27歳で亡くなった友人について

中高時代の友人が亡くなった。

突然の知らせ。

彼女はいつも笑顔だった。
あまりにいつも笑顔なので、出会った時はちょっと痛い子だな。と思っていた。

彼女のお父さんと、私の母も知り合いで
母に言わせると、彼女のお父さんもいつも幸せそうで
この世の春って感じ。がしたそうだ。
そんな彼女が唐突に亡くなった。

なぜそうなってしまったかは、半年以上経った今も分からない。
彼女は国家公務員で、海外に一人で赴任していた。
同期の中ではかなり早い結婚をしていて
意外だね、なんて言われたりもしていた。

ある友人から聞いた話では
「事故でも事件でも病気でもない、ということだけ分かっています。」
ということ。
そんなの、もう自殺しか残らないじゃん。なんでそんなこと言うんだろう。

よくわからない気持ちのまま、彼女の通夜に出席の返事をした。
実感なんて、全く湧かないまま。

通夜当日の朝、私はいつも通り出勤して
駅に着いた瞬間、喪服を忘れたことに気付いた。
「もー!私に会いに来るんだからちゃんとしてよ!笑」
彼女が笑いながら冗談まじりに怒ってる気がして、電車の中で泣いてしまった。
そうだ、そういう子だった。

いつも通りは頑張れないな。なんて思いながら昼間は仕事をして
喪服はなんとか取りにいって、着替える間もなく通夜に向かう。

シャッフルで再生している音楽は応援歌ばかりで、そんなに元気出ない。
次へ、次へ、何曲も飛ばす。

何年も前に流行ったGReeeeNのアルバム。
気にしたこともなかった“空への手紙”という曲。

亡くなった同級生のための歌だという。

最後の会話なんて覚えてないけど。
ひとりぼっちの旅は寂しいでしょう。
修学旅行は同じ部屋で、お菓子食べながら恋バナして。
信じたくない、というよりは
きっとそうなんだろうけど実感湧かないよ。
志半ばでしたか?
あの日の声が聞こえてます。
あの場所を思い出します。
あなたがいない景色に慣れてしまったので
きっといつか、あなたがいないことを実感してまた寂しい気持ちになるのでしょう。
いつか、何十年後、私が死んだ時には
また一緒にくだらない話して笑いましょう。

なんで生きてるんだろう、なんて思う時もあるけれど
もう少しやってみます。

直近の友人だけ、と聞いていたのだけど
まわり回って最終的には学年のおそらく半数以上、
先輩や後輩、先生まで列席する通夜だった。

彼女とあまり仲が良かったとは思えないメンバーも見かけ
まあ、早すぎる同級生の死は手っ取り早くセンチメンタルな気分になれるタイミングだし物珍しさもあるんだろう。くらいに見下していた。

その中で一人、中学生の頃から声が大きくて
当時から全く空気が読めない女の子が沈鬱な表情を浮かべ、放った言葉が忘れられない。
「Kちゃん、まわりにこんなにたくさん仲間がいたのに、誰にも相談できなかったんだね。」
そうじゃない!私だってKちゃんのこと、ずっと知ってたわけじゃないからこんなこと言う筋合いないのかもしれないけど
思わず彼女をたしなめた、かった。できなかった。
Kちゃんがどう思ってたかなんて分からないし、この場でセンチメンタルな女だと思われたくなかったから。

けど彼女のそんな発言に同意は出来なかった。
ひとは、お互い分かり合えない生き物だから。
Kちゃんが本当に自死なのかも分からない。

でも最後に見たKちゃんの顔は、なんだか土気色で
どうしたの、なんか顔色悪いじゃん。笑
なんて言ったら笑い合える気がして
余計に変な気分になってしまった。

Kちゃん、なんで死んじゃったの。ちょっと早いじゃん。

ずっと会ってなかったから、突然居なくなったなんて言われてもまだ全然実感できなくて。

でも悲しいことに
Kちゃんのことを話すとき、自然と過去形で話してしまう自分がいることに気付いてしまった。

やり残したこととか、忘れ物とか
Kちゃんは結構ちゃんとしてたから
意外ともうやることなかったから死んじゃったのかもしれないな。

今となってはもう何も分からないけれど。

Kちゃん、いつかまた会う日まで。

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