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尾瀬・小沢平から燧ヶ岳へ ~テンカラ&キャンプ&登山~

今回行く小沢平は檜枝岐村御池口から魚沼方面へ車を15分ほど走らせた場所にある。
ここはかつて渋沢温泉小屋への最短ルートとしてマイナーながら使われていたが、廃業した今は釣り人が入る程度で廃道同然の扱いである。

また尾瀬国立公園の中でも特別保護地区の外にあり、釣りが許可されたエリアでもある。今回の目的は釣りをした後、尾瀬ヶ原へ登り上がり、あわよくば釣った魚を持ってキャンプ場にしけ込もうという魂胆であった。

はたしてイワナは釣れるのか?!
マニアックなルートで行く尾瀬をぜひご覧ください。

小沢平入山口。今年は熊による事故も多い。

今回の山行は9月23日~24日と禁漁になるちょっと前の山行で、この時期小沢平から入る釣り人のほとんどが奥只見湖から遡上してくるサクラマス狙いのルアーマン
対して我々はコソコソ竿を振るテンカラ釣り。そんな大物はもちろん狙えないのでルート上にあるトクサ沢と高石沢で釣る事に
そんな感じで雨の中スタート

歩き始めてすぐのところでトクサ沢が現れる。ここは川幅も狭く水量も程よくテンカラ向き
今回のメンバーは5人と多い為、ここでトクサ沢チームと高石沢チームに分かれる。

トクサ沢

9時半スタートと少し遅めだったので制限時間は3時間ほど
13時に高石沢出合で待ち合わせする事に

しかし、わたくしヤマキチは早々に釣りに飽きてキノコを探す。
途中沢から上がって藪に突っ込み腐ったトンビマイタケや、樹上にはサンゴハリタケと思われる物体を発見

サンゴハリタケ?

そんなこんなで遡行するが、釣れる気配は全くなく、早々に戻って高石沢を目指す。
二手に分かれたのでトランシーバーを持ち、やりとりするも通信距離が短くあまり意味がなかった

高石沢到着後、期待しないで少し進むと別チームと合流した。
こちらでは2匹ほど釣り上げたようで嬉しい限り!
ただ良型では無かったのでリリースしたとの事。

高石沢

出合まで戻り軽く昼飯を取ったあと尾瀬ヶ原へ向けて歩き出す
途中古くて渋い看板を見かけたり、至る所に食べられるか分からないキノコを見つけたり、延々と雨の中歩き続ける

古い看板
ニカワホウキタケ

3時間ほど歩いて赤田代へ出た。
相変わらず天気は悪いがしっとりした尾瀬もまた雰囲気があって良い
更に歩いて見晴を目指す

赤田代

見晴へ到着後、燧小屋にて受付を済ませキャンプ場へ
既に何組ものテントがあり場所を探すのも一苦労だったが無事に設置し夕食の準備へ
釣った魚を食べる作戦は不発に終わったものの、今回は南会津の隠れ名物でもあるマトン焼き。1.5kgの肉と野菜、また只見町産の米を持って豪華に夕食を囲みます。

各々がテントやタープ、ツェルトにシェルターと持ち寄って、タープを中心に囲って宴会
しっかり食べて、しっかり眠って翌朝の燧ヶ岳に備える。

真ん中左のタープが我々のスペース

翌朝は定番になりつつある檜枝岐のとちみつパンケーキからスタート
優しい甘さが口いっぱいに広がります。

とちみつパンケーキ

ゆっくり準備してまずは沼尻を目指す。
今日のルートはナデッ窪~俎嵓~御池と個人的には一番好きなコース取り
まずは弥四郎清水で水を汲んだ後、尾瀬ヶ原と至仏山を眺めてからスタート

朝の尾瀬ヶ原と至仏山

森林内を進み段小屋坂を登り、白砂峠を越えて沼尻へ到着。
ここから燧ヶ岳のクラシックルート、ナデッ窪へ

~~燧ヶ岳ヒストリー~~
長蔵小屋初代主人の「平野長蔵」氏は明治22年(1889年)にナデッ窪より燧ヶ岳初登頂を果たす。その後、仲間と共に石祠を担ぎ上げ、俎嵓にお祀りした。
明治23年(1890年)には沼尻近くのオンダシ沢に参拝用の行者小屋を開き、この年が「尾瀬開山の年」と言われる。

沼尻休憩所

沼尻の休憩所でしばし小休止
山道具について話したり

そしていよいよナデッ窪から燧ヶ岳に向けて出発!
基本的に整備されていない道なので倒木もそのまま放置されている。
また斜度が出るまで少し不明瞭な場所もあるのでしっかり踏み跡を確認しながら進む

少し進めば沢地形に変化していき道は明瞭になってくる
その後斜度はどんどん増すのでテント泊装備にはなかなか堪える

秋の爽やかな空気が心地いい

小一時間も登れば眼下に広がる尾瀬沼が

両手両足を使いながらグングン登る
さっきまでいた沼尻のはるか下降に見える

後ろを振り返れば尾瀬沼が見下ろせるロケーションと、高度感を感じる地形がこのルートの醍醐味

山頂まであと少し

山頂到着
石の祠と奥に尾瀬ヶ原と至仏山。左奥の方に上州武尊も見える。
天気はサイコー心地いい

石祠と尾瀬ヶ原と至仏山

尾瀬沼とミノブチ岳
長英新道から行ける

ミノブチ岳と尾瀬沼

燧ヶ岳最高峰の柴安嵓と裏燧の爆裂火口
このアングルがお気に入り
今回は俎嵓までとした。

柴安嵓

しばし景色を堪能し御池へ下山開始
このルートは熊沢田代と広沢田代の二つの湿原を歩く一番人気のコース

それにしても笹が生い茂って足元が見えにくい

熊沢田代に到着
メルヘンチックな景色が広がる人気スポット

それにしても木道の崩壊が進んで随分歩きにくくなっている
個人的に思う事として尾瀬は湿原以外にも林内から山に至るまで木道が張り巡らされ過保護が過ぎる
そして管理しきれないから崩壊が進み人工物が逆に危険個所を増やす要因になっていると感じる
自然保護の観点から、また景観的な部分も含めて湿原に木道は必須だが、それ以外の場所をどのように整備を進めるか、今後の課題の一つだと思う。

まあそんな能書きはさておき無事下山した我々一行は御池からもう一台の車を小沢平から回収し、南会津の秘湯「木賊温泉」へ向かった

ここは個人的に一番好きな温泉で、足元から湧き出る単純硫黄泉の優しいお湯はとても温まる
地元の人もよそ者に優しく、登山者、釣り人、ツーリング客と沢山の人が訪れるが、この日は我々だけの貸し切り状態だった

木賊温泉
入浴料は300円

おわりに

今回の山旅は尾瀬という自然保護発祥の地で自由に釣りが出来るルート(特別保護地区外)から東北最高峰の山へ登り上げるアクティビティをクロスオーバーさせる遊び。繋げて遊べば充実度は2倍3倍にもなる

山なのか観光地なのか中途半端な尾瀬に若者は離れ北アルプスへ向かう。
しかしやり方次第で充実の山旅ができる事、まだまだ知られていない尾瀬の楽しみ方を今後も探っていきたい

ヤマキショウヘイ


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