交通事故による死亡/人口動態調査

ニュースでよく見かける死亡交通事故。

ニュースはレアで特異な事象を取り上げがちで、毎日見聞きする死亡交通事故は今でもありふれているかのような印象を与えていしまいます。

死亡総数に占める交通事故による死亡数

毎年100万人以上が亡くなる現代の日本。近年の交通事故による死亡は高々4,000人であり、死亡総数に占める割合は大きくありません。

死亡総数に占める交通事故による死亡数@2020

性・年齢階級別死亡数

交通事故によって亡くなった方にはどのような傾向があるのでしょうか。2020年のデータは下図のとおりです。

交通事故による死亡数@2020/推移1950-2020

右下線グラフが年次推移を示しており、2020年では1950年来の最低値を更新したようです。

また性別では常に男性が多く、この差異は人口ピラミッドを反映していません。つまり、女性よりも男性は交通事故で死にやすい傾向があるようです。

性・年齢階級別に示した左グラフ。若年層から見ると、男女とも10代後半と20代前半で急激に死亡数が増える山があります。詳細は不明ですが、自動車免許の取り立てで無理な運転をしたためか、行動範囲や活動量の著しい向上が事故との遭遇率を高めているのか…。

20代後半から60代までは凸凹としながらも上昇し、60代後半からさらにグッと高まる状況があります。このあたりは人口ピラミッドを反映している可能性があります。

人口10万対死亡率

加齢による影響をより詳細に比較するため、交通事故による人口10万対死亡率を示したのが下図。

交通事故による人口10万対死亡率@2020

人口の影響を排除すると、もっとも交通事故によって亡くなりやすいのは90代前半の男性。事故を起こしやすいのか、事故に遭遇しやすいのかはやはり不明です。

20代前半の死亡率の高さは、60代前半の死亡率に匹敵。他の死因では加齢の影響が最も大きく、加齢に比例した死亡数の上昇がみられます。比較的若年層にも多いのが交通事故による死亡の特異性といえるでしょう。

動画でみる推移

ここまでみてきたように、2020年という単年でも語るべき事柄はたくさんあります。ただ、ここ数十年、交通事故による死亡状況には大きな変化がありました。

1950年以降の推移を見れば、「交通事故による死亡」という現象が社会のあり方を反映する敏感な指標の一つにみえてくるはず…?

死亡数

死亡率


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