見出し画像

準中型免許の半端(?)な位置づけ/運転免許統計2021

2017、準中型免許の新設

2017年に新設された準中型免許。中型免許が新設された2007年以降、2017年の新設以前に取得された普通免許は準中型免許とみなされました。

このややこしい状況の核心は「普通とは何ぞや」という問いに集約されるでしょう。

「普通」は永遠不変の真理ではありません。

準中型免許の性年齢別分布

あたらしい免許である準中型免許は、どのような人がもっているのでしょうか。

人口ピラミッドに重ね合わせてみましょう。

準中型免許の保有者人口ピラミッド

準中型免許は1,100万人が保有し、15歳以上人口の10%以上となっています。これは決して少なくない数といえるでしょう。

というか、保有している運転免許の種類を無作為に20代後半から30代前半の男女に尋ねれば、半分以上の確率で「準中型免許(限定含む)」という答えになるようです。

2017年と2021年の比較

新設初年度である2017年と2021年の保有者分布を比較してみましょう。

準中型免許の保有者@2017
準中型免許の保有者@2021

だいたい同じか…と早とちりしちゃいそうですが、ボリュームゾーンの年齢層が一階級分あがっています。

要するに、普通免許が準中型(限定)免許とみなされた人たちがそのままもっているだけで、新規取得者は多くないのでしょう。

交付件数の推移

2017-2021

準中型免許の新規取得者は交付件数として統計がとられています。

下図は2017年の性年齢別分布。薄い色は「新規」、濃い色は「併記」の交付件数を示します。

準中型免許の交付件数@2017
準中型免許の交付件数@2021
※2017との横軸不一致に注意

準中型免許の交付件数は7万件から10万件まで増加しています。ただし、図の線グラフ(右下)が年次推移を示しますが、ここ数年は減少傾向にあるようです。

保有者数との比較

準中型免許の交付件数と保有者の重ね合わせ@2021

全体と比較するため、先にみせた保有者人口ピラミッドと交付件数を重ね合わせてみましょう。

灰色部分が保有者です。色つき部分が交付件数ですが、ほとんど見えません。保有者と比較すれば、やはり交付件数が圧倒的に少なくなっていることがわかります。

自動車免許を取ろうとする人の多くは「普通」で十分なのであって、あえて「準中型」という上位免許を取る理由は限られていますし、「中型」というさらに上位の免許もある以上、「準中型」をわざわざとる人は珍しい…(といえど、年間10万人はそこそこか?)

中型(参考)

ちなみに、中型の交付件数は15万件。保有者数は限定付きも含め6,300万人。

中型免許の交付件数@2021
中型免許の保有者数@2021

仕事の幅を広げやすい中型免許が欲しいけれど、普通免許取得後2年間はとれないようです。そうした年数制限のない準中型免許が便利・必要な場合もある、と考えれば準中型の10万件の交付件数に説明がつくでしょうか。

動画で見る推移

保有者数

交付件数


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?