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うどん

 今日はとてもいいことがあった。バイト先からウチまでの道には10の信号機があるのだが、今日は一つの赤信号も見ることなく帰宅できたのだ。こんな小さなことに幸せを感じられる自分は、本当にシアワセだと思った。


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 私の地元、香川県の名物に讃岐うどんがある。いや、うどんしかない。

 純白の麺に、黄金色に輝く出汁。これがウマい。そして安い。皆、アホみたいに食べている。1日3食うどんだとしても、きっと私は怒ることなく笑顔でうどんをすするだろう。

 うどんの原料は小麦、塩、出汁を取るための鰹節やいりこくらいである。しかし、どの店も個性が輝く。同じかけうどんでも店によってかなりの違いがわかる。ぜひ、香川へお越しの際は数軒のうどん屋を巡って欲しい。


 ここまでシンプルな材料で、10軒10色のうどんが生まれる。流石職人、流石うどん。こんな食べ物って他には無いように思う。



 私たち大学生というのは、多少の差はあれど皆、大体同じような毎日を過ごしている。授業にでて、サークル・部活へ行き、バイトをする。たまには仲間とお出かけしてみたり・・・このシンプルなサイクルでいかに自分の個性を出すのか。悪目立ちするわけではないが、皆と同じではつまらない。自分の個性を出しつつ、いかに他人の個性と協調性を保つのか。。。自分の中に答えがないことを、このような所に書くのはいかがなものかと思ったが、うどんを食べながら感じてしまったのだから仕方がない。だって「なんとなく感じたこと」なのだから。


 私は、実家のすぐ近くのうどん屋が大好きである。これは幼稚園の頃から通っているので、あの味が遺伝子レベルで刻み込まれているのだろう。のれんを見ると、ついくぐってしまう。(女性の皆さん、男の胃袋を掴めというのはあながち間違いではないのかもしれない・・・)

 そんな大好きなうどん屋なのだが、そのことを家族や地元の友人に話すとたいてい「あそこ、そんな美味しくないやろ~」と笑われる。それでも私はあのうどんが好きなのだ。


 「解ってくれる・理解してくれる人」が居るということは、とても素敵なことである。もちろん人には、好き嫌いや好みがある。全員から支持を得たいなんて、これっぽっちも思っていない。しかし、「解ってくれる・理解してくれる人」の期待を裏切ることだけは、絶対にないように生きていきたい。

 きっとそのうどん屋にも、私の他に私のような人がいるだろう。

 そして私にも、そのうどん屋にとっての私のような誰かが居ることを願う。


 自分という素材を生かすも殺すも自分である。


一杯のうどんから壮大な考え事に発展してしまった。大丈夫、讃岐うどんは伸びても冷めてもうまい。

ちなみに、私のバイト先はラーメン屋だ。

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