見出し画像

大阪の夜の祭りに行ってきた話 前編

はじめに

「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 燿城夜祭 -かがやきよまつり-」というライブが先日ありまして、それに参加してきたのでちょっと書きますね。こちらのイベント、23年6月10日(土)・11日(日)の2日間で開催されました。一から十まで丁寧に書いているといつまで経っても終わらないので、時に軽快に、時にねちっこくまとめていきます。前編では出発からDAY1までの思い出を振り返りたいと思います。もしお時間ありましたら飽きるところまでご覧いただけますと幸いです。
ちなみに、特にこの記事とは関係ありませんが、僕のお気に入りのアイドルは八神マキノさんです。

いざ大阪へ

タイトルの通り、会場は大阪です。世に溢れたオタクのライブ体験記ならば、きっと家を出発して会場に着くまでのあんなこんなの多種多様な素敵なエピソードトークが挿入されてしかるべきですが、僕は省きますね。なんか空港行のバス乗って、ANAの飛行機乗って、大阪入りしました。出発前にトイレ寄った時に、入れ違いに出ていった人がスマホ忘れてたので教えてあげて難を逃れるという後々何か起きそうなフラグ発生イベントも起こったのですが、特に回収されませんでしたね。
空港は伊丹空港に着きました。別に関空でもよかったんですけど、伊丹空港に入ったことないなっていうだけの理由で選択しました。僕の無気力行程に由来する旅程なので、伊丹空港で何かしたわけではないです。マジで空港に着いてどこにも寄らずに次の移動のバスに乗り込みました。多分僕が異常なだけで普通の人でもオタクでもここで通常なら何かしらのイベントが発生すると思います。でも何もしてません。
それでも流石の僕でもわざわざ大阪くんだりまで来て会場直行では流石に味気ないなと思ったので、ちょっとだけ寄り道をしました。大阪はいっぱい観光名所がありますからね。
で、行先は日本橋オタロードです。僕は頭がおかしいので、わざわざ飛行機に乗ってオタクショップに行きました。今考えても人として欠損があるとしか思えない行動です。数時間後にオタクの群れに突撃することが決まっているのに、何故その前段階にオタクの巣に向かう必要があったのでしょうか?いうてもオタクショップの風景なんてたぶん全国どこでも大概一緒です。所狭しとオタクグッズが並べられ、それをオタクが眺めているというだけです。何の価値もありません。教養も得られません。時間の無駄です。日本橋近辺で貴重な旅の時間を無駄遣いして、いよいよ会場に向かいます。

会場はすぐそこ

日本橋で旅の恥は掻き捨てず貴重な時間を投げ捨てた後は、とりあえず宿泊地にログインしに行きました。天満橋にある芙美子(敬称略)の宿です。空港と違って宿は一応理由があってここをチョイスしています。まずは立地。正直大阪のことは全然わかってないのでとりあえず会場から近いとこがいいなぁというシンプルな基準がありましたが、最寄り駅の京橋周辺は検索スタートの遅かった僕が探し始めるころにはめぼしいところはあらかた埋まっていたこともあり、比較的近い(ようにGoogleMapでは見えた)天満橋を選択しました(余談ですが案外会場まで微妙な距離があり、徒歩で移動したDAY1は到着時には暑さと疲労で余計な負担を背負い、DAY2はなんか雨降ってたから結局地下鉄で大阪城公園まで移動するというクソムーブをとったのでRTA的にはやり直し不可の選択でした)。それと立地以外にもう一つポイント高かったのが、天満橋芙美子には大浴場があったことが挙げられます。普段はなかなか足を伸ばせる湯船に浸かることは多くないので、僕の中で遠征宿に大浴場が付いているというのは地味に好印象なのです。「いや他にもデカい風呂くらい○○にもあるやろ」という関西人のツッコミが入るかもしれませんが、僕が発見していないのでそれはシュレディンガーの風呂です。ホテルのサイトを開くまで大浴場があるかないかは分かりませんよ(?)。
とまあ、チェックインからの大阪城への出陣となりました。前述の通りDAY1は徒歩での移動だったのですが。クソ暑移動でした。カンカン照りではありませんでしたが、蒸し暑く地味に短くない距離を歩き続けるのは完全にやらかしでした。正直到着前に結構体力を消費していた部分があったと思います。長男じゃなければ耐えられなかったかもしれません。天満橋自体は大阪城エリアの真横にはありますが、ホールは反対の位置だったのが良くなかったですね。そんなこんなでテンションと体力を落としながら、チカク/テ/トオイ/スグトナリ(イエーイ)、ようやく大阪城ホールに到着したのです。

開城はすぐそこ

ホール着が15時半くらいになったこともあり、DAY1は結構あっという間に時間が経っていた印象です。キッチンカーもフラスタも結構な渋滞ができていました。ここで僕の生来の物臭魂が発揮されます。「並びたくない」。ここはスルーです。休日の観光地ということもあり、オタクも多いがパンピーも多い。散策していると敷地内の球場?広場?みたいなとこでもなんか催し物が開かれていて、僕も真っ当に生きられていればこっち側の空間を楽しんだり、そんな世界線もあったのかな……と3秒くらい考えて、「いや無理だな」と踵を返してオタクエリアに戻りました。僕の転落人生は恐らく年齢ひと桁の時点で始まっていたので、人生二周目やり直しでも多分リセットできません。やるなら異世界転生しないと無理だと思います。
オタクの中心地である噴水広場に移動します。見ると和服オタクが少なくありません。ライブのコンセプトでもありますし、事前配信でJちゃんが「和服だと楽しいよ!(意訳)」と言っていたこともあり、いつもの現地の光景とは一風変わった雰囲気を醸し出していました。オタクの鉄板装備であるキャラ法被も、公式ライブグッズで発売されていたのも相まって雰囲気に合った印象です。こういった非日常の景色を目にすると、ワクワクしますよね。普段は暮らす場所も立場も違うオタクが集まって同じ時間を過ごす。一般の方が傍から見れば怪奇現象かもしれませんが、足を踏み入れるとこれはこれでまあ悪くないかと思えるおかしな空間ですよね。
疲れてたこともあり、ここからは大して動き回らず、スタバの隣りくらいに固まってたオタク集団に身を寄せます。そうです、この2日間、僕と同じように発狂し、笑い、涙することになるあの集団です。言ってしまうとDAY1は色々な意味でこの段階では探り探りの心持ちで雑談を交わしていましたね。
そうこうしているうちに時間が過ぎ、遂に城門が開かれました。開場ならぬ開城の時間です。大きな期待とちょっぴりの不安を握り締め、オタクたちは一人、また一人と出陣していくのでした。

笑顔の祭りにゃ、福来る

会場に入ると、外の蒸し暑さとは対照的に、過ごしやすい温度でオタクたちを迎えてくれました。スタンドの椅子はゆったりとしており、オタクの密集にも耐えうるいい出来です。後日見聞きしたところによるとこちらの会場はアリーナの席もいつものパイプ椅子ではないらしく、オタクのお尻に優しい世界が広がっていたようです。座席ガシャが開封された時点では一体どうなることかと騒がれたステージ構成はセンターステージTの字型という形態でした。ステージの四隅には何やら夜店の如き屋台が立ち並び、画面の向こうで見たことのあるおじさんなんかが店を開いています。流れるBGMもそれっぽい、お祭り会場をイメージさせる笛の根が鳴り響いています。ステージではダンサーの皆さんがおじさんたちの屋台を楽しそうにひやかしています。なんかパーティーの主催をやってそうな人もいたらしいですけど、多分気のせいでしょう。そうしているとぬるっとモニターに協賛企業の文字が浮かび上がります。普段のライブだと音楽が大きくなっていよいよ!みたいな形で始まるのが定番ですが、今日のライブは一味違う。祭りはもう始まっていたのです。本日のメインイベント、燿く舞台の幕が上がります。

演目でいわん その1

「可能な範囲で」シンプルに振り返っていきますね。「可能な範囲で」ね。伝わらない箇所があったらスルーしていただければ。

1.Yes! Party Time!(和太鼓アレンジ)
初手イエパは雑なパワーカード(失礼)。嫌なやつなんておらんやろという力押し。サイゲフラスタの辺りでアレンジのネタバレがあったとかなかったとか。

2.満願成就♪巫女の神頼み!
3.Shinobi 4.0 忍者のすゝめ
披露済みとはいえ有観客では初披露。念願の有観客ライブかつ和風テーマのライブということで適材適所の配置ですね。

4.プライスレスドーナッCyu♡
助っ人にそこ持ってくる?面白いね。

5.ヒーローヴァーサスレイナンジョー
ここも有観客初かな?初披露時がVR演出付きという変化球だったものの、真っ当にやってもカロリー消費凄そう。雲の上の宙明先生にも届いたかしら。

6.全開!ミラクルアドベンチャー
初披露。終盤にアホのようなPa編成があったせいで誤魔化されてるけど、この曲も結構頭空っぽ系(失礼)で楽しい。なお、デレステではCu曲(?)。

7.パ・リ・ラ
知能はオレがおいてきた。ハッキリいってこの闘いについていけない…(by JUNGO)。ラストエリアに置かなかったのは多分JUNGOの優しさ。

8.不埒なCANVAS
不意打ちはやめろ(n回目)。冷静なれば割と残当だったかも。

9.花簪 HANAKANZASHI
個人的に都丸氏の歌い方がすごくはんなりしていて良き。演者数でいえば決してCuは多くなかったけど、純Cuパで纏められてたのもポイント高い。

10.日々あどべんちゃーなのでしてー
かわいかった(小並感)。燿城夜祭のダブルセンターの一角としてはいい意味で重すぎないパフォーマンスで良かった。

11.夏恋 -NATSU KOI-
不埒だったせいで「まさかこっちも……?」と無駄に身構えてしまったのは内緒だ。

12.ささのはに、うたかたに。
ライブコンセプトによくマッチしていた。演出だったのかミスだったのかリアルタイムでは判断できなくて、終演後にオタクと話して確認したのはご愛嬌。

13.なつっこ音頭
ロリ曲のロリ抜き。直近でデレステでイベントでやったし、ライブテーマにもピッタリ。会場に野生の主催が出没したせいで別の音頭のセトリ読みしていた人もいたとか。

閑話休題 MCぱーと

今回は〆のMCもソロ曲披露メンバーの各日2名ずつだったので、実質この縁日パートがメインMCコーナーになりましたが、悪くなかったです。結局アイマスのライブに来るようなオタクは声優さん同士のワチャワチャが嫌いなわけないんですよね(偏見)。ライブによっては真面目な裏話なんかが聞けて楽しいこともあるけど、今回はお祭りなので、ひたすらワイワイ賑やかな流れでよかったと思います。ライブパート以上にMCパートは配信に映ってないところが面白かったりするので、現地マウントが捗りますね(僕は記憶薄めなので主にイラストでライブレポしてくれる人のおかげで。)

演目でいわん その2

14.廻談詣り
ある意味一番ステージ四隅のモニターの有効活用をしていた曲。3人の曲ですものねある意味。

15.N.O.R.〜Notes of Revolution〜革命についての覚書
喉は大丈夫なのかと余計な心配をしてしまうハイテンション。今回が初披露だったので多分もう一回くらいやったらオタクのコールの声量も跳ね上がりそう。

16.サイン・オブ・ホープ
DAY1随一の泣き曲。ヒーローは悩んで苦しみながらそれでも立ち上がるもの。神谷さんのパフォーマンスも大変そうなのが伝わってきたけど、その姿が困難に立ち向かうヒーローに重なって余計泣けてしまった。段々とオタクの声量が大きくなっていったのも演出の妙。ヒーローはオタクの憧れ。そりゃ声も出ますよね。僕の心の中の少年も全力で応援してましたよ。デレステ実装時から名状しがたい感動があったけど、現地であのパフォーマンスを魅せられたらたまりませんわ。奇遇にも我が家にはCM064~066があるのでいくらでも聞けるんですがあの熱量からしたら物足りなくなっちゃうんだろうなぁ。

17.ハートボイルドウォーズ
かっこよ。ライブテーマにそぐわないといえばそうかもしれないが、結局パフォーマンスの力で殴られればオタクは屈服するのだ。この曲と「Joker」を聞けば何故大和亜季がCoであるのかよくわかる。

18.Nightwear
ロリアニメに舞い降りたアダルトの刺客。気に食わない人もいるかもだけど、LiPPSがデレステ最初のオリジナルユニットになったことはその後の発展に少なからず寄与していたことがよく分かる。

19.義勇忍侠花吹雪
デレステの和ロックといえば「美に入り彩を穿つ」、という意見は多いのだろうが、僕は義勇推しなんで。オリメンフル尺を現地で観れたのは貴重な経験でした。

20.大阪タコちゃんラブちゃん
早くから難波笑美を応援していた人にとっては、長年待たされたことは素直に受け入れがたい部分もあるかもなのだが、大阪の会場で、和がテーマのライブで、センターを担う大舞台で初めてのソロ歌唱のタイミングがやってきたのは滅茶苦茶意義のあることだと思うんですよ。ましてやこの曲、コロナ禍真っ盛りのコールなしライブだったら多分魅力の3割も発揮できないと思うんですよ。難しいこと考えずに、頭空っぽにして声張り上げて盛り上がるのがこの曲に対する礼儀だと思うんですよね。その意味では、満を持しての発表&初披露だったと思います。奇しくもDAY1は「サイン・オブ・ホープ」と揃ってPaソロ曲初披露のステージとなったわけですが、静と動ならぬ動と動の組み合わせになった1日でしたね。

21.情熱ファンファンファーレ
泣けるPa。元気で明るい曲なんだけど、力押しじゃなく背中を押してくれる暖かい曲ですよね。

22.サマカニ!!
夏祭り。文字通りですね。この辺りで「今日はUO余りそうだな」という僕の杞憂はもう粉々に打ち砕かれています。また?また?曲が変わるたび次のUOを取り出すオタクの気持ちを考えよ。

23.Orange Sapphire
UOはまだ残ってるよね?明日の分?それは明日買いに行けよ。ってセトリが言ってた。実は2月のMoIWでこの曲が入ってなかったのが個人的に引っかかっていて。デレのコール曲といえば何はなくてもこれだと思っていたので、この曲が欠けていたのは少し寂しかった部分があったんだけど、ライブの直前でコールが解禁になった点、シンデレラ単独のライブでのコール解禁まで温存していたのかもしれない、って勝手に受け止めたので個人的な引っかかりは勝手に解消されました。

24.Wish you Happiness!!
HNYのテーマ曲ともいうべき曲。歌唱メンバーも当該ライブの参加者だったとのこと(後で知った)。この終盤にきて、ようやく自分の中で一つの気付きが得られた部分があります。燿城夜祭の表のテーマは名前の通り「お祭り」だと思いますが、もう一つの言わば裏テーマともいうべき内容が「Happy New Yell !!!とTropical Landの忘れ物の回収」だったのではないでしょうか。この2つのライブの共通点として、コロナ禍開催のライブかつ完全無観客での配信限定ライブであったことが挙げられます。現地チケットを握っていたオタクたちの無念、時世柄の急遽レギュレーション変更に伴う万全な公演を開催できなかった関係者の無念、それら無念さを時を超えて晴らすという目標が今回の公演の裏に隠されていたのではないでしょうか。勿論オタク特有の考えすぎと言われてしまえばそれまでなのですが、僕にはもうそうとしか思えなくなってしまったのです。失ったものはもう戻っては来ないけれど、失われてしまったもののうちのほんの少しでも、今回の公演を通して取り戻すことができた人がいたのだとしたら、それはとっても素敵なことだと思うのです。

25.悠久星涼
さんざん温度上げさせといてのタイトル通りの清涼感、いや星涼感。お祭りの終わりはちょっぴり物悲しいものです。メリハリの利いたいい演出でしたね。初見では正しく読めませんが。

26.サマーサイダー
DAY1の隠し球。ライブのテーマとしては違和感はないものの、アンコールからの一発目にこの球を投げてくるのは流石に予想外。それでも歌詞をよくよく読んでみると、DAY1からDAY2へのバトンを繋ぐ曲としてみればなるほど正に投げるべきして投げた一曲だったのかもしれませんね。
「もっともっと 夏は青くなる 期待よ続け」

27.お願い!シンデレラ(和太鼓アレンジ)
OPがアレンジならEDも当然アレンジ。一時期の距離感のあったワチャワチャ感は今や昔。やっぱりおねシンはあちらこちらで目で追えないほどの騒がしいステージであってほしいですよね。

祭りはつづくよ

ということで、あっという間のDAY1でした。本来なら終演後はセトリをふりかえってあーだーこーだの流れが鉄板かと思いますが、一部界隈ではアイマスライブ恒例の業務連絡で落とされた爆弾の大きさに、1日の記憶が大きく削られてしまったところもありまして……それはまた別のお話ですね。
個人的には、退場後の一幕を少しお話させていただきたいです。
僕の座席はスタンド規制退場の一発目の列だったこともあり、早々にドアの外に飛び出せたのです。あまりに早くの脱出だったこともあり、着の身着のまま荷物を抱えて飛び出してしまったこともあり、エントランス?部のベンチで荷物をまとめて法被を畳んでから場外に出ることにしました。そこで通りすがりの女性から声をかけられ、如何に「不埒なCANVAS」で自分がテンションが高まったかという感想を伝えていただき、それを聞いてとても楽しい気持ちになったことをここに明記しておきます。誰かに感情をぶつけたかったそうです。わかります。ちなみにそんな彼女の額に「浅利七海」と書かれたハチマキが巻かれていたことも無関係ではなかったかもしれません。
場外に出た後は打ち上げに参加させていただきました。お店への移動の際もオタク話、お店に着いてもオタク話。顔と名前が一致する人も、そうでない人も、同じ時間を過ごしたオタクなら大体友達です。悪そうなやつらではなさそうです。
まだまだ完全に例のクソウイルスの脅威が根絶されたわけではありませんが、以前に比べると少しは以前の世界の形を取り戻し、ライブの打ち上げをこそこそ催さなくてもいい世界になりました。飲んで笑って叫んで食べて楽しい時間はあっという間。とりあえずDAY1はお開きです。しかしながら、先述の爆弾投下もあり、自分の中での本番はDAY2のようです。まだまだこなしていないイベントもたくさんあります。明日へのまだ見ぬ期待と不安を胸に抱き、オタクは眠りにつくのでした。


後編へ続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?