薬効分類別の錠剤処方数量(2017)
医薬品の問題を扱う朝日新聞さんの下記記事が話題になりました。
この記事に出てくる「NDPオープンデータ」という文言。調べてみると、医療に関する膨大な情報が厚生労働省より公表されているようです。
内容が充実していて、すごく面白い。グラフなどのビジュアル素材に加工すれば、非常に価値ある情報を提供できるかもしれません。
今回は今後の方針を見通すうえで大事な資料を作成してみました。
今回のデータ
今回使用するデータは「第4回NDBオープンデータ」。
集計対象 : 平成29年度のレセプト情報及び平成28年度の特定健診情報
平成29(2017)年度のレセプト情報から以下の内服薬の処方数量に関するデータをチョイス。
処方薬(内服/外用/注射)
内服
- 外来(院外)性年齢別薬効分類別数量
- 外来(院内)_性年齢別薬効分類別数量
- 入院性年齢別薬効分類別数量
単位別
膨大なデータを含むこうしたデータセットを詳しく調べるうえで、今後の大まかな方針を定めるため「単位」別に処方数量を比較してみました。
ただし、「mL」と「g」など異なる単位を併記することになるこの横軸にあまり大きな意味はありません。
圧倒的錠剤感。そして外来(院外)が多数派を占めている状況がつかめました。
この記事ではこれ以下、単位項目を「錠」に絞り込んでさらに深堀してみたいと思います。
薬効分類別(1桁)
さて次は薬効分類別の処方錠数を調べてみましょう。なお「薬価基準収載医薬品コード」の桁数に従い、まずは1桁目のみで分類してみます。
分類毎にかなりバラツキがありますね。「2.個々の器官系用医薬品」が処方錠数トップのようです。
薬効分類別(2桁)
さらに深く見ていきましょう。今度は「薬価基準収載医薬品コード」の2桁目までを分類対象にしてみました。
ずいぶん細かな分類になってきましたが、情報がはっきりしてきて今後の参考になってくれそう。
「21.循環器官用薬」、「23.消化器官用薬」、「11.中枢神経用薬」がトップ3ですね。
薬効分類別(3桁)
さらにさらに深堀りを。「薬価基準収載医薬品コード」の3桁目。
ここまでくると拡大しなければ見えませんが、いきなりイニシャル3の「396.糖尿病用剤」が外来(院外)でトップに。
薬効分類別(4桁)
最後は「薬価基準収載医薬品コード」の4桁目まで分けてみましょう。
……細かい!
ちなみに外来(院外)のトップは「2171.冠血管拡張剤」でした。これは合計でもトップです。
2017年度、冠血管拡張剤カテゴリーだけで、外来と入院合わせて51.8億錠が処方されています。
年齢別
おまけで冠血管拡張剤の年齢階級別処方錠数を確認しておきましょう。
性年齢別
さらには性年齢別。
こうした情報がすべての分類項目別に入っているのが「第4回NDBオープンデータ」の内服薬に関する公開データです。
今後、これらについてさらに興味深いデータが提示できればと思います。
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