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好きだった仕事

もう20年くらい前の話
私は食品スーパーのバイヤーをやっていました

メーカーさんと商談し取扱う商品を決める
簡単に言うとそんな仕事です

それを実際の売り場に並べるとどうなるかのイメージ図を作り各店で実現してもらいます

そのイメージ図を作る作業を「棚割り」と言い私がバイヤー時代に一番楽しかったのが
その「棚割り」です

当時はバイヤー自ら棚割りをする人間は見たことありませんでした

大手の問屋さんが棚割りを作り、提案されたものをバイヤーが修正していく、手を加えるならまだいい方で、提案されたものをそのまま店に流す
まわりを見渡せばそんないい加減なものでした

私は自分で決めた商品には思い入れもあったし
それをどう並べれば一番買ってもらえるのか?

全部自分で味を確かめ、中身を確かめ自信をもって薦められる商品ばかり

当然並べ方にもこだわりがあります
目線の位置、商品の形状、パッケージのデザイン、同色系で並べてしまってはそれだけで商品が死んでしまうので、それぞれが活きる配色、
時にはパッケージデザインにまでメーカーさんに変更要望を入れてました

しかしここまでは絵に描いた餅
この通りお店で並べてもらわないと意味がない

実際にお店でそれを並べるのは大抵パートさん
なので担当者とのコミュニケーションも出来るだけ密にしたかったので、店舗回りや担当者ミーティングなども頻繁に行いました

そして並べただけでは手に取ってもらえないので、様々な販促をかけます
〇〇キャンペーンやら〇〇セール
広告やら特売やら
それもメーカーさんと何度も商談して決めていきます

食品スーパーに何を買うか決めて来るお客様は2割と言われています
8割のお客様は店に来てから何を買うか決めるのです

お店の入り口から入ってできるだけ長く滞在してもらい、できるだけ多くの売り場に立ち寄ってもらい、できるだけ多くカゴに入れてもらってレジまで行ってもらう

お店はその為にどんな形の通路にし、どの売り場をどこに配置し、どんな商品を並べるか、どのように商品を見てもらって、どうやって手に取ってもらうか、実に様々な仕掛けがそこにあります

自分の担当売場だけ単独でがんばっても
お店全体のストーリーに合っていなければ
お客様としては買いづらい店になってしまう
だから販促は他部門との調整も大事です

つづく



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