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駄々をこねる


2024.03.17



駄々をこねる少年を見た。


セブンティーンアイスの自動販売機の前で


ひっくり返っていた。


大きな声で泣いている。



母親は、「ダメ」とだけ言い放ち


エレベーターが来るのを待っている。


欲しいアイスのディスプレイをバンバンとたたき

必死に泣きながら訴えていたが、

その要望は通らなさそうである。


欲しいもののために、あんなに泣くことは


大人になったらさすがに無いはずだ。


大人は我慢を覚えるから。


人目を気にせず、泣いたり

ひっくり返って暴れたり

側から見たら、

目をしかめられるかもしれないが

あんなに泣いてまで

アイスが欲しいのか、と

全力で感情をむき出しにできる少年が

少し羨ましいと思った。



少年よ、


大人になったらね、そのアイス、

何個でも買えるようになるし

いくら食べても怒られない日がくるよ。


でも、そんなに全力で泣けなくなるよ。


そんなことを横目でみて考えていたら

エレベーターがやってきて、

母に連れられドアが閉まり、

あっという間に泣き声は遠くなっていった。


その後、仕事が終わって私は


自動販売機よりも高い、抹茶屋さんの

抹茶ソフトを買い、

片手に持って

颯爽と、帰ってみたりした。


✏︎oyug.

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