未婚人口ピラミッド観察記・年次編(2020国勢調査)
国勢調査データから配偶関係別人口をとりだし、未婚者のみの人口ピラミッドをつくって観察してみよう。
データはe-Statから取れるけど、古いデータはPDFの画像ファイルなので無視(ほんまは欲しいんやけど…)。1980年以降でみていく。調査間隔は5年ごと。
昭和
1980年
1980年といえば昭和55年で、団塊世代が30代を迎えたころ。
図の左側が人口ピラミッドで、色つき部分が未婚者。右側は上から年代、未婚・総数人口(15歳以上)、未婚者数の男女別推移、未婚者数の世代別推移。
人口ピラミッドの未婚者部分。ピラミッドというか、ひょろっと伸び上がる芽かなにか?
20代女性は年齢が上がるごとにものすごい勢いで未婚者が減ってて、男性は30代前半までに徐々に減っていく感じ。
結婚に対する個々人の強い欲求なのか、結婚ぐらいしてなきゃという社会的な圧力なのか、説明のしかたはいろいろありそうやけど、団塊の世代という日本史上最大人口層がガンガン結婚していく時代の空気がただよって…る?
1985年
ひのえうま世代が19歳の凹みを生みだす1985年。
未婚人口ピラミッド自体は1980年とあんまり変わらんか。
ヒョロっと伸びる40歳以降は、よくよく見れば女性の方が多くなるんよね。各年齢にほぼ同数の未婚者がいる状況は、1980年と見比べてみればわかる通り、だいたい35歳まで未婚ならそのまま年齢を重ねる傾向を示していると言えそう。
平成
1990年
1990年は元号変わって平成2年。
なんとなくやけど、男女の差がなくなってきたような。右側の男女別推移を示す線グラフでははっきり人数の差はあって、あり続けるんやけど。
1995年
団塊ジュニア世代が初婚年齢にさしかかる1995年。バブル崩壊後の世界。
1980年代は上向きにヒョロッと見えていた部分に厚みがでてきたかな?非婚化・晩婚化の兆しみたいなものがあるのかも。
2000-2015年
ミレニアムな2000年から統計の年齢項目が「85歳以上」から「100歳以上」に変更されて、全体像がわかりやすく。
この15年は未婚者人口ピラミッドにとっては大変革期で、少子化による人口減少が基礎にあるのは間違いないんやけど、さらに晩婚化や非婚化もあいまって上部に厚みのある形へ。
右下の世代積み上げグラフがその傾向をはっきり表してるんよね。未婚者人口のほぼ半数を30代以上が占めるようになった2015年。
まぁそれでも女性より男性の方が未婚者が多い状況には一貫性があって、これはものすごく強い要因があるんやろなと思わせるね。
令和
2020年
さらに元号が変わり、令和2年の2020年。
1980年から40年の時を経て、まるっと福々しく育った未婚人口ピラミッド。20代女性が婚姻へ向かうソリッドな勢いもなくなり、ふわっと丸い仕上がり。
団塊ジュニア世代のふくらみとひのえうま世代のへこみもあって、鏡餅型?
単純にこのままの状況が続くと考えれば、総人口自体は減っても、未婚人口がそれほど減らない状況がつづくか。
おわりに
なにか気づいたことがあればコメントなりSNSなりで教えてください。図は自由に共有してもらって大丈夫です。
また「未婚率」でみたいねん!という要望には他のnoteで応えるのでこちらから。