【継業で地域に飛び込む】 おとなになるのがたのしみなおがになるために vol.2

2025年4月、保育所型認定こども園「船越こども園」の新設が予定されています。この連載は、設計を手がける建築家の三浦丈典さんが男鹿の人・もの・暮らしとのであいを通して「未来の男鹿にどうあってほしいか」をテーマに市民の今の願い、思い、小さな声を集めた記録です。(全6回/隔月連載)

今回のゲストは男鹿の海に惹かれて夫婦で岩手県から移住し、釣船の船長を務める蛯名和加子さんと、夫の友之さん。丘の上にある一軒の古民家をDIYで釣り客が泊まれる宿にすべく準備している作業着姿のお二人に、継業で地域に飛び込んだお話を伺いました。

登壇者
●SALT Beach 蝦名 和加子・友之
●株式会社スターパイロッツ 三浦 丈典
於/丘の上ソルトビーチ


継業で実現した「船長」という夢



三浦 移住を決めたきっかけは何でしたか?

友之 僕たちはとにかく男鹿の海と船釣りに魅力を感じましたね。

和加子 岩手から男鹿への移住を考えていた頃に、とてもお世話になっていた男鹿の釣船の元オーナーがご病気でもう釣船ができなくなり、「おめがだ(船長を)やるが?」と言われて、ひとつ返事で「はい」って。そこから急いで引っ越しの準備を始めました。

友之 こんなふうに流れに乗っていたら、自然と会いたい人に会えたり、やりたいことが実現できたりして。

和可子 今、戸賀の古民家を改修して宿にする計画でセルフリノベーションをしているところなんですが、この物件に出会ったのもたまたま犬の散歩をしているときだったんですよ。

友之 周りの助けもあるおかげで、不便もなく、男鹿での暮らしを満喫しています。

三浦 いろんな巡り合いがあって、新しい環境に飛び込んでみたら結果的に楽しく暮らしているっていうのが素敵ですね。

夢があったほうが楽しい


三浦
 男鹿に来て、船長になって、次の目標は宿!

和加子 やっぱり夢があったほうが楽しいんですよ!

三浦 お二人を見てると楽しそうですもんね。若い人にも憧れられるでしょう?

友之 言われますね、こういう生活もあるんだなあ、と。

三浦 こどもにとって親とか学校の先生は正しいことを言うおとなだけど、まちで楽しそうに遊んだり暮らしたりしているおとなを見て、初めて自分のまちっていいな、とか、自分も10年後ああなりたいな、とか思えるんですよね。

友之 僕たち世代だけじゃなくに続いてくれる人がどんどん増えて、みんなで切磋琢磨できたらうれしいですね。

三浦 お二人はこどもたちの素敵な目標になりますね!今度は釣りをしに、そしてここに泊まりに、遊びにきますね。素敵なお話をありがとうございました!


三浦丈典 Takenori Miura
建築家、スターパイロッツ代表。1974年東京都生まれ。大小さまざまな設計活動に関わる傍ら、日本各地でまちづくり、行政支援に携わる。著書に『こっそりごっそりまちをかえよう。』『アンビルド・ドローイング 起こらなかった世界についての物語』『いまはまだない仕事にやがてつく君たちへ』(いずれも彰国社)がある。

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