P!的モーター慣らし

みなさんこんにちは、P!MODEL LABOのぽらりんです。
今回はみんな大好き&気になってしょうがない「モーター慣らし」のお話。

【はじめに】

私の場合、「慣らしオイル」や「潤滑オイル」等のいわゆるモーターケミカルオイルや軸受の注油は宗教上の理由で一切使いません。

色々調べたりした結果、宗教上の理由もあって、結局のところ、
モーターの個体差による「あたりはずれ」に左右されるというのが経験則としてあるからです。

例えばの話、37000rpmくらいのスプリントが、42000rpmくらいになるっていうのならとっくに使っています笑
2000〜3000rpmくらいのアップであれば、他のところでカバーするか、電池頑張るor(3レーンなら)追い充電するほうが楽です。ネオチャンプに関していえば、バラツキもそんなになく、きちんと慣らし&管理をしていれば一定以上の効果を発揮してくれます。

正直な話、本当に回るモーターを手に入れたいなら100個くらいモーター買って、慣らして、回転数の高いものだけピックアップするのが一番いいと思ってます。また製造ロットによってもバラツキがありますので、結局のところ「数買ってきてひたすら慣らして選別する」が一番確実だと思います。

また最近NRマジック選手もnoteにてモーターに関する情報を出されていましたね。

彼とも親交があるので、事前に今回の記事を書くにあたって「内容若干触れる&かぶるかも」って言う話をさせてもらっております。
特に個体差に関する部分なんかはとっても大事です。
結構突っ込んだ内容まで書いているので、未読の方はぜひ読んでみてください。

またモーターには「チューン系モーター」と「ダッシュ系モーター」があります。ご存知かと思いますが、この2種類の決定的な違いはブラシの材質です。なので当然慣らし方も微妙に変わってきます。
ですので、2種類のモーターの慣らし方を記載していきたいと思います。

もちろん、ノンオイル、ノンケミカルでの慣らし方です。

【P!的チューン系モーターの慣らし方】

①用意するもの

・新品モーター
・ワークマシン(モーターの出し入れがしやすいものが好ましい)
・新品のアルカリ電池(銘柄は個人で検証してください)

②慣らし方法

モーター、電池2本を入れて
正転 5分 逆転 5分
を休憩いれずに、5分ごとに新品に入れ替えて回し続ける
所要時間2〜3時間

③理由

銅ブラシはとにかく削れやすいので
ひたすら3V付近で2〜3時間回せば十分に回るようになります。

冷却はしません。中のグリスを摩擦熱なんかで溶かして飛ばしたいっていうのがあります。
あと冷却しなくても電池2本でこのサイクルで回し続けたところで銅ブラシならそんなに磁力飛んだりしないです。(=トルクに影響はほぼない)

参考:キュリー温度

もちろん個体差はあります。

④問題点

アルカリ電池を大量に消費する。

【P!的ダッシュ系モーターの慣らし方】

①用意するもの

・新品モーター
・ワークマシン(モーターの出し入れがしやすいものが好ましい)
・新品のアルカリ電池(銘柄は個人で検証してください)
・ダミー電池
・冷風機

微妙に用意するものが違います。

②慣らし方

モーター、電池1本とダミー電池を入れて冷風機等で冷やしながら
電池が空になるまで回して、回らなくなったら正逆入れ替えて回し続ける
(所要時間3日〜5日)※1.5Vで回すということ

大体電池6本くらい消費したら、電池2本入れて回して回転数を計測してください。(所要時間:3〜7日間)
まだ回るかな??と思ったら、最初の工程に戻ります。
回転数が目標に近づいたら2本で1セットずつ電池がなくなるまで、冷やしながら、正転逆転で回し続けて完了です。

③理由

ダッシュ系モーターはブラシ圧が高いので、ブラシを削るために低電圧で時間をかけてゆっくり回し、ブラシ圧を抜くためです。
電池1本で回す(1.5Vで回す)のはコミュの継ぎ目の部分に引っ掛けながらブラシを削る&ブラシ面を均等に整えるイメージです。
高電圧でいきなり回すと、ブラシ表面が綺麗になりにくく、回転の圧でブラシが弾かれてしまうためきれいになりません。なので時間をかけてゆっくりと削っていく必要があり。
ブラシの圧が抜ける&ブラシのアタリが出ると回転数も上がってきます。
ですので、今度は電池2本でブラシの表面を綺麗に整えます
摩擦熱とか回転で表面を綺麗・研磨する作業をイメージしてください。
冷却しながらなのは、チューンモーターに比べて回している時間が非常に長いため、冷却しています。

④問題点

アルカリ電池を大量に消費する。
時間がかかる。

【モーターを使用する際の注意】

かならず走行前に空回しをして温めてください。
触ってほんのり温かいくらいが理想です。
これに関してはどの慣らし方をしたモーターでも、走らせる前に熱を入れることで何もせずに走らせるよりもパフォーマンスが上がるor走りの再現性が出やすいので、細かいことですがやらないよりやったほうがいいと思います。

【ケミカル類を使わずに慣らす理由】

以上が私の慣らし方になります。
なぜじゃあ頑なに使わないかというのは
「宗教上の理由」というのは半分その通りなんですが(笑)

①コンディションの維持、持続性

②歴然とした差が感じられない(困ったことがない)

というのが理由です。

①に関して言えば、「慣らし用オイル」はカーボンブラシを削りやすくするための成分が入っているため、きちんと洗浄できなければ浸透してどんどん削れて行くのでピークが早くなります。「コミュオイル」に関しては、挿した直後は皮膜を形成してくれるため、回転はよくなりますが、相当な回転数で回っているので、どこかのタイミングで「皮膜切れ」を起こしてしまします。以上のことから、コンディションの維持、持続性がやりにくいと感じるためです。
慣らしオイル=慣らし時間短縮アイテム、コミュオイル=メンテナンスというような認識です。

②に関しては、そんなに困った場面がないということ。確かにモーターを上げるほうが簡単に速度は出やすいですが、その他にもやること、やれることってたくさんあると思っているからです。先日のnoteでも書きましたが、チューンフラットのレースでは「当日支給、当日慣らし」の中でもちろん一切のモーターケミカル類の使用は禁止されています。そんな中でヒートを重ねながらタイアップを図ろうとするので、モーター以外にもやること、やれることはあるなと常々思っているからです。

【おわりに】

以上になります。
慣らし方については、人それぞれあると思いますので、肯定も否定も絶対でもありません。あくまで個人的見解&ノウハウになります。

今回の慣らし方については、つい最近まで5年位ずっとやっていました。
最近はmic-LABOさんから
「Motor Boot Camp」という素晴らしい慣らし機が出ていますので
それをめっちゃ使い倒しています笑
人気すぎてなかなか手に入らないんですが、機会があれば増設したいです(笑)


大事なのは自分の中で回転数の合格ラインを決めることかなぁとも思います。ちなみに以下の回転数が合格ラインにしています。

■チューン系

・アトミックチューン 21,000〜23,000
・トルクチューン 20,000〜22,000
・レブチューン 22,000〜24,000
・ライトダッシュ 21,000〜24,000

■ダッシュ系

・ハイパーダッシュ3 28,000〜30,000
・パワーダッシュ 32,000〜34,000
・スプリントダッシュ 35,000〜37,000
・マッハダッシュ 34,000〜36,000

もちろんこれを大きく超えるやつもたまに引いたりしてニヤニヤすることもあります。(笑)

もし機会があれば、一度試してみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?