見出し画像

【新文芸坐×アニメスタイル vol. 177】『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』WSBライティング上映 トークショー memo

新文芸坐にて上映された【WSBライティング上映】劇場版 少女☆歌劇レヴュースタァライトの上映後に行われたトークショーの内容をメモし、おこしたものです。
粗雑なメモと記憶を頼りに書いているため、明らかな間違い等ありましたらコメントにて指摘・訂正をお願いします。

会場:新文芸坐
開催日時:6/29(土)15:30~
トークショー出演者:古川知宏監督、小黒祐一郎さん(アニメスタイル)

ライティング上映について
古川知宏監督(以下、古川):上映後、ライティング担当の人に「もっとやっていいよ」と言った。もう少し目を潰していこうぜ!
天堂真矢の登場の時の下から(吹き上げるようなライティング演出)出てくるのを観て来てよかったと思った。
小黒祐一郎さん(以下、小黒):血を表現するライティングも良かった。過激だな~と思った。

古川:上映当時振りくらいに劇場で本作を観た。久々に観て「直したい」と思った。
小黒:直したいと思ったのは作画?
古川:全部。作業時の精神状態を思い出して恥ずかしくなった。
最後の方は「俺のアニメーション映画に求めるものが入ってるな~」と思いながら観た。
小黒:この映画を作っている人は”高まっている”んだろうなと思った。
監督が今後このレベルで高まることができるか・・・?
古川:不安。クラファンとかで現金を貰えれば高まるかもしれない。

古川:レヴューシーンは(制作能力的に?)作れるところまでギリギリまで落とし込むような感じ。最近のアニメーション映画はもっと動かしたり芝居させたりしてる。
小黒:意外とチャンバラが少ない
古川:小出卓史副監督曰く『スタァライトではイン/アウトが要らない』
(途中で『さよならララ』の宣伝が入る)
小黒:カットが切り替わってると服が変わっていたり場所やポースが変わっていたり。

古川:改めて観て「(キャラクターに対し)コイツ、何いってんだ?」と思った。
香子の「しょうもな」というセリフに対してまひるが「しょうもないって新国立のこと?それとも」と返したシーン、あのスピードで喧嘩をしかける!?普通は無言になる。
組まれていたセリフをどうしても落とさなければいけなかったので樋口さんゴメンナサイ!と思ってた。
小黒:元々の脚本(セリフを落としていないホン)ではもっと筋が通っていて説明もあってフォローもある?
古川:ある。でもみんなそんなに人生で言葉でフォローされることあります?
アニメ喋りすぎ問題。喋りすぎですよ。(大場ななのようにキメる)

小黒:アニメーション映画に必要なものとは?
古川:自分が生きている世界の延長とフィルムが一体になったと思いきや突き放される感覚。特に華恋とひかりのレヴューが”やっている”。
(※メモが読み取れず不明)~真矢とクロディーヌのレヴューは小出(卓史)くんがいい仕事をしている。悔しいけど。小出くんは一番負けたくない相手。
最後の白バックに電車の走行音はあと2秒欲しかった。映画尺の都合(本作は1時間59分59秒)でせざる終えなかった。
小黒:少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録も予算の都合による上映時間の縛りがあったが、制作中に60分を超えた瞬間に「もういいや」と更に10分延びた。
※ここから同時上映の「劇場版 アキハバラ電脳組」まで話が脱線する

小黒:TV版と劇場版では作ったときのモチベーションの違いはあった?
古川:TV版は早々に作品を納品していくかというところに切り替えつつ、他のアニメーションとどう差をつけるか苦心した。
劇場版でも現状の素材で映像としてやりくりできるかという点と観客の視聴体験のコントロールを意識した。そういう意味ではテンションは変わらなかったかもしれない。

古川:TVアニメは毎週観られるものにしなければいけないので本作(劇場版)のようなことはできない。
キャラクターに寄り添ってたのがTV版。TVアニメは毎週視聴者にキャラを持ち帰ってもらわなくてはいけない。

古川:本作は「中学生が撮ったような映画」。説明を置いていっていてケアがない。
自分はアニメーションが上手じゃない、映画作りも上手じゃない。でも”この感じ”は少ないと思ってる。いい意味で下手。

小黒:TV版でのキャラクターの描き残しみたいなものは?
古川:ある。劇場版は愛城華恋を人間にするための企画。
他キャラクターも当番回があるので消化はできたがキャラクターの変遷を感じさせることは1クールでは難しかった。やはり2クールはほしい。
できれば1年モノをやりたい。プリキュアとかシンカリオンとか・・・。

小黒:作中の舞台少女たちはバトルについて「何をやっているんだろう」と疑問に思わない?
古川:思わない・・・よね?そういう質問が出ることがこの作品のウソの特殊性?(※メモ読み取れず)
小黒:バトルは代替?
古川:バトルや剣戟は身体言語。演じるということキャラクターのセリフをセットに身体言語として感情を舞台装置と一緒に表現した。
こういう仕組みをTV版2話でキリンが説明していればもうちょっと分かりやすかったんじゃないかと強く後悔している。
そういう部分がノれない人・説明が無いとよくわからないになってしまう人・最低限の説明があれば受け入れられる人を取りこぼしてしまった。特に男性。

小黒:TVシリーズ制作時に劇場版があると知らされてた?
古川:(監督からオフレコ希望の業界提言エピソードが入る)
全く無かった。ソーシャルゲーム・舞台・CDの売上が好調だった為勿体ないという状態。
キネマシトラス社長の小笠原さんからは「(続編は)TVシリーズでは勘弁してほしい」と言われた。
劇場版は突然話が挙がった。総集編映画では誰か他に監督を立ててほしいと言ったが、(ここから監督からオフレコ希望エピソード)

古川:ブシロードさんは『劇場版レヴュースタァライト』の扱いに困惑しているイメージがある。
ブシロードさんはコンテンツの会社なのに”作品”を作ってしまった。
小黒:ブシロードさんは求めてなかったけど新文芸坐は求めてた。
カルト映画として着地した感がある。
古川:「まさかあのカルト映画を作ってた古川が・・・」と思うことが10年後きます。みなさんは歴史の生き証人。買って支えてください。

古川:僕、いまゴジさん(長谷川和彦)みたいになってる。
(長谷川和彦監督が寡作であり、ずっと制作した少数の作品を語らざるを得ない状態があることを例えに挙げ)そうなりたくない(長谷川和彦監督へのリスペクトを表しつつ)。そうならないように絶賛作業中。

小黒:これから監督人生を歩んでいったとして、レヴュースタァライトはどういう位置づけにしたいか?
古川:「ここから上手くなってない!」「結局全て入っている」作品になってほしい。みなさんは自分のフィルモグラフィーを観た後に「アイツ、変わってないけどね・・・」とマウントを取っていただきたい。

古川:漫画原作をやりたい!
僕に「これやれるのか?」と振ってくる勇気のあるメーカーさんに来てほしい。
スタァライト以前は原作モノの誘いがあったのに、劇場版スタァライト以降一切原作モノの声がかからなくなった。
小黒:業界のプロデューサーは見る目がある。
古川:少女マンガとか恋愛モノやってみたい。
小黒:キングレコードの大月(俊倫)プロデューサーがシャフトに仕事を振って「何故シャフトに?」と思ったことを思い出した。
古川:一時期シャフト・京アニとそれ以外みたいな時代があった。
当時業界入りたてで悔しくて観られなかった。「やってんだろォ?」みたいな。
(そのままシャフトの話の流れから)尾石さん(尾石達也)が劇場版レヴュースタァライト観たら多分普通だって言うと思う。
小黒:(尾石監督と古川監督を並べ)日本が誇る2大アヴァンギャルド監督ですから。
古川:尾石さんはアヴァンギャルド監督。恐れ多い。
ボクはアヴァンギャルドにしてるつもりはない。ウマ娘にもきっと(アヴァンギャルド作品が)ある(?)。

Twitter(X)で募集した質問の回答
小黒:洗濯機前で話しているのは洗濯と選択をかけている?
古川:そういうダジャレは好きだけど意図的なモノなのか解釈はお任せします。

古川:(自作の)次の作品まで新文芸坐の上映で繋いでもらって・・・。
レヴュースタァライトのお陰で色々な企画をさせてもらっている。他人の作品も大きく手伝っているモノもあるので是非観ていただけたら。
次回作は劇場版レヴュースタァライトを好きな人のために作った作品ではない。
あとは『さよならララ』を観てください!

古川:ボクはクレヨンしんちゃんの映画向いてると思う。みんなに言ってる。生田輝にも言っている(言われた)。本郷さんテイストを狙っている。
小黒:シンエイに人に会う機会があれば言っておきます。

最後に
古川:レヴュースタァライトをずっと応援していただきありがとうございます。引き続き応援していただければと思います。

以上

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?