誰も私のことなんか好きじゃないんだ

いつしか、私は恋愛が苦手になっていた。
学生の頃は奔放に恋をしていた。
好きな人には好きと言い
言えなくても、好きであるという気持ちを楽しんでいた。
この人と一緒にいることが楽しい、私にとって幸せなことだと確信して。

でも今は、人を好きになるのが怖い。
30になったからだろうか。
人を好きになって、傷つくのが怖い。

何年か前までは、傷つくことすら楽しんでいた。
宇多田ヒカルの歌詞のように。
一人で過ごすより傷つくほうが。

なんでこんなことになってしまったのだろう。
完全に自分を見失っている。

こんな夜更けに、泣くのを我慢してコンビニに寄って
仕事帰りに開放感も感じられないまま
あぁ、私はまた失恋したのだと
帰り道は暗いから、少しくらい涙を流してもいいだろうと
自分をなだめながら
家についたら声をあげて泣く。

もう人を好きになりたくない。
誰かに好きになられたくもない。
好きじゃなくなる日が来ることが、こわいから。

もう、植物になりたい。
海になりたい。
雲になりたい。

どこか遠くへ行ってしまいたい。

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