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俺のイントラコンカへの認識は間違っていたのかもしれない

十数年ぶりにイントラコンカ(インナーイヤー)型イヤホンを使ってみました。
結果としてイントラコンカへの認識が変わり、ひいてはApple EarPodsに対する評価も上がったという話。

普段はカナル型ばかりなのですが耳に合ったイヤピを使っていてもやはりちょっと疲れたり蒸れたりします。
そこで、もっと楽に聴ける環境を整えようと考えいくつか試してみました。

結論:水月雨 U-2が良い…たぶん…きっと…

イマイチ歯切れが悪いんですがイントラコンカの付け方の正解が分からないことと、今回試したイヤホンが単にフィットしていないだけで実はもっとフィットしてかつ音が良いものがあるかもしれない、という状況なためです。

詳細はこのあと書きますが、U-2を浅めに装着したときの音や装着感が比較した中では一番好きでした。

次点でAppleのEarPods(何年か前までiPhoneに付属してたやつ)が良かったです。

試したイヤホン

以下、試した順で感想を書きます。

水月雨 U-2

十数年ぶりのイントラコンカ一発目はこちら。

デザインが最高すぎる

第一印象としてはめちゃくちゃ音が悪くて失敗だと感じました。

深めに装着したりシリコンカバーを付けて隙間を埋めたりしたところ低域が出すぎてしまい他が引っ込んだ酷く籠もった音でした。
このことからボーカルや高域が綺麗ということで定評のある水月雨の音ではないのではと考え、装着方法を改めてみることにしました。

深さや角度をいろいろ試したところ超浅めかつ耳の穴に角度を合わせて装着すると「耳のすぐそばに小さいスピーカーを置いている」という感覚でかなり良い印象になりました。
浅めでも筐体が大きい故に程よいホールド感で、慣れると付けている感覚がかなり薄れて快適です。蒸れもありません。

この付け方だと密閉されていないため低域の存在感が薄れるため沈み込むような低域などは感じられないものの全域バランス良く鳴っています。
ただ、後述の他のイヤホンと比べて低域が出るため臨場感がすごいです。
また、音場が広く感じられるようになったことでバンドサウンドにおけるスネアの空気感がかなり気持ち良いです。

ポジションを合わせるのが少し大変ですが、初めての感覚で感動しました。

HZsound Cymbals MAX

続いてはセールだったこととプラグを2.5mm、3.5mm、4.4mmと付け替えられるギミックが気になり買ったやつ。

(ちょっと臭う)ケース付き
※ちゃんと使う前に返品したので写真が雑

ぴったりフィットする位置だと低域の質がイマイチで、U-2と同じ位置だと物足りないという感じでした。(いずれもスポンジパッドあり)
スポンジパッドは全て覆うタイプとドーナツタイプが付属しています。前者は全体的に音がマイルドになり後者は隙間が埋まることで低域が締まるような感じでした。
ただ個人的にスポンジパッドは目が粗く皮膚が痛くなったので無しでした。

全体的にU-2と比べて地味な印象で特筆することが無いな、というのが正直な感想です。

なおこちらは左右の印字が逆という不良個体だったので返品しました。
逆位相だったわけじゃないしイントラコンカだから逆に装着すれば良いのですがそこまでして使い続ける理由も無いので…。

リファレンス音源に『五等分の気持ち』入れてるからすぐに気付けたけど入れてなかったらしばらく気付かなかったでしょう。サンキュー中野家の五つ子。

Apple EarPods

ここに来て急に何のひねりもないイヤホンを挟みます。
一回ニュートラルにしておこう。

もはやレトロ感すらおぼえる

もともとはEarPodsメインで、その後中華イヤホンでカナル型に移行しました。
当時は「付属イヤホンだし大した事ないだろう」という先入観に加えて比較対象がカナル型だったためダメダメな印象だったんですが、イントラコンカという括りで改めて聴くと普通に良いですね。(EarPodsってイントラコンカって括りであってる?違ったらご指摘ください)

どの装着位置でもしっかりと鳴っている感じがあり没入感があります。
特に没入感という観点で言えば今回挙げたどのイヤホンよりも確実に強いです。イントラコンカ型とは言えカナル型との中間みたいな印象です。

あとU-2を体験したことで奥までしっかり入れる=ベストなポジションではないということを学んだので、試しに少し浅めに装着したところ程よい開放感と没入感を得ることができました。

ただ、いずれの位置もU-2と比べると閉塞感があります。
加えて深めだとやや蒸れてしまいますし、浅めだと蒸れや閉塞感は改善するものの筐体の小ささもあり外れそうな感覚が若干あるので付けていて気になります。

入手性とコスパが抜群に良いし音もそこそこ良いけどリスニング体験としてはやや微妙、という感じですね。
U-2を知ったからこそ得られた知見なのにU-2を知らなければこれで満足できたのにというなんとも言えない感情になりました。

没入感重視で開放感との両立したいならこれ買っておけば良い気がしました。

NICEHCK EB2S Pro(4.4mm)

最後の最後で低価格の定番機。

…が、これは一聴した瞬間不良個体だと分かるくらい左右の音量バランスがおかしかったうえに、かつてないくらいDACが熱くなり流石に怖くて使えないので返品。まさかニ連続で不良個体を掴むとは…。

不良箇所を差し引いても音質やフィット感いずれもU-2の方が好みだったかな、という感じでした。

余談ですがEnthu(以下略)からは二度と買わないです。
発送遅いし紛争(=アリエクの介入)のキャンセルさせようとしてきたり対応がマジでだるかったです。(紛争キャンセルすると再度紛争開始できなくなるらしい)
調べてみたら同様の不良があるレビュー見かけたり、謎の電池送ってきたりヤバそうなのでハズレセラーでした。推測でしか無いけど無在庫販売だったりB品仕入れたりしてんのかなぁ。


というわけで度重なる不良個体への対応で疲れたというのもありここで一旦終了。
結局U-2が自分に合ってるんだなという結論に至ったわけです。

対抗馬としてはNOBUNAGA Labsの鶯などがよく挙げられていますが別の機会に試聴してみようと思います。

イントラコンカへの見方が変わった

今回の比較でイントラコンカ型をカナル型と比較した場合、イントラコンカに対して2つの捉え方ができることに気付きました。

音楽への没入感や聴感上の音質よりも開放感を優先するもの
あるいは
開放感からくる空間表現やライブ感を楽しむものでカナル型のような分析的な聴き方ができる方式と比べるものではない

前者はカナル型を上位と位置付けイントラコンカ型を下位として、ある意味妥協も込みの捉え方です。

後者が今回至った結論です。
イヤホンとヘッドホン…極論を言うならイヤホンとスピーカーのように別モノとして横並びに扱うという捉え方です。
いくつかの機種を試してカナル型は脳内で鳴っている感覚で、イントラコンカは耳にスピーカーを直結しているみたいな感覚だったことからこの考え方に至りました。

まぁ視点を変えたと言えばそれらしいですが失敗を認めたくない正当性を見出したいみたいな気持ちもあったのかもしれません。

実はU-2は諸事情により記事を書き始めた段階ですでに手元に無かったのですが、結局買い直したくらいには後者の捉え方には納得しています。

まとめ

色々と書いてきましたが、ことごとく合っていない機種しか触っていない可能性もあるため的外れなことを書いているかもしれません。
ただ、カナル型と比べるとイントラコンカの正解って分かりづらいなと思ったと同時に、だからこそ自由で楽しいものなのかもしれないとも思いました。

U-2に関して「低音が出すぎている」という深く装着したときの自分と同じ感想を見かけました。
自分の場合は装着方法を改めることでその出すぎている低音が良い方向に作用したことからカナル型以上に装着方法によって全く印象が変わるため、イントラコンカこそ試聴したうえで好みのポジションを見つけることが重要だと感じました。

今回の購入ラッシュを通してイントラコンカへの認識が変わったのでとても良い経験になりました。

イントラコンカはカナル型のような絶対王者的な音質で語るものじゃなくエモさで語るものなのかもしれない。

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