Unruly Japanese の最初の仕事

popcaanに呼ばれ、次の日向かったのはキングストンから5時間位の場所モンテゴベイだ。キングストンが東京なら、モンテゴベイは大阪だ。会場に着くと、サンフェスがやってる場所でかなり大きいステージだった。緊張感は多少あったがソレを超える、ワクワク感があった。昔からジャマイカでは、先輩deejayがステージに色々な若手を上げて紹介するのだが、まさか自分がそれになるとは思いもしなかった。unrulygangのメンバーと会場で合流して、ステージに向かった。この時動画を撮っていたのだが、『撮ってはいけない人も中には居るから撮影禁止だ!』と言われた。ジャマイカの人はカメラは大好きだが、無許可で撮ったりするのをスゴく嫌うので、しっかり確認しないとトラブルの元だ。何しろunrulygangだから、警察に追われてる奴も居るのかも知れない。その辺はあまり触れないほうが良いみたいだから気にするのはやめた。この国ではガタガタうるせー人間は、正直嫌われる。何があってもNO PROBLEMなのだ。文句を言わない奴がラガなんだ。どんな辛い状況でも笑っていられる奴がラガなんだ。

いよいよpopcaanの時間が始まる。会場は満員、ブブゼラと歓声が入り混じりめちゃくちゃ盛り上がってる。ステージに上がれるのはpopcaanを含めて何人かだけ。俺もステージに上がれた。しかし打ち合わせも無いからいつ歌えるか分からない。いつでも出れるように準備していた。
そして、盛り上がりも最高潮のときにpopcaanが『日本人のヤバい奴を紹介する!』とMCをした。いよいよ俺の番だ。正直初めてのSHOWでbigdanceだったから緊張したが、思い切りやった。すると歓声がデカくなってきた。『kick outttt!』
しっかり盛り上げることが出来た、unrulyjapaneseとしての最初の仕事は成功した!
そして、会場を後にしてpopcaan御一行は、打ち上げを某Hotelの駐車場でやりだした。ヘネシーとビッチとギャング。映画で良く見たコテコテの感じだ。ジャマイカでは先輩が後輩に女をあてがったりすることもあるのだが、popcaanもモベイのビッチ達を、メンバーのみんなにあてがっていた。俺は日本人だし、そんなこと無いだろうと思ってボケっとしていたら、
『triga finga 来いよ。この女に抜いてもらえよ!』そうpopcaanに言われたが、目の前に居るのはthugのパッション全開で肌の色をブリーチしたタトゥーも一杯入ったギャルだ。正直なところキツかった。俺は返す言葉が出てこなくて、『NO』とだけ伝えたら少し寒い感じになってしまった。もっと上手い返しが出来ないと寒い奴になる。言葉の勉強をもっとしなくてはと強く思った。popcaanは友達にしたら最高の男だ。時々イタズラの度が過ぎるから嫌な人は嫌みたいだが、彼の自由な言動は楽しい。そして仲間にも優しい男だ。カーテルに付いて居たから色々と勉強したのだろう。先輩の失敗を反面教師にしている気がする。この日を境に確実にdeejayとして何かが変わった。自分次第で未来は変えることが出来る。この行動が年末のジャマイカの紅白歌合戦STING出演に繋がるとは思いもしなかったが、出ることになった。当日はみんなにお世話になったのを思い出してぶちかまそう。俺がみんなに出来ることはそれ位だ。STING出演も簡単では無かったが。その話は後日。ポジティブでいれば人生は最高になる。君も言ってみるといい。『人生最高かよ。』

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