。力になることはできません」
かんたん会話要約:
クレマン「使者を蘇らせることができますか?」
クレマン「作物を実らせ、寒風を止められますか?」
アルトリア「残念ながら、できないわ」
クレマン「我々の生活を元に戻し、既にあるわだかまりを消す事は?」
アルトリア「あなたはどうだったのかしら、クレマンさん?」
クレマン「……かつては試みました。けどどうにもならなかった」
クレマン「努力するほどに自体は悪化し、誰も好転させることは叶わず」
クレマン「あなたでは私の力になれませんし、助けも必要ありません」
クレマン「考えを聞きたいをおっしゃいましたね?ありませんよ」
クレマン「冬はますます寒く、冷たくなるというのに……何を考えろと?」
アルトリア「……冷たい。そうね。まるて氷に閉ざされた土壌のよう……」
アルトリア「だけと、私はその秘められた音符に触れられる」
アルトリア「それは一体どれほど、人の心を動かすかしら?」
アルトリア「……まだその時ではないわ。なんて耐えがたい時間でしょう」
アルトリア「……ああ、この旋律なら、まさに今この瞬間にピッタリね」
ここからわかること……:
クレマンは「悲しみ」「苦しみ」「絶望」「怒り」を感じている
アルトリアの目的は「クレマン自身の考えを聞きたいだけ」
クレマン然り、誰一人この悪い状況を好転できなかった
クレマンは誰の助けをも必要とせず、考えは無く、考える余裕もない
アルトリアは「クレマン」という楽曲の完成を躊躇い葛藤する
しかしそんな状況にピッタリな旋律を奏でようと試みる
チェロの音
かんたん会話要約:
(回想)
???「言ったでしょう?フェデリコ」
???「……あなたの演奏は規則的で整然とし過ぎているの」
???「理論通りの旋律には、温かみもなければ激情もない……」
???「時々、不意に興味を抱くの。あなたは一体いつ気付くかしら……」
???「……自分が何のために追い求めているか、ということに」
フェデリコ(……チェロの音?それにこのアーツ。まさか……)
住民「今日弾いてるのは何て曲なんだろうな?綺麗な曲だ……」
フェデリコ「ここでは毎日このような音楽が流れるのですか?」
住民「最近たまーに聞こえてくるって感じかな」
住民「聖堂の当たりで誰かがチェロを弾いてるって言う話を……」
住民「ってちょっと、あんた!?行っちまった……」
フェデリコ(音の発生源に近づいている)
フェデリコ(だがアーツの力は弱まっている。行使を諦めたか……ん?)
ここからわかること:
フェデリコが「何か」を追い求める理由を、当人は気付いていない
アーツの力も含まれたチェロの音色が聖堂から聞こえてくる
聖堂へと向かうフェデリコ
準備を終えたサルカズ
かんたん会話要約:
ジェラルド「出発の準備はどうだ?」
サルカズ住民「大方整った。だが外の様子を見に行った連中の連絡がない」
ジェラルド「少し待とう。焦る必要もないし、夜になれば俺が探す」
サルカズ住民「了解。そうだ、ボス!もう一つ……ハイマンも戻ってない」
ジェラルド「ライムントの奴もまだ戻らないのか?なら俺が探す」
サルカズ住民「分かった。だがハイマンが姿を現さなかったら……?」
ジェラルド「……明日の朝会に戻らなければ、お前たちは出発しろ」
ジェラルド「俺は残る。生死を問わずハイマンを必ず見つけ出す」
サルカズ住民「……いつも背負い過ぎなんだ。俺たちは心配なんだよ」
ジェラルド「お前らが俺をボスと呼ぶなら、俺にはそうした責務が伴う」
ジェラルド「心配するな。さっさと行って準備を終わらせろ」
ここからわかること……:
明日の朝に出発する為の準備は整っている
ハイマンというサルカズがまだ戻って来ていない
戻って来ていないライムントはジェラルドが探す
ジェラルドもサルカズ住民も、仲間思いが非常にアツい
スプリアとリケーレ
かんたん会話要約:
スプリア「交代にきたよ~」
リケーレ「うおっ……!びっくりした……!スプリア、お前か」
スプリア「フェデリコはこんな仕事受けないでしょ?それで、中の子は?」
リケーレ「相当ショックが大きいみたいだ。一言も喋ってない」
スプリア「私は現場を見てきたわけだけど、何があったのか訊かないの?」
リケーレ「……大体予想がつくからな。もう間に合わなかったんだろ?」
スプリア「……そのこと、彼女に話したの?」
リケーレ「向こうは情緒不安定なんだぞ、本当のことを話したら……」
スプリア「じゃあなんて伝えたわけ?お茶を濁したってとこかしら?」
リケーレ「人聞きの悪い……反論の余地は無いが」
リケーレ「スプリア、何だか機嫌が悪そうだが、何かあったのか?」
スプリア「……あなたには関係ないでしょ。私はすこぶる好調よ」
リケーレ「そうか。じゃあスプリア、ここは任せたぜ」
スプリア「……ふん。どいつもこいつも、役立たずばっかり」
スプリア(銃の暴発事故…… あの時、手を貸さなければ……)
(無線機が鳴る)
スプリア「……外縁地帯にサルカズが出現?封鎖を突破しようとしてる?」
スプリア「分かった……え?オレン?……私が連絡しておく」
スプリア「よく聞いて、これからあなたたちがすべきことは……」
ここからわかること……:
スプリアの機嫌が悪い。その要因はフォルトゥナの一件らしい
外縁地帯にサルカズが出現、封鎖を突破しようとしている
スプリアが何かの集団へと「これからすべきこと」を伝える
レミュアンとフェデリコとの合流
かんたん会話要約:
フェデリコ「何者ですか?」
クレマン「フェデリコさん?」
フェデリコ「貴方ではありません……お静かに」ッタァン!!!
化け物「……」スー……
クレマン「うわああ!!あれは……何ですか!?」
フェデリコ「分かりません」
クレマン「まずい……逃げた方向にはジェラルドたちの集落が!」
フェデリコ「……動かないでください。誰か来ます」
???「……銃声が聞こえたから、来てみたの」
フェデリコ「スプリアの報告では、貴方に外出の意志は無かったと」
レミュアン「そうよ。だからスプリアの事は責めないであげて」
レミュアン「ちょっと予想外の事態が起こって……貴方は一人?」
フェデリコ「今は私一人です」
レミュアン「じゃあ端的に……私の探してる "お客さん" はどちらに?」カチャ
ここからわかること……:
化け物が逃げ出しており、レミュアンは追いかけている
レミュアンとフェデリコが合流した
状況整理と各キャラの視点整理(HE-1~HE-3)
アンブロシウス修道院。
この場所の問題を解決する為、教皇に選ばれた執行人フェデリコ。
その任務は「修道院へ向かった特使2名の捜索」。
修道院がラテラーノへ求めた救援の交渉に向かったが、連絡途絶。
リケーレ、スプリアと共に向かい、司教から行方を聞く。
特使レミュアンは修道院へ留まり、特使オレンは行方不明らしい。
特使各々の、意図の詳細は不明。
ラテラーノへ救援を求めた修道院は、食糧も燃料も尽きかけている状態。
貧しく苦しい生活ながら、住民たちは分け隔てなく皆が協力し合っていた。
ラテラーノは、楽園たる聖都へとそんなサンクタ住民達を招待した。
しかし修道院には、サンクタと数千年もの対立を続けるサルカズが居た。
特使レミュアンは「楽園はサルカズを受け入れない」と言う。
修道院住民のサンクタは、司教は、サルカズを切り捨てる他なかった。
修道院住民のサルカズは、サルカズとしての宿命を受け入れる他なかった。
結果サルカズは皆を率いて、この修道院を離れる事にした。
壊れた守護銃を持つ「フォルトゥナ」という名のサンクタ少女が居た。
スプリアに銃を直してもらった代わりに、住民へのサプライズと称して用意したスイーツを一部、報酬として支払おうと準備していた。
同じサンクタ少女で「フォルトゥナ」の親友「デルフィナ」が居た。
訪れる冬に備えサルカズ住民たちに冬服を届けようとしていたところ、サルカズ住民たちの貧しさを目にし、強い衝撃を受けた。
ラテラーノから来た人へスイーツを作る能天気なフォルトゥナを、現実に直面したデルフィナは目撃する。
自分たちの家や暮らしや家族を壊しているようにしか見えないラテラーノ人に強く嫌気が差したデルフィナは、
八つ当たりの為、直った守護銃をフォルトゥナから奪い取ろうとした結果暴発、デルフィナは亡くなってしまう。
事故とはいえ、サンクタとしてサンクタを殺めてしまったフォルトゥナは戒律に違反したことによって、堕天してしまう。
取り乱したフォルトゥナを部屋へ送ったリケーレの下に、行方不明だった特使オレンが現れる。
オレンにはオレンの計画や考えがあり、乗らないかとリケーレに話をする。
その一方フェデリコは現状を鑑みて、スプリアとオレンに繋がりがあるのではないかとスプリアに問いかけるが、解答を拒否される。
この地の現状を傍観し続けるアルトリア。
数々の現実に直面したクレマンの閉じられた心を知り、しかし楽曲として完成はさせられないと葛藤する気持ちをチェロに乗せる。
幻覚か、その音色を聞いたフェデリコはらしからず音の発生源へと奔走するが、襲われ逃げた未知の化け物を追うレミュアンと合流。
簡単に情報を共有し、互いの目的を果たしに動く。
その一方でこの地を離れようと動くサルカズたちは、旅立つ準備を終え明日の朝この地を発つことに。
しかし先遣隊及びハイマンが行方不明となった事を知るジェラルド。
先遣隊の帰りは旅発つその時まで待ち、たとえ皆が旅立っても生死に関わらずハイマンを見つけると、誰一人見捨てないとジェラルドは言う。
キャラ毎の視点概要は以下の通り:
執行人フェデリコ:任務により、修道院の秩序を保とうとしている
特使レミュアン:修道院、特に司教を刺激したくない
特使オレン:何か不穏な動きをしている(現状では詳細不明)
執行人リケーレ:オレンの計画に誘われた その返事は不明
スプリア:オレンとの関わりがある……が、苛立っている
司教ステファノ:救援に応えるかどうか、時間を要している
猟師ジェラルド:サルカズ住民たちを連れ、離れようとしている
クレマン:様々な現実に直面し続けている
フォルトゥナ:堕天し、ラテラーノで罪を償おうとしている
アルトリア:この地の物語を傍観し続けている
宣教師アウルス:同胞を助け、連れ帰ろうとしている
ここまでは状況説明が主でした。
かんたん会話要約ながらにそこそこ細かく書いた意図としては「状況をしっかりと理解することで、これから各々の行動意図がより詳しく理解できるように」といった具合です。
ここからは様々な事件が次々に展開される都合上か、物語の前後が激しく入れ替わる為、一つ一つの視点に絞って纏めていきます。
具体的には、筆者の視点で「描写として大事な場面」を抽出し要約しつつ書き進めることになります。
状況説明ではなく心境描写が主になる……?「ここからわかること」が抜け落ちます。解釈は読み手次第(筆者も含む)という事で。
楽しめるかどうかはわかりませんが、写真キャプションとして付け加えた文言は筆者の解釈や感想の内容となります。解釈の足掛かりとしてどうぞ。
これから何が起きて、各々が何に直面して、それからどういう認識や解釈を成し、何を遂げて最後を迎えるのか。
彼ら彼女らの考えを掘り下げられるように、前後関係をしっかりと抑えた上、その意図までもを追えるように構成できたらなあ、と考えます。
炎に包まれる聖堂(HE-4)
アウルスと司教
司教はアウルスのもとへ、何かを頼みに向かう。
アウルスはそうした司教の振る舞いに驚きを覚え、司教に再考を勧めた。
曰く「この修道院に愛着を抱いている」「貴方も同じだろう?」との事。
だが司教は「それを分かっていても尚耐え続けろと?」と返す。
対するアウルスは「私は今、己が正しいと思う道を歩んでいる」「君にもそうであってほしいと望んでいる」と言う。
「明日の朝、考えが変わっていなければ、求める物は用意しよう」「それが君の選んだ答えだと判断しよう」と言うアウルスに対し、
司教は「私にはもはや、選択の余地など無いのだ」と語る。
アウルス「歓迎しよう、ステファノ……我が新たなる同胞よ。」
フォルトゥナの解釈
デルフィナが死亡した事実をスプリアの口から聞いたフォルトゥナ。
「もし銃を直さなかったら……」とスプリアが詫びようとした時、「やめて!」と発言を遮る。
銃を握り、祈りを捧げられなくなったと語るフォルトゥナは、
少なくとも今はは、ライムントたちと同じような角が生えた自らを「皆と同じになれたんだ」と言う。
一方ライムントは、聖堂にて開花期を迎えた花々を眺めていた。
「これで大丈夫だ……きっと……」と言い、何かをする素振りを見せる。
フェデリコとしての優先順位
フォルトゥナが堕天した事実をフェデリコから聞いたレミュアン。
しかし、堕天の問題は教皇の判断が必要で、我々には解決できないと言う。
だが、怪物は我々でも対処可能だとフェデリコに協力をあおぐ。
らしからず、フェデリコは思いつめ「チェロの音色を確かめたい」と、自らの目的をレミュアンに伝える。
フェデリコに信頼を置くレミュアンは「チェロの音色と怪物と、どちらを優先すべきか?」を彼に答えさせ、彼自身の考えを確認する。
その解答と考えに納得し「怪物は私、貴方はチェロを追いなさい」と言う。
「……本作戦の優先事項は、あなたとオレンの安全確保です」と、それでも責務を果たそうとするフェデリコに対し、
レミュアンは「優先順位は自分の頭で判断すべき」と返す。
また、共感できない非サンクタの友人との交流経験から「時には、自分の直感を信じなくちゃいけない」とも語る。
こうして二人は「怪物を追う」「チェロの音色を探す」それぞれの目的を果たしに向かった。
聖堂にて
チェロが鳴っていた場所、聖堂へと辿り着いたフェデリコ。
そこに居たのは二人の子供、エスタラとエレンデルだった。
子供たちはフェデリコを見て「物語で言ってた良い人だ!」と、
「お姉ちゃんが、黒い輪っかをしたお兄ちゃんが来る」「そのお兄ちゃんならママのところまで連れてってくれる」と話す。
加えて「もし来なかったら逃げなさい、ここにずっといちゃいけない」と。
すると突如、聖堂内が火災に見舞われる。
フェデリコは子供たちを抱え、安全な場所へと運び出す。
燃える花々
燃える花々に聖像、そして聖堂を見るクレマンと住民たち。
聖堂近くを通りすがったライムントは、助けを呼びに来た住民から「聖堂から炎が上がっている」と確認する。
何やら思う所があるライムントだが、一先ずは消火だと仲間を呼ぶ。
サルカズ、サンクタ、そしてフェデリコと皆で協力し、水をバケツで運び消火作業に取り掛かる。
その時、クレマンが「私は、どうしても行かねば――」と、住民の静止を振り切って燃え盛る炎の下へと駆け寄る。
フェデリコによって物理的に止められた彼は「花はまた植える事だってできるじゃない」と住民に諭され、思いつめながら水を汲みに戻った。
炎の下へ近寄るフェデリコが危ないと、ライムントが静止する。
「心配はいりません」「……お前は信用ならねぇ」とやり取りする中、聖像がライムントめがけ倒れてくる。
しかし何の躊躇もなく聖像を銃撃、倒れる方向を逸らしたフェデリコの行動を見て、ライムントは驚く。
フェデリコは、火勢が強まりつつある事実に気が付いた。
聖堂の家具こそ燃えやすいが、出火箇所がそもそもおかしい。
内部に何か助燃性の物質があったのではないか、と何かを見つけた。
捜索を続けるレミュアン
怪物の捜索を続け、サルカズたちの住居へと辿り着いたレミュアン。
足音を聞きつけ癖で身を隠した所、サルカズ住民の会話が聞こえてきた。
一方は「修道院へと様子を見に行くべきだ」と心配し、一方は「ラテラーノの連中に行かせりゃあいい」と怒っている。
その実、あるサンクタ住民に言われた疑いの主張に憤っているらしい。
俺たちが居るとラテラーノへ行けないから邪魔、だから「冬服を盗むかもしれない」と疑うような、仲間だと思っていないような事を言うんだ、と。
サルカズ住民の一部からもサンクタへの対立が深まっている現状を示す会話を聞いてしまったレミュアンは「……本当、冷えるわね」と言い残した。
その時、スッと静かに移動する怪物の姿を目にする。
強まる本音
燃え広がらずに済んでよかった、聖像は焼けてしまった、皆無事だったからよかった、こんな時に司教は居なかった……
火災は鎮まり、思い思いの気持ちを吐き出す住民たち。
フェデリコは根拠を交え「この火災は人為的な放火だ」と言う。
それを聞いたある住民が、一つの疑問を抱きライムントへ伝える。
「どうしてあんなところに都合よくお前が現れたんだ?」と。
少し離れた位置で一部始終を傍観していたジェラルドと司教。
あるサンクタ住民がライムントへ疑いの目を向けた一件を、「これが俺たちの現状だ」と司教に言い、
「誰が悪いって話じゃない」「さすらい続ける運命にあるサルカズを、ここへ連れて来た俺が間違っていた」と続けざまに話すジェラルド。
「お前も言っただろう。誰も間違ってなどいないと」と返す司教に対し、
思う所があったのか「何を企んでる?」と聞き返す。
ジェラルド「今の火災に……あんたは何か関係してるのか?」
現実への直面(HE-5)
放火の犯人捜し
「どうして図ったようなタイミングで現れた?」と訊かれたライムント。
その根拠は「信仰の無いサルカズが聖堂へ来ることはないはずだ」と言う。
対しライムントは「俺は火なんて放ってねぇよ」と断言し、「確かに信仰は無いが、この火事と何の関係もねぇだろ」と返す。
「信じるかどうかは勝手だが、ちょっとした用事があっただけだ」「どんな用事だ?」「答える義理なんてねぇ!」
疑いの目を向け合うやり取りにフェデリコも巻き込まれてしまうが、
彼は「助燃性物質を使用したという前提で考えると、現場付近に居た人間なら誰であれ容疑者足り得る」と、
続けて「種族がどうあれ証拠にはならない。もし聖堂を破壊する必要に迫られれば、私は躊躇わないでしょう」と言う。
とはいえこれで納得する訳もなく、「だから、はいそうですかって言えってのか!?」と狼狽える住民を、
「証拠もないのに他人を疑ってはいけません」「私は、我々の中の誰一人として疑ってはおりません」と言いクレマンが静止、
口論はここまでと、フェデリコが事件の調査を行う。
ジェラルドのお誘い
偏見から疑いの目を向けられたライムントは、終始理性的な意見を掲げ口論を静止したフェデリコへ、不器用ながらに感謝を示す。
すると避難していた子供たち二名が、ライムントの姿勢をかわいそうだと評し、難しいことじゃないと教えようとする。
そんな子供たちを怒鳴りつけるライムント。
フェデリコは疑問に思い、子供たち二名とサルカズたちの集落について尋ねようとした時、唐突にジェラルドが現れる。
大火事をライムントに訊かれ「全部見てたよ」と言うジェラルドに、フェデリコは「何故身を隠していたのですか?」と質問を投げかける。
ジェラルドは解答を濁し、代わりにサルカズの集落へ来てくれと、また疑問にも答えようと伝えた。
招いていないお客さん
一方、怪物を追い続けたレミュアンは、遂にその姿を射程に捉える。
捉えた怪物は、たどたどしくも「お腹が空いた」と人語を喋るのだ。
こうした存在の処理には、イベリアに在る裁判所の方が都合は良いと、捕らえようとした時、
突如としてアウルス宣教師が現れる。
助けが必要な同胞の為、剣で以てレミュアンの道に立ちはだかる。
覚えのあるイベリアの剣術を用いる宣教師を相手取り、苦戦を強いられる。
お互いが目的を果たそうとしのぎを削る中、アウルスが質問を投げかける。
「お嬢さん、君は楽園をいかなるものと定義しているのかね?」
レミュアン「皆が平和に、幸せに暮らせる場所。特別な定義なんてない」
アウルス「では君にとってこの地は、間違いなく楽園と呼べるかね?」
レミュアン「60年間浮世を離れて生きた人たちが、安息の地を作り上げたのよ?これを楽園と呼ばないなら、どんな場所が楽園と呼べるのかしら」
アウルス「終わりなき飢えと寒さへ抗い続ける暮らしであってもかね?」
レミュアン「確かに物資はない。けど終わりがないわけじゃないでしょう」
アウルス「一部を捨ててラテラーノへと向かう、という終わりかな?」
レミュアン「……そうなってしまったのは、誰のせいでもないわ」
アウルス「責めている訳ではない。私は "人と人との違いは一体何なのか" と考え続けている。我々の間を隔てているのは、何なのか?」
アウルス「個々が異なる要素に影響を受けて思考し、異なる結論を出すのなら……所謂 "相互理解" というものは本当に存在するのだろうか?」
レミュアン「あなた、サンクタに対して本気でそんなことを訊いてるの?」
レミュアン「来世でサンクタに生まれ変わって、自分で確認してみれば?」
これは事実です
サルカズの集落へと訪れたフェデリコたち。
眠気と空腹、おうちに帰りたい、ママに会いたいと思いを洩らす子供たち。
疑問に思ったジェラルドは「ずっと何も食ってないのか……?」と訊く。
子供たちは「ママは食べなくてもお腹が空かない」と、「でもぼくたちは今日何も食べていないけど、お腹が空いてすごく辛い」と話す。
「何も食べないと辛くなるのは、普通のことなの?」「じゃあママはずっと辛かったってこと……?」と訊く子供たちに対し、
フェデリコが「その通りです」と返した事で、子供たちは泣いてしまう。
「時には事実を口にしない方が良いことだってあるんだ」とジェラルド。
少し思いつめるフェデリコ。
「……ママは、今も苦しんでるの?」と訊かれたフェデリコは少し言い淀み、誠実に「母親の現在の状態は、私にはわかりません」と言う。
しかし今度は身を屈め、子供たちの両目を同じ高さで見据え、執行人としての務めを述べると共に「私が母親を見つけ出しましょう」と話す。
そのさまにジェラルドは驚きを見せつつも、なら子供たちは任せてくれとライムントに預ける。
「怖いお兄ちゃんだ……」「お前らなぁ……!」「ふはははっ!」「旦那!」
子供たちはフェデリコに挨拶を告げ、今は外に出ている「ハイマン」というサルカズ住民の家へと送り届けられた。
司教が直面している苦難
要約:
ラテラーノに居た頃、私は滅多に祈りを捧げることなどなかった。
周囲の環境から影響を受けていた為、物事への必要性を見出せなかった。
ラテラーノには全ての人が求める物がある。聖都の祝福がある。
それはどこにでもあり……サンクタは、そのことをよく理解している。
「私はかつて、誰であれ力を尽くし救いの声に答えると誓いを立てました」
「ですが、私はそれを破ったのです」
「救いに応えられず、物資を理由に引き留める事も叶いません」
「中立として判断可能な立ち位置で、選択しなければならないのです」
「……私は幾度となく選択してきた。しかし選択自体が誤っていた」
「多数の為に少数を犠牲とする過ちに耐え切れない。私にはもう無理だ」
「何ゆえ、我が故郷のラテラーノだけが楽園足り得るのだ?」
「もし己の信念を成す為、己が受けた教えに背かねばならないのなら……」
「異教の力を借りる事でしか、障害を取り除けないとしたら……」
「……まもなく答えが出るだろう。どうか私の罪をお許しください……」
リケーレ「おおっと」ガタッ
司教「誰ェ」
自らの「懺悔」を聞かれていた司教。
そんなことはどうでもいいと、燃えた聖堂から漂う臭いを訪ねるリケーレ。
助燃性物質の臭いは、ある銃工場産の焼夷弾に込められたものだった。
だが修道院の住民は、そうした兵器を解体する方法を存じていると言う。
しかし放火をそそのかした件に関しては、反論する気は無いと司教は話す。
「ともかくゆっくり話し合いましょうよ」と提案するリケーレに対し、司教は馬鹿らしいと提案を一蹴、七年前の選択を話し始める。
要約:
司教「ある難民がこの修道院へと助けを求めた。だが私は拒否した」
司教「彼らは這いずるようにして荒野の奥深くへと消えていった」
司教「それが最初ではない。だが、こんな事は最後にしようと主に誓った」
司教「執行人よ、私の信念は間違っているか?」
リケーレ「いえ、もちろん正しいと思います。辛い気持ちも理解できます」
リケーレ「ラテラーノが及ばないことはあり、法もまた完璧ではない、と」
司教「あなたは……」
リケーレ「俺には考える頭があるので、自然と疑問も生まれます」
リケーレ「しかしそれでも、今のラテラーノは素晴らしい場所なんです」
司教「……貴方にとってのラテラーノは、私にとってのこの場所と同じだ」
司教「言葉を交わす必要はあるまい。――お引き取り願おう」
世間で言う所のサルカズ
家にあがり、開口一声「子供たちを知っていますね?」と訊くフェデリコ。
真っ直ぐ、ずかずかと踏み込んでくるフェデリコをあしらうジェラルド。
ジェラルドたちサルカズがこの地を離れるべき理由の説明と共に、サルカズが住民に受け入れられた理由、ラテラーノの介入によってそのアドバンテージが損なわれた現状を、淡々と合理的に説明するフェデリコ。
合理性を評価すると共に、サルカズとしての不合理を振り返るジェラルド。蝋燭の灯りに映され、ぼんやりと揺れる二人の影に違いは見いだせない。
普通の生活を送れる事自体想像もしなかった、とジェラルドは話す。
そんな日々を手放す理由は「いずれ衝突する事態を防ぐ」為だと言う。
「今はいがみ合い、責め合ってるだけだが、これから先はどうなる?」
今去れば、まだ懐かしむべき仲間とか、惜しむべき友人として在れる。
だがもし、離れたくないと感情に身を任せ、決断を先延ばしにしたら?
何処へ行っても争いばかり、忌み嫌われ、行くべき場所も変えるべき場所も持たない流浪者の集団に、世間で言う「サルカズ」へと身を落とす。
「俺たちが、本当の意味で居場所を持ったことなど今まであったか?」
続けて子供たちの事を話す。推測に過ぎないが、外から流れ着いた子だと。
「ハイマン」というサルカズが、その子たちを匿っていた。
しかしハイマンは狩猟へ向かった後音沙汰無く、失踪してしまったと言う。
だがフェデリコは失踪を否定した。
「秘密裏に児童を養っていたハイマンさんは、二人が外出する事を許さなかったはずです。子供たちが聖堂に現れたのは偶然ではありません」
「……つまり、誰かがあの子たちを連れ出したってことか」
「ハイマンさんの家はどこです?行って確かめる必要があります」
母親の愛
レミュアンから逃れた怪物は、何故か子供たちが寝る家へと向かった。
空腹を満たす為に動き回った怪物は、子供たちを見るなり尻尾を差し出す。
「布団をちゃんと、寒いからかけなさい」たどたどしく人語を喋ったのだ。
子供たちに別れを告げた後、執行人フェデリコと鉢合わせてしまう。
フェデリコの観察では意志疎通が可能な様子ではあったが、変異そのものの性質が不明である上危険度は未知数と判断。
規定に則り排除を試みるが、怪物は反抗の意志も生存意欲も見せない。
せめてもの慈悲か、フェデリコは苦痛無き殺害を試みる。
遅れてやってきたジェラルドは、すかさずフェデリコの静止に入る。
自分の目で見るまで「怪物がハイマンではない」と信じていた旨を話す。
そんなジェラルドに「公務執行妨害です」と警告するフェデリコだが、「いつでも排除して構わない。だがハイマンは傷つけさせられない」と言う。
フェデリコを納得させられる理由は組み立てられないが、しかし「ママを見つけてくれる」と期待した子供たちを裏切るなと話す。
ジェラルド「どうかやめてくれ、執行人」
ジェラルド「きちんと結論を出すまで、手を下すのはやめにしないか」
事実を知るライムント
用事を済ませたライムントは、クレマンと鉢合わせる。
そういえばとフォルトゥナ達との約束を思い出し、居場所を訊く。
だが返ってきた返答は……
かの "罪人" (HE-6)
ジェラルドの正体
ハイマンの件を、子供たちにどう知らせるつもりかを訊くジェラルド。
だがフェデリコは「彼らには知る権利があります」と言う。
信頼、理解の表れか、ジェラルドは「フェデリコ」呼びを為したうえ、伝えるかどうかの最終決定はフェデリコへと任せることにした。
フェデリコは、子供たちが被る布に注目する。
その模様はラテラーノでよく見かける模様だと話す。
次に、簡素な木机に乗った陶土の花瓶へと注目する。
その花は枯れていた。だがハイマンにこうした趣味はないと聞く。
少し思いつめた後「直ちに聖堂まで戻る必要がある」とフェデリコは言う。
続けて、サルカズに関する問題への判断に必要な情報が集まったとも話す。
これに関してか、ジェラルドとオレン特使との交流の有無を訊く。
ジェラルド曰く「そこまでの会話をした覚えもないな」との事。
フェデリコは「ジェラルド」という名前に対する認識を述べる。
たとえ十年用いてきた名前であろうが、猟師であろうが問題はない。
フェデリコ「私がその情報を得られたということは、他の方々にも調べがつくということです」
フェデリコ「これは最後の警告になります――」
フェデリコ「ジェラルドさん、あなたの正体はすでに暴かれています」
フォルトゥナとライムント
フォルトゥナを見張るスプリア。
寝付けない緊張をほぐす為か、他愛もない会話を交わす二人。
そんな中、部屋の外から物音が聞こえてくる。
物音の正体はオレンだった。スプリアに準備ができているかを確認する。
予定通りなら、夜明け前に動くとの事……
一方で、今度は部屋の中から異音が聞こえてくる。
ライムントがフォルトゥナを連れ出しに来た音だった。
ハイマンとオレンに関する情報共有
家から出てくるフェデリコを待っていたレミュアン。
フェデリコがジェラルドへ「脅し文句」を伝えた事に驚いたと話す。
しかしフェデリコにその意図は無く「正確な判断の為に正確な情報(実情)をお話しただけです」と答える。
フェデリコの行動或いは考えに、とりあえずの理解を示すレミュアン。
レミュアン「人というのは一番予測しがたい生き物よ」
レミュアン「自分の考えすらわからないこともよくあるし、行動と考えが一致しないことも珍しくないわ……」
レミュアン「私の経験上、事態は往々にして "最も合理的" な方向には進まないものよ」
レミュアン「一先ず、情報交換の必要があるわ」
二人が遭遇した怪物は失踪したハイマンという名のサルカズだった。
彼女は僅かに理性を取り戻し、コミュニケ―ションも可能な進化を遂げた。
こうした問題は、イベリアの裁判所との協力を要する厄介な問題である。
これからどうするかを訊かれたフェデリコは、聖堂を調べたいと言う。
聖堂で起きた不審な火災、そして陶土の花瓶に刺された花。
一先ずは、助燃性物質を探し出す必要があると話す。
懸命な努力が希望を結ばない場所
司教との交渉を後にしたリケーレは、現状を振り返る。
サルカズ、堕天、狂った司教。フェデリコという存在にも少し。
中でも万一の為だと、司教の調査をオレンにあおぐ。
「だってよ、誰もが懸命に努力してるのに、それでも何の希望もないなんで、そんな場所があるか?」
予定変更
ジェラルドは即座に、サルカズ住民たちへと予定変更の旨を伝えた。
想定外の事態、先遣隊からは音沙汰無し、キナ臭い状況だと住民は知る。
彼と長年の関わりを持つと思しきこの住民は、ジェラルドの異変に気付く。
それもそのはず、腰のナイフへと無意識に手を伸ばしていたのだ。
そんな傭兵の頃のジェラルドが直感を持ち出し、悪い予感の旨を伝える。
過去に直感を持ち出した時は、理想の地で平穏に暮らすと話していた。
前回、彼らを率いこの修道院を見つけ出したのは事実だ、とも語る。
サルカズ住民が戻った後、ジェラルドは亡きエイリーンを思い出す。
ひとしきり語りかけるように気持ちを吐き出すジェラルド。
そんな中「伝えておくべき事がある」と、クレマンが家に入ってきた。
デルフィナの事件をライムントに知らせてしまったと話すクレマン。
ライムントはフォルトゥナを連れ戻しに向かったと言う。
監視役のラテラーノ人がそんな行為を許すはずがないと、ジェラルドは報告に感謝しライムントを探しに行くと話す。
クレマンはジェラルドたちに対し、一刻も早く出立すべきと伝える。
そう語るクレマンの顔色は悪く、深刻そうな面持ちを示している。
随分と思いつめているクレマンに対し、落ち着くように促そうとした時、サルカズ住民が駆けつけてくる。
曰く「修道院方面へ接近中の、サンクタ部隊が現れた」との事。
奴らは見逃すつもりなど無く、もうすぐ俺たちは包囲される。
その報告を聞いたジェラルドは、冷静にナイフを抜き、力を込める。
ジェラルド「この十年間で、今日ほど心が落ち着いている日はない」
ジェラルド「血を流すことでしか終わらせることができないと言うなら、俺にできることは一つしかない」
ジェラルド「心配はいらないさ。サルカズの血が無駄になることはない」
気が変わったフォルトゥナ
半ば強引にフォルトゥナを連れ出したライムント。
しかしフォルトゥナは、自らの意志でラテラーノへ向かうと話す。
それは自らが受けるべき報いであり、逃げ出すわけにはいかないと言う。
「単なる事故」かもしれないが、それでもデルフィナは目を開かない。
彼女は二度と喋らない。事故とは言え、自ら殺めてしまったと捲し立てる。
ライムントは動転するフォルトゥナへと冷静に向き合い、深呼吸を促す。
平静を取り戻したフォルトゥナは、どうしたらいいか分からないと話す。
自らの罪に向き合いつつ、ラテラーノの応対に関しても前向きに考える。
だがライムントは「このまま放っておけない」と、言いかけたその時、スプリアとオレンが現れる。
リケーレまでもを寝返らせた事実に気付かなかったと話すスプリア。
オレン曰く「あいつは自分に利のあることしかしないタイプだ」「自己保身って点に関しては、俺よりあいつの方が一枚上手かも……」と語る。
そんな中唐突に「誰かに見られてないか?」とスプリアに訊き返す。
適当にはぐらかすスプリアに対し、何者かの盗み聞きを疑うオレン。
続けて「そういえば堕天使の女の子はどうした?」と狙ったように訊く。
話を逸らすなと、計画の話を進めるスプリア。
計画を早めるオレンに対し約束が異なると言い、理由を訊く。
「お前にはどうでもいい」と暈かされるが、計画を人質にとられるオレン。
そもそも隠密作戦であり、フェデリコにも計画はバレている。
とはいえ深入りされなければ問題にはならないと話している最中、当のフェデリコから「オレンを連れてこい」との通信が入る。
司教はサルカズの為、ラテラーノの使者を勾留するまでやってのけた。
だが追い詰められ、挙句「最後の別れ」を行うらしい。何のために?
その上、訳ありサルカズに加え、暗がりに潜む「客人」も動いている。
修道院の接収を急ぐ理由は、こうした嫌な予感を潰す為だと遂に説明した。
これら一連の会話を聞いたフォルトゥナは、騙されたと思い至る。
深呼吸を挟み、フォルトゥナはライムントへ着いていくことを決心する。
オレンの意図
フェデリコ、レミュアンと合流したリケーレ。
何気なく合流した彼だが、何故だか二人の応対が冷たい様子で……?
スプリアとオレンが合流してすぐ、レミュアンはオレンの計画を否定する。
フェデリコは、オレン自らに単独行動の必要性を弁解するよう促す。
スプリアがフォルトゥナ達を敢えて見逃した一件を挟んでから、オレンは弁解を始める。
曰く、「チンタラしたやり方に嫌気がさしている」との事。
随分と時間を無駄にしている現状、抜かりなく迅速に仕事を片付けるべき。
サルカズが聖堂を燃やした。こうした理由を取り付け特殊部隊を動員した。
誰が燃やしたかを探るより、修道院を接収し仕事を片付けた方が効率的だ。
たとえ住民たちが反抗しようとも、相手はサルカズなんだぞ?と語る。
――と、その時。ホールの扉を叩く音がこだました。
【閲覧注意】ジェラルドの選択
残酷な描写が含まれます
(モザイク加工済)
扉の向こうには、クレマンが居た。
「ある人がフェデリコへ "これ" を渡してほしいと頼まれた」と話す。
かつて、ある人物が背中に忍ばせていた、一本のナイフ。
その隣には、布に包まれた物体があった。下部は赤に染まっている。
クレマン「かの "罪人" は、すべての悪事が自分一人の手によるものであると……あらゆる罪を彼一人が引き受けることを、認めました」
クレマン「今や諸悪の根源は立たれ、残っているのは取るに足らない難民たちの集団だけです……」
クレマン「ラテラーノの使者のみなさん、どうか……どうかこれで情けをかけてはいただけませんか。これ以上の追及を、やめていただけませんか」
クレマン「フェデリコさん、彼は――ジェラルドは、あなたにこう伝えてほしいと言い残し、旅立っていきました……」
クレマン「どうか、指名手配犯ホルストの首と武器を引き換えに……」
クレマン「フォルトゥナやライムント、そして……」
クレマン「他のサルカズたちのことは、見逃してやってほしいと」
奇跡への向き合い方(HE-ST-2)
血を流し過ぎたサルカズ
(ジェラルドが決断に至るまでのやり取り)
遠い昔。
死闘を繰り広げた後の夜、ジェラルドはいつも空を見上げて一息つく。
自分と同じく汚れや傷の目立つ仲間たちを見ながら、夢に思い馳せた。
サルカズが「幸せな人生」を送るなど、本当にできるのだろうか?
サルカズが再び故郷を持つ日、殿下の描く理想の未来図。
彼らはあまりに多くの血を流しすぎた。このままでは尽きてしまうだろう。
ゆえにジェラルドは全てを捨て去った。仲間を連れて立ち去ったのだ。
名前も素性も隠した彼らは、遂に安住の地を見つけた。
この地で普通の人と何ら変わりなく、平穏な暮らしを送った。
しかし一体いつから、苦渋に満ちた暮らしに変わってしまったのだろう?
誰もがそのままの状態を保とうと努め、粗末にする者などいないにも関わらず、それでもそれは腐っていくのだ。
ジェラルド「クレマン、もういい。俺は逃げられないし、逃げない」
ジェラルド「俺が生きている限り、他の皆に手を出す口実となる」
ジェラルド「俺の首と引き換えに皆が生き残るなら、願ったり叶ったりだ」
ジェラルド「……最後に……ステファノに伝えてくれ」
ジェラルド「俺たちはここに立ち寄り、留まろうとすべきじゃなかった」
ジェラルド「この場所は俺たちサルカズにとって、理想的過ぎたんだ……」
ジェラルド「長い間ここで共に過ごしてきた日々は、全て夢のようだった。だがいつかは現実に向き合わなきゃいけない」
ジェラルド「伝えてほしい。――ありがとう。そして、すまなかったと」
ジェラルド「後のことは頼んだぞ、クレマン」
ジェラルド「結局、俺は……果たして猟師なのか?変わらず傭兵なのか?」
茎は折れ、花弁が炙られた花
「昨日から今日にかけ、たくさんの事が起きた」
「この夜は本当に長かった」そうは思いませんか?と訊くクレマン。
彼は燃え尽きた聖堂内で、ジェラルドの為にと花を探していた。
「昨夜の大火事で全て焼け落ちてしまい、何も残ってはいないようです」
「花が欲しいだけなら、ここで探さなくとも」と話すフェデリコ。
「ここの花は特別なんですよ」と語るクレマン。
花はラテラーノとイベリアが手を結んだ証、友情と希望の象徴だと言う。
あの頃の修道院には花々が咲き乱れ、開花期にもなると埋め尽くされる。
そうした光景が、恐れていたサルカズとの関係をぐっと深めたのだ。
残忍で好戦的など聞いたサルカズも、花畑を通りかかると花を眺めたり、咲いている花を少し摘んで持ち帰っては飾ったりするのだと、皆が気付いた。
彼らは我々と何一つ変わらない。凶悪な命知らずなどではない、と。
フェデリコが、崩れた聖像の下に在る花の存在をクレマンへと伝える。
だがクレマンは、それは自らが求めている花ではないと言う。
茎は折れて、花びらも炎に炙られ、全身が傷だらけであると。
「ですが、あれはまだそこにあります」と返すフェデリコに対し、「本当にそうでしょうか?」とクレマンは言う。
雨風に打たれようとも決してくじけず、どんな危険も恐れない。
そんなものがどこかに存在すると、本当に心の底から信じていた、と話す。
あの頃は楽な暮らしと言えないが、全てうまくいっているように見えた。
余裕がある時には、ニーナおばさんがハイマンと共に、子供たちにハーブピッツェルを作ってあげていた。
ラテラーノから持ち込んだレシピに倣い、サルカズが栽培したハーブを使って作ったスイーツ。
皆がとても大好きな、この修道院だけのお菓子を。
ニーナおばさんはいつも言っていた。
「私たち大人が苦しむのは仕方ない。だけど子供たちが "苦い" 味しか知らないのはダメなんだ」と。
「子供たちは "甘さ" がどういうものか知らなくちゃいけない」と。
今となっては甘さを忘れて久しく、ピッツェルを作ろうとする人も居ない。
そしてフェデリコを名指しで、自ら不思議に思う事を話す。
「もしサンクタが特別でなかったとしたら」「ラテラーノの人々が私と同じく、平凡で、普通で、取るに足らない人たちばかりだとしたら」
「かの聖都は、今も同じ姿で在り続けたでしょうか?」「ラテラーノは、ラテラーノのままでいられたのでしょうか?」
分からない、と答えるフェデリコ。
「クレマンさん、あなたは……もう、信じていない――」
「いえ、考えを改めたのですか?」と聞き返す。
「私はただ、現実と向き合わざるを得なかっただけ」と答えるクレマン。
「大抵の物事は、試練によって傷ついてしまう程度のものでしかない」
「そして一度でも傷付き、異物が混ざれば……元の姿に戻せなくなる」
「たとえ目立たぬ小さな傷跡だとしても、治すことは叶わない」
「フェデリコさん、あなたが見つけたその花のように」
「ここにはもう、私が求める花はなくなってしまったようです」
そうして聖堂を後にするクレマン。
「花はここにある。なのに求める花ではない?二度と直せない傷跡……」
「ラテラーノが、ラテラーノのままでいられるか……?」
ふと気が付く。クレマンの表情があまりにも平静すぎたことに。
ジェラルドの死、他のサルカズたちへの対応についても触れなかった。
では自分は?
行動を伴わない言葉には何の説得力もない。
だから「真相を見つけ出す」「ジェラルドの願いを叶える」とは言わない。
そうして花を見つめるフェデリコは、ある予感を覚える。
「いつの日か、自ら抱く疑問の答えがこの花から得られるだろう」と。
無知で純粋な子供たち
それぞれの主張と判断(HE-7)
最後の聖餐
礼拝堂掃除当番の住民とあいさつを交わす司教。
聖餐の配膳を行う中、「とても良い香りです」と話す住民。
「香りのする方へと進んでいけば、どこかへ辿り着けるような……」
その正体は、食用のフラワーパウダーだと言う。
小麦粉が足りない為に、原料の三分の一に用いたパンを、聖餐で食べると。
備蓄は底を尽いた。だから聖餐の量を半分に、混ぜ物も入れたと話す。
明日には皆救われるのですか?と訊く住民。
サンクタもサルカズも、修道院の全員が救われるのか。
だとしても、ジェラルドはもう……
そんな住民を、司教は「顔を洗ってこい」と帰す。
司教「そうとも。我らは皆、必ずや救いを得るだろう」
うつむく彼の表情は、判然としなかった。
一方リケーレは、聖餐の準備をする場所に居た。
何を探しに来たのか、捜索を続ける中で何かを見つけてしまう。
「敬虔な司教が必死に抗った挙句、残された道がこれだけだった……?」
アルトリアの主張
倒壊した聖堂内に足を踏み入れるアルトリア。
床に倒れ伏した聖像を一瞥し、何もない場所を見つめて語り始める。
「人は皆もがき苦しみながら、繰り返し自らをいためつけては慰める」
「そして決心を固めた直後、脱力にも似た虚無感を伴い意志を成す」
「感情は複雑だけれど、感情の変化というのは常に似ているもの」
伝わってきた誰かの冷静さから、その者が選択したことを知る。
それは奏でるべきものであり、最後には自分の心の声を聞くべきだと言う。
行き惑う、満たされた魂へと向けて。
オレンの主張
自らの計画を進めるオレン。その姿勢に疑いを見せるスプリア。
そこへ現れた、真剣な表情をするレミュアン。
特殊部隊を動員し、修道院のサルカズを掃討するオレンを止めにきた。
貴重な善良さを保っていたここの住人と、救援に来たラテラーノ人……
そしてジェラルドは命を賭して、双方の和平を保とうとした。
けれどそこに野獣を招いてしまったらどうなるのか?とレミュアンは訊く。
綺麗事をほざきながら体裁の良い仕事をしたいもんだ、とオレンは話す。
ロンディニウムが戦火に呑まれ、暗雲覆われる中で難民たちは走り抜ける。
サルカズはその地ヴィクトリアを軸に恐怖を撒き散らし、広げ続けている。
何故ラテラーノがサルカズに情けをかけてはならないのか?
それはラテラーノが築き上げた各国との友好関係を容易く破る姿勢だから。
サルカズはサルカズが故、またアルトリアのアーツの影響まで受けている。
一旦見逃してやれば、いずれあらゆる手段を尽くし報復を試みるだろう。
その上、この修道院のサルカズ仲良し事実が外部へ漏れたらどうなる?
ラテラーノはどうやって、各国に対して自らの神聖さを証明すれば良い?
辛うじて築き上げた外交関係を、どうやって維持していくんだ?
戦火に破壊し尽くされた後、聖都は一体どうなる?
オレンは捲し立てるように説得を試みる。
「けどあなたが解決と呼ぶそれは、ただの虐殺になるわ」とレミュアン。
ラテラーノとしての神聖さを語りながら自ら汚すなんて、滑稽だと言う。
オレンはかつて「沈黙のレミュアン」と呼ばれていた過去を持ち出す。
知る限り、この手の問題を少しのためらいも無く片付ける奴だと話す。
昏睡中に性格まで変わったのか?昏睡させられた「殉教者」のせいか?
――と名前を口にしようとした瞬間、狙撃銃の銃口がオレンにめり込む。
スプリア「…… "沈黙のレミュアン" ね。だから怖いって言ったのに。」
ライムントの判断
フォルトゥナを安全な場所まで連れて行こうとするライムント。
ラテラーノ人が修道院を接収する前に、修道院を脱しようと動く。
そんな中、ライムントの調子が悪そうだと気を遣うフォルトゥナ。
さっきは先導してもらったから、今度は私が先導すると引っ張る。
順調に正門へと辿り着き、扉を開けると――
ラテラーノ軍が居た。
聖餐の儀式
掃除当番の住民とまた出会い、サルカズ住民たちとも会話を交わす。
聖餐の儀式を始めると、住民の皆を着席させる司教。
我らを含め世間一般が抱く、サンクタとサルカズの関係は次の通りだ。
法と野蛮、秩序と暴力、平和と戦争、天使と悪魔……
光輪に角に、際立った身体的特徴を持つ我々は、人目を惹く集団だ。
しかし幾千日我々は共に生きてきた。今日もこうして聖餐を共にしている。
軋轢が無かったわけではない。だが互いを受け入れようと試みた。
互いの名を知り、習慣を理解している。食料を分かち、互いを守る。
しかし長い夜を耐え忍んだ我らも、早暁の寒さには耐えられなかった。
ラテラーノの特使、執行人、異郷の使者。
彼らは新たな希望と、苦痛を伴う選択肢をもたらした。
柱梁は炎の中に崩れ落ち、尊敬すべき兄弟は衝突の中で命を落とした。
この私、ステファノ・トレグロッサは最善の結末を求めている。
それが例え確証の無い答えだとしても。各位、どうか許していただきたい。
アンブロシウス修道院は決して楽園ではない。我らの「故郷」なのだ。
フェデリコによる警告
「お前の怒りがはっきり伝わってくるよ……」と話すオレン。
だがそんなレミュアンの考えや行動動機は、ラテラーノ人としてのもの。
俺の目的はラテラーノをラテラーノ足らしめる合理性を維持すること。
だから感情的な考えは捨てろ、これは対立なんかじゃないと言う。
しかしレミュアンは「目の前の虐殺をただ眺めるつもりはない」と言う。
オレンを制圧した上、特殊部隊を片付けることすら厭わない姿勢を見せる。
そこでオレンが「なら撃ってみろ」と言わんばかりに話した所、「試してみる?」とレミュアンは返す。焦るスプリア。
突如として轟音が鳴り響く。ほどなくして、続けざまに轟音が二回。
「発砲音によって警告します。直ちに無意味な争いを停止してください」
「私に貴方方の立場を理解する義務はありません。衝突や調停も同様です」「両者間に対立がないにも関わらず争いを避けられないのなら……」
「共感能力を所持する集団であっても崩壊の危険性を孕むのなら……」
「私が秩序を司りましょう」
「オレン、今すぐ部隊を一キロ後退、待機を命じてください」
「レミュアン、スプリア。住民を安定させ、事態悪化の防止を任せます」
「任務完了後、礼拝堂へ集まってください。既にリケーレが調査中です」
「私の方も、一連の事件の背後に潜む人物を探し出してみせます」
オレン「……」
スプリア「……」
レミュアン「……」
フェデリコ「それでは、行動開始」
凡人とは何なのか?(HE-8)
司教の選択
(司教の回想)
聖餐を準備する司教の傍ら、旋律を奏でるアルトリア。
アルトリア当人のことと、その音楽が分からないと話す司教。
同じサンクタであるはずなのに、共感を試みた所で何も感じないと言う。
「私は自分の思うがまま、自由に演奏しているだけです」「私の音楽は単なる鏡に過ぎません」とアルトリアは話す。
何か引っ掛かる所があったのか、司教は冷笑気味に聞き流そうとする。
修道院に音楽が響いていた頃、彼は白髪の一本も見当たらぬ程に若かった。
かつての年老いた司教は、若き修道士であったステファノへ修道院を託す。
「皆を楽園の中で過ごさせてあげなさい」
一体どうすれば、人々を楽園で過ごさせることができるのか?
皿を持つ老齢の司教は、その両手を震えさせていた。
チェロの音色は、ずっと、ずっと、こだまし続けている。そして――
彼はふっ、と手を緩めた。
アルトリア「……ああ。なんて痛ましいのでしょう」
アルトリア「それがあなたの選択なのですね」
礼拝堂前、リケーレと合流したオレン。
両者の認識では、この聖餐によって化け物が生まれるらしい。
フェデリコは別件、レミュアンとスプリアは調査に向かっている最中、二人は一番面倒な仕事を片付けようと、礼拝堂へ進む。
「いずこに身を置こうとも、如何なる状況に相対しようとも、我々はお互いに尊敬し合い、愛し合うべきだ――」
皿はすでに空、住民を抑えに動くリケーレ。司教は悠々と待ち構えている。
だが司教はすでに決断を下していた。皆を救う望みを捨てたと言う。
「アンブロシウス修道院をラテラーノへ返還することに同意する」
住民たちに変異が起きた形跡は見られないと報告するリケーレ。
司教自らが説明する。「確かに私は自ら、怪物の血肉をパンに混ぜ込んだ」
「そのパンは施錠された棚に仕舞われている。住民が手を出さぬようにな」
現場へ向かったレミュアンへと報告するオレン。
だが既に棚は壊され、中身が抜き取られていると話すレミュアン。
現場の状況は司教の説明と一致しており、発言は本当だと説明する。
ここでレミュアンは気付く。絶望した人間は一人だけではなかったと。
ジェラルドは何故「フォルトゥナが堕天した」事実を知っていたのか?
フォルトゥナの事件で、ショックを受けた人はどれだけ居たか?
聖堂の火事は一体何だったのか?
皆の為に行動する司教が、どうして怪物の血肉を混ぜ込もうとしたのか?
スプリア「……フォルトゥナが入ってきた時、その場にもう一人いたよね」
クレマン・デュボワの選択
聖堂へと向かったフェデリコは、アルトリアと鉢合わせる。
自らの意志で優先度を定めたフェデリコの決定に、少しの驚きを見せる。
黙るフェデリコに話を続けるアルトリア。
いつもと様子が異なるフェデリコを「躊躇っているの?」と訊きかける。
悲しみ、苦しみ、猜疑心、嫉妬、絶望。交じり合った旋律は心を揺さぶる。
常人とは異なるあなたは、脳内で躍動する音符が存在するのかしら?
そうした発言を評価し、アルトリア拘束の優先度を下げるフェデリコ。
優先的に処理すべき事項を、クレマンの拘束へと向ける。
「私は司教の選択を尊重しています」と語るクレマン。
誰もが尊敬し、敬愛する司教なのだから。司教の庇護下にあるのだから。
「想像してみてください」と、フェデリコへ促す。
様々な理由により都市を追い出され、荒野を徘徊する中で死を覚悟した時。
飢えに苦しむ中、この荒野からは永久に抜け出せないのではと絶望した時。
心が折れかけながらも、丘を越え岩を跨ぎ峡谷を越えたその瞬間――
城のような建物が見えた。中の人は食事を、屋根の下での生活を与えた。
例え酷く貧しい環境であれ、荒野で死ぬことはない。受け入れられたのだ。
「だからこそあなた方の一部は、ここを "楽園" と呼ぶのですね」
しかし「楽園」などまやかしに過ぎないと話を続けるクレマン。
そうした平穏は、あなたたちがやってくるように破られるものだから。
周囲のサルカズの友人が鉱石病を発症し消えていることに気が付いた。
捜索の末、聖堂地下にある訓練室にて彼女を見つけ出した。
重篤な末期患者はそこへ送られることになっていた、と知る。
そうした苦痛を見えない場所に隠し、顔を背け耳を塞ぐ。
病気の人は、周りに迷惑をかけずに荒野で孤独に死を待てとでも?
元より我々は他人を救えないし、我々を救える者もいないのだから。
勿論、ここの生活はあなたたちによって破壊されたわけではありません。
枯れる時期になれば変わり果てる花のように、なるべくして変わっただけ。
そんなクレマンを、アルトリアの影響を受けていると指摘するフェデリコ。
彼女が奏でるチェロを聞いていると、よく思い出が蘇ると話すクレマン。
だがそんな彼女が我々の意志に介入し、変わって選択を行うことは無い。
何故なら彼女は、我々の悩みや苦しみを手慰みとしているから、と言う。
フェデリコが危険物を検知する。
修道院の血か全体に大量の可燃物が貯蔵されている、と言う。
それを「一つの未来の選択肢なんです」と話すクレマン。
修道院の平穏な生活が終わりを迎え、飢えと荒野をさすらうくらいなら……
恐怖が人を追い詰めて、取り返しの無い事態へ行き着いてしまうのなら……
「私が全てを終わらせます」と話す。
余計な警告を発さず、公務に則り起爆装置を破壊するフェデリコ。
自らを殺さないフェデリコに対し、クレマンは疑問を抱く。
「法に則れば、あなたの行為に死刑判決は下されません」と答える。
普段なら法は拘束力を持つが、混乱の最中には姿を消してしまう。
我々にとって一番必要な時に、姿を消してしまうものなのです。
私に聴こえてくるのは、アルトリアさんのチェロの音色だけ……
クレマン「フェデリコさん、私を救おうとするのはラテラーノの法でしょうか……それともあなた自身でしょうか?」
【閲覧注意】救済者など存在しない
死人が出ます
(クレマンの回想?)
私たちは、人生に対し何かしら憧れを抱くものです。
もし人生に期待や憧れが無いなら、何故我々はこの世に生まれ落ちるのか?
だが子供たちは、そんなおかしな疑問に頭を悩ませることなどない。
幼少期、少年期、青年期。能天気な当時の悩みなど些細なものでしかない。
そうした時期では、有り余る力で行動し、より良い人生へ至ろうとします。
私たちはかくも誠実に、懸命に生きています。
物事がより良い方向に変わるべきなのは、当然ではないのでしょうか?
私はいつからか、未来への憧れを抱くだけの気力を失ってしまった。
私の人生には徐々に終わりが見え始め……希望は消え失せてしまった。
山の上から止まることなく、下へ下へと転がり落ちる岩のように。
そう、止まるのは粉々に砕け散る時です。
聖堂の構造が不安定となっている中、花を探すボロボロなクレマン。
「ここに求める花は無くなったと言いましたね」を確認するフェデリコ。
「それでも本当に、全て死んでしまったかを確かめたい」と言うクレマン。
幸運にも、救えるものはただの一輪もないのだろうか?
自ら植えた花は「友情」と「希望」を象徴していると話すクレマン。
しかし人々はそれを知らず、開花期を気にする者はもう誰も居ない。
一番大切なことを、彼らは忘れてしまった。
こんなに長い間、共に暮らしてきたのに。
「困難な時ほど互いに寄り添い合うべき」という司教の言葉を信じていた。サルカズだからとライムントの放火を疑う住民から顔を背けられなかった。
混乱が起こるだけで秩序は崩壊する。混乱に陥れば人は傷つけ合う……
人と人とは理解し合えないのか?……私にはもう耐えられません。
おぼつかない足取りのまま、崩れた聖像の前まで歩く。
そこに探し求めた花は無く、数切れのパンが乗った古い木皿が在る。
奇妙な匂いを放つパンを、口に入れて咀嚼する。
懺悔に向かおうとした際に、司教の計画を偶然耳にしたと話すクレマン。
せめてジェラルドたちだけでも巻き込まれずに……どうしてあんなことに?
延命を望まず、変異を試みるクレマンに対し、フェデリコは質問を投げる。
「この世に我々を救えるものなど果たして存在し得るのか?」
その答えが知りたいだけだと答えるクレマン。
目の前の人物を阻止しなければならない、だがフェデリコは動けなかった。
アルトリアが、数歩先で演奏を始める。
演奏に秘められた感情は理解できないし、理解を試みたこともない。
だが執行人は、この時初めて自分の行動を掌握できずにいた。
彼は自分自身が分からなくなり始めていた。
何故、相手を目にしたその時に拘束しなかったのか?
何故、目の前の男は変異せず、未だ何も起こらないのだろう?
クレマン「はっ……ははっ……何も起こらないじゃないか……」
クレマン「結局これさえも偽物だったという訳ですか……」
クレマン「司教は騙されたんですね。神など、そもそも存在しなかったんだ……」
悪化が続けば、ショック症状でそのまま死亡してしまうと告げられる。
「それも悪くない」と答えるクレマン。
遺したい言葉があるなら、力になろうと告げられる。
「何も、遺したい言葉などありません」と答えるクレマン。
人の感性
その一部始終を、後の余韻を、弦の振動で残響を感じるアルトリア。
元は凡人に過ぎなかった人間が、己の命を賭して一つのことを証明した。
――救済者など存在しないのだ、ということを。
彼の堅固な精神は、変異しつつある肉体に打ち勝った。
揺るぎなさと自由さを併せ持った、美しき人間の精神。
人々は彼の感情を理解し、意志を褒め称え、勇気を賛美する。
クレマン・デュポワの名は皆の心に刻み込まれることになる。
「――そうは思わないかしら、フェデリコ?」
クレマンの優先順位を繰り上げる程、気にかけていたフェデリコに対し「ついに憐憫の感情を覚えたの?」と訊くアルトリア。
「あなたのアーツは再び他者の死を引き起こしました」と言うフェデリコ。だがアルトリアは「死を選んだのは彼自身の意志よ」と話す。
「確かに理解しかねる」と答えるフェデリコ。
続けて「しかし法の執行に影響しません」と話す。
この聖堂へやって来たのは、クレマンに対し然るべき措置を取るであり、彼の罪は死に値するものではなかった。
自分から終わりを望む人を救いたかった。その考えに合理性は無い。
だがフェデリコは、クレマンが話した発言の正誤を確かめるつもりと話す。
「完璧に見える物事も、ひとたび傷が生じれば二度と元の姿には戻せない」
そんな最中、どこからともなく大貴族の使者が現れる。
それがアルトリアの目的かどうかは不確かだが、「待ってたわ」と返す。
そこへタイミングよく、リケーレとオレンが合流する。
ビビり散らすオレン曰く「あの紋章はリターニアの偉いさんだ……」と。
「……お断りします」と答えるフェデリコ。
そんなフェデリコに、アルトリアはチャンスを与える。
フェデリコの手を持ち、銃口を自らの額に押し当てた。
引き金を引けば、二度とフェデリコはアルトリアの件で悩まなくなる。
「試してみる?」と言う。
だがフェデリコは、逮捕こそが目的だと話し、射殺を避ける。
「ですがあなたの言うことにも一理あります」ッタァン!!!
オレン「マジでやりやがったのか!?国際問題になるっつったろうが!」
無傷のアルトリア。
フェデリコ「彼女に何かあるはずがありません。彼女を舐めすぎです」
アルトリア「ふふっ、ただの余興よ」
アルトリアが与えたヒント
アルトリアは「あなたへのヒント」と称し、フェデリコへこう伝える。
「あなたはこう考えたことはないかしら?」
「演奏は今も絶えず続いている……ただ自分には聴こえないだけだと」
「最も素晴らしく壮大なパートにならない限り、誰の耳にも届かないだけだと」
「さあ、音色が止んだなら、私もそろそろ旅立たないとね」
アルトリアと使者は、聖堂を後にする。
オレン「お前ともあろう者が、マジで突っ立ったまま見逃すとはな?」
フェデリコ「あなたは少し静かにできませんか」
オレン「あぁ?おいフェデリコ、どこ行くんだよ?」
リケーレ「あっちは……ここの墓地じゃなかったか?」
クレマンが見逃していた希望
信仰(HE-ST-3)
憐憫たるフェデリコ
「おい、そこの翼持ち」と、フェデリコを呼び止めるライムント。
オレンから、ジェラルドの最期を聞いたという。
真偽の程を確認しに来たライムントへ、ハッキリと事実を告げる。
落ち込むライムントへと、謝罪の意を示すフェデリコ。
ライムントが言うには、ジェラルドが渡したナイフには意味があるらしい。
サルカズ傭兵の武器を受け継ぐそれは、名前の継承を意味する。
ライムントは、ジェラルドの名前、尊厳全て取り戻す為、決闘を申し込む。
だがその提案を、フェデリコはきっぱりと断る。
曰く「サルカズ傭兵の名を冠したナイフは持っていない」とのこと。
猟師ジェラルドのナイフを求めているのなら、自らの手元にあると話す。
だがライムントは「旦那の大切なナイフを、軽々しく受け取れねぇ」と話し、受け取らない。
自らが皆を率い新たな道を切り拓けるようになって、初めて資格があると。
フェデリコは「それまで私が保管しておきましょう」と伝えた。
スプリアの認識
己の目的を果たしに向かったライムントを心配するフォルトゥナ。
握れなくなったと話していた守護銃を握り、祈りを捧げている。
曰く、「これがまた私に応えてくれる気がする」という。
まだこの銃を使えるか疑問に思い、スプリアに疑問を投げかける。
「当然でしょ」と自信満々に話すスプリア。
ヴィンテージが好きで、元々は遺産銃の研究者になるつもりだったと話す。
しかし最近では、新しいものの方が面白いと思うようになってきた。
「新しいものが……怖いとは思わないの?」と訊くフォルトゥナ。
怖がってもしょうがない。怖くても、理解を深めたいと答えるスプリア。
先輩が昔「技術とは人の為にある」と教えてくれた。
その時はよく分からなかったが、今はちょっと分かってきた、と話す。
「技術者である以上、自分が手掛けた武器には責任を持たなきゃね……」
話は変わり、旅立とうと考えているフォルトゥナに様子を訊くスプリア。
今話そうとしていた内容を先に言われ、驚くフォルトゥナ。
「ラテラーノに行くつもりなら、真面目な顔して私へ会いに来ないでしょ」
「あなたの考えてることは、その辺のサンクタよりずっと分かりやすい」
「そう考えると、共感能力の有無なんて別に大したことじゃないよね」
そう思わない?とスプリアは説明する。
罰を受け入れ、監視下されることも約束したのに、逃げ出そうとしてる。
「だ、だけど……」と言い淀む中「見逃してほしいって?」とスプリア。
ラテラーノでも他の場所でも、ずっとフードを被る生活が強いられる。
角に容貌に銃に……あまり多くの人に見せるわけにはいかない。
今後も変わらず監視役は自分だと、定期的に連絡をちょうだい、と話す。
自らを見逃す選択によって、迷惑が掛からないか心配するフォルトゥナ。
曰く「平気」だと言い、報告書の提出が嫌になったら辞めるかも、と話す。
私への借りはハーブピッツェルだけじゃなくなったからね、と付け加えて。
フォルトゥナ「私たち……まだ同族って言えるかな?」
スプリア「うーん、それ重要?同族だろうとなかろうと、私は甘い顔したりはしないよ」
スプリア「だから次に会うときには、おいしいピッツェルを忘れないでね」
リケーレとオレンの認識
今回の仕事の大変さと、休憩の旨をオレンに伝えるリケーレ。
そう言う割には、大してくだびれていないように見えるらしい。
横着せず深海教会の証拠を捨てなかっただけ感謝すべきか?と話すオレン。
いずれにせよ、俺が居なくても上手くやったろ?と返すリケーレ。
唐突に、共感を拒絶したオレンと上手くやれている気がする、と話す。
たまには他人のことをあまり知らずにいるのも悪くないんじゃないか?
「射撃の時に片眼を瞑らなきゃいけないのと同じでさ」と言う。
オレン「……いきなりどうした?」
「俺たちは運が良かったってことだ」と話すオレン。
深海教会と修道院との関係は、安心して一眠りできる程度だった。
修道院は補給を受けた後スムーズに戻れて、住民も動揺していない。
フォルトゥナはサルカズと一緒に出ていき、彼女らの位置は特定できる。
全体的に言えば、ラテラーノの外交政策に対した影響は及ぼさない。
「こんな幸運はなかなかあるもんじゃないぜ」と言う。
これから始まる新しい暮らしに、期待と恐れが入り交じる住民。
変わらず祈りを捧げ続け、どのみちなるようになると話す住民。
リケーレ「さて、とにもかくにも、俺たちは頑張った。そうだろ?」
そんな中、ママを探している子供たちに、その居場所を訊かれる。
ハイマンの望みと認識
十数年座礁したままの修道院が、新たな場所へと移動し始める。
そんな壮観な景色を見届けるハイマンとアウルス。
まだ完全に変異しきれていないハイマンの様子を心配していると話す。
エスタラとエレンデルのこれからを心配するハイマン。
アウルス曰く「あの子たちは適切な家に引き取られ、育っていくはずだ」
「堕天使の少女を含むサルカズたちも、監視があるから大丈夫」と話す。
ならよかった、と安堵するハイマン。
しかしハイマン自身は、もう彼らの同胞じゃないと言う。
「君がそう思うのなら、それが事実なのだろう」と返すアウルス。
アウルス「あらためて……君を歓迎するよ、ハイマン」
司教の信仰とレミュアンの認識
礼拝堂で話を交わすレミュアンと司教。
一度は加害の意志を持ったが、結果として損害をもたらすことはなかった。
イベリアが関わる以上は厳しい顔をする同僚は居るが、私は問題なく思う。
しかし本人がそうした弁護を受け入れられない様子だ、と話すレミュアン。
一度は絶望の底に沈み、悪意に頭を垂れた。この事実の否定は許されない。
脳裏に浮かぶ考えは、一瞬留まる事もあれば根を張り長く留まる事もある。
此度のことが一瞬の気の迷いだと何故言い切れる?
もし今日、私がもう片方の道を選んでいたとしたら、この場所は……
脳裏に深く根指す妄執をすべて打ち払ったとは言えないのだ。
私は……我々の「法」を信じていると言い切ることさえできないのだから。
ですが、貴方はまだそれを感じ取ることができるでしょう?とレミュアン。
感じるし、常に祈りを捧げている、と話す司教。
「この地に住まう人々が真っ当な対価を得られるようにと」
「この狭き楽園が、我が手によって崩れゆくことのないようにと」
「しかし、あまりにも長く待ち過ぎた……」と弱々しく語る司教。
結果「信仰の存在とは単なる自己欺瞞にすぎないのでは」と疑いを抱いた。
絶望、恐怖、悲しみ。不合理で、馬鹿げている。そんな感覚を覚える。
一体どうすれば、己が頭の中に存在するものを疑えるのか?
それは自分自身を疑い始める事で、払拭できなければ恐ろしいことになる。
司教「信仰が偽りだという可能性があるなら、ここにいるステファノという存在はどこまでが真実であると言うのか?」
そうした話を受け、レミュアンは「自らを買いかぶっていた」と話す。
レミュアン「……他人を完全に理解することは不可能です」
レミュアン「共感能力という不正じみた力があっても "理解する" という行為はかくも尊く、かくも難しい」
レミュアン「ですが、多くの経験を積み上げた今になって思う事があります」
レミュアン「たとえ共感の能力がなくとも、人と人との間を伝わり、多くの人々の理解を得られる感情は、たくさん存在すると」
「少なくとも今の私は、とある人の考えが少しは理解できる」「何かを感じ取ったからではなく、身をもって経験したから」と話し、
ある修道士の手記を司教へと渡すレミュアン。
曰く「多くの疑問に思いを巡らせ、多くの悩みを抱えていた人です」と。
これから、単身ラテラーノへ向かおうと思っている司教。
執行人たちですら険しいと評する道中を、この老体で往くと言うのだ。
その行動動機は「自らの信仰を取り戻すため」。
司教「もしもいつの日か己の罪を清算できたら、もしも本当に奇跡があるのなら……私は、再び私のラテラーノへたどり着けるかもしれない……」
レミュアン「そうですか……ならば、幸運をお祈りします」
レミュアン「いつかあなたが求める答えを得られますように」
司教「かの楽園で、また会おう」
フェデリコの疑問を喜ぶ教皇
通信機越しに、教皇へと任務の報告を行うフェデリコ。
特使両名の生存確認、健康状態は良好、ラテラーノへと報告に向かう。
修道院は再起動の後、ラテラーノ近郊へと来春前には到達する予定。
移動区画の安定稼働及び住民への十分な物資援助を申請。
住民153名中41名が退去し、スプリアが追跡及び記録を請け負う。
修道院内の状況、深海教会の動向、アルトリアの存在……
今回の任務が教皇の想像を超えたものだったと認め、よくやったと話す。
だがフェデリコは、依頼を完遂することができなかったと話す。
死者は三名。自らたちの介入により状況悪化、秩序を維持できなかった。
そんな口ぶりからか、フェデリコが抱いている疑念を訊きかける教皇。
「目の前に過ちが在るなら、私はそれを正すことができます」
「任務の対象が罪人なら、確保するための多くの手段を知っています」
「今回、明確に執行すべき水準に至った過ちを見つけ出せませんでした」「間違いがないのなら、何故最善の結末に至れないのでしょう?」
「我らの法はいかなる状況にも適用し得るものではないのですか?」
「そうでないとしたら、今後何を基準に行動すれば良いのでしょう?」
そうした疑問は教皇が持つ疑問の一つでもあり、答えられなかった。
だがそうした疑問を抱いてくれたことに、教皇はとても喜んでいる。
フェデリコ「おっしゃる意味がよく分かりません」
「焦ることはない。君は以前なら考えもしなかった疑問を抱き始めたのだ」
「これは大きな進歩だとは思わんかね?」
「ヴィンテージワインの栓を抜いたようなものだ。最も困難な作業はすでに終わり、後はボトルから望みのものを注ぐだけ……」
続けて、教皇は今とある友人を訪ねている所だと言う。
「確か君も知らない仲ではないはずだ。君の疑問も合わせて彼に聞いてみるとしよう――」
「その時には、彼が出した答えを君にも共有させてもらうよ」
【総括】結局、何がどうなったのか?
アンブロシウス修道院はラテラーノへと返還、住民への物資救援も行われる。
修道院に居たサルカズはジェラルドの提案通り、修道院を離れる。
デルフィナ、ジェラルド、クレマンが死亡。ハイマンは怪物になる。
フェデリコは「秩序の維持」以外の任務を達成。その過程で「直感」や「憐憫」を知り、アルトリア曰く「あなたにも変化があった」とのこと。また教皇にも「法への疑念」を口にしたが、その疑念に教皇は喜びを見せる。
特使レミュアンは、この修道院へとラテラーノがどのような選択を選ぶかを見届けようとしたが、怪物や特使オレンの介入に対処。最後は司教を通し「固定概念への疑念」を覚える。
特使オレンは「ラテラーノがラテラーノ足り得る」ために、独断でサルカズを一掃しようとしたが、レミュアンに止められフェデリコから妨害。しかし修道院が至った結末に関して「俺たちは運が良かった」と納得。
スプリアは、フォルトゥナからのお願いで守護銃を直すも事故が起き、ほぼ終始罪悪感に駆られていた。また早々からオレンと組んでおり、結果オレンの計画が瓦解したことで報告書。先輩の言葉の意味を知り、物語後はサルカズやフォルトゥナ達の追跡と保護を行う。
リケーレは、リケーレとして任務を果たしに来た。オレンの計画を耳にし乗じたが、オレンの失態によりバレる。けれど調査の方は真面目に行い、きちんと問題対処へと臨み続けた。
司教ステファノは、終始住民を救おうと悩み続けていた。しかし降りかかる苦難に耐え切れず、一度は加害の意志を持つ。結果「自己を否定する選択肢」「最善の結果」を選ぶ。「己」という「信仰」に疑念を持ち、老いた身一つ単身で険しい道のりを歩み始める。
クレマンは、普通の住民だった。「友情と希望」に疑念を抱き続けた彼は、デルフィナの死亡をきっかけに聖堂へ火を放ち、住民同士の対立を見て絶望の根拠を得る。死の間際に「求めていた花」を探していたが、それすら偽物であった事から「救済者なんて居ない」という答えを導き死ぬ。
デルフィナは、普通の少女だった。今まで自分が知らなかった「サルカズ住民の暮らし」という現実に直面し、その原因を作ったラテラーノ人へ激昂、初当たりの為に守護銃を取り合い暴発、死んでしまう。
フォルトゥナは、普通の少女だった。スプリアに守護銃の修理を頼み、見返りを作っている一連の行動からデルフィナの激昂を生じ、殺めてしまう。結果堕天し、(本人視点)スプリアには騙され、結果ライムントたちサルカズと共に修道院を発った。
ジェラルドは、十年間猟師を続けているサルカズだった。だが日々住民と溝を深める実態を察知し修道院を発とうとするが、傭兵としての自分を原因に問題を生じる。結果、己の血を流して他のサルカズを救った。
ライムントは「サルカズ」の意味を知らない若きサルカズとして、「サルカズ」に訪れた数々の宿命に直面し、結果親友デルフィナやジェラルドを喪ってしまうが、逞しく生きている。他のサルカズと共に修道院を発つ。
宣教師アウルスは、救いを求める同胞を助けに来た。アルトリアから「己が胸を痛めた事実」を「己の教え」と共に「疑念」という形で突きつけられ思いつめる。レミュアンによって同胞「ハイマン」の救助を妨害されるが、結果上手く連れ出せた。
アルトリアは、この地の物語を傍観しに来た旅人として、様々な「開花期」を見届けに来た。結果、クレマンを通し「揺るぎなさと自由さを併せ持った人間の精神」という楽曲を完成させた。また、フェデリコに生じた変化をも見届け、修道院を後にした。
エスタラとエレンデルは、アウルス曰く「ラテラーノへ養子として引き取られ、幸せな生活に与る」。
多分これで全部だと思う。
筆者の感想
これは筆者の、一周目の感想。X/Twitter へと投稿したもの。
ちょっと内容は飛び飛びになってますが、ご愛敬。
視認性の為、文字で載せます。リンクは載せない。
引用元キャプションに、チラと一言「感想に対する感想」を書きます。
一周目の感想
(添付画像。過去イベントのもの)
これはその翌日。色んな人達の感想を見て回った後の感想。
二周目、三周目の感想
ここから「斜め読みした二周目」「要点を抑えた三週目」の感想。
(これはどう表現しようもなかった。X/Twitterリンクお許しを)
(筆者:感想に対する感想)
この時までは、クレマンの行動が謎過ぎて理解が至っていなかった。
「自らの破滅をもたらした凡人」という行動が不可解すぎて。凡人ならより良い環境を望むだろ!?と。
これは次の日の感想。
アークナイツ公式が投稿した情報を見ての感想
そしてこれは、アークナイツ公式 X/Twitter から投稿された、アルトリアやクレマンの情報。それに対する筆者の反応。
くて申し訳ない。引用だとこうするしか……)
(筆者:感想に対する感想)
アルトリアが住民へと与えていた影響とは何だったのか?その情報に対する筆者の解釈。
無差別対象という訳ではなく「大きな情動を伴わせたものへと働きかける」という認識。
最後の一文は「悲しい音楽を悲しい気分で聴くと、更に悲しい気分になるよね」旨の発言。
(筆者:感想に対する感想)
殺害は意図したものじゃないんだと思う。それこそデルフィナとフォルトゥナの一件みたく。
この一件から友情を疑い、荒野をさまよう一件から希望を疑い、それぞれ修道院で確信へ至る。
一度は花々が住民の溝を埋める奇跡を果たした。だがその信仰は数々の現実に直面し裏切られ……
四周目の感想
そして本記事を編集ながらに思った、四週目の感想。
記事を書き終えての感想
最初から見てくれた人が居たのなら……本当にお疲れ様でした。あんた最高だよ。
何か改めて感想を書けたら良かったのですが、「筆者の感想」として 1,2,3 周目の感想に書かれている内容がほぼ全てです。
すっげぇ面白かったよ、この物語。
色々書いてますが、「なら筆者はできるのか?」と訊かれると全力で首を横に振ります。とはいえ「クレマンにはならない」とは言える。
元より「そうはなりたくない」という気持ち思い多めで物語へと向き合っているので。感想の内容も大半がそうした意図です。
とは言え「そうはなりたくない」と考えを過らせるだけでは、「そうはなりたくない」と呼ぶその人格像へ至ってしまうので注意が必要だと考えます。
「一体何が駄目なのか?」というのを、自分の視点や言葉や経験で以て言語化する過程で学んでいく、という姿勢が大切だと思いながら書いてます。
余談なんですが、この年末年始に「イコライザー」という映画を見ました。
二度目です。2も見ました。それぞれ二度目です。FINALは見てません。
映画冒頭付近、主人公が「力になりたくてもやる気が無ければ無理だ」と同僚へ向けて話します。このセリフ。
筆者がクレマンへ向けて抱く疑念や考えをキレイさっぱり代弁してくれたかのようなセリフで、お気に入りになってしまいました。
「希望に人は寄ってくる。だから希望の無い奴に人は寄ってこねえよ」
本記事内のどこかに書いたような記憶があります。これこそ筆者の考え。
お疲れ様でした。
少しでも気に入ったらアークナイツを遊んでくれ。
もし遊ぶんだったら文字がやたら小さいからそこだけ注意。PCで遊んでね。
あと、この「空想の花庭」は、期間終了後しばらく常設しない。
でも楽しみは他にいっぱいある。あと100万字くらいある。
本当は「孤星」で記事を書きたかった。でもあれ約20万字なんすよ。
「空想の花庭」の文字数は約10万字。この記事は約74000字。
んで、 筆者の X/Twitter における「孤星」感想ポスト数は241。
一ポスト100文字でも24000字なんすよ。
記事化なんて人間のやる事じゃねえ。構成も思いつかない。故に断念。
こうした感想が好きな人は X/Twitter フォローしてくれ。
趣味で3DCGやってる。意図あって気合入れてオリキャラ作ってる。
ちょっと見ていかないかい?【夢見る雪豹 @P_u_sognante】
こっちはアークナイツ。【thaumiel#5544】
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