男性と女性について(仕事の話)
建築業界は女性が少ない。
リケジョとか言う文化が発生して数年立ちますので、いないわけではないし
かつてよりは随分増えているのだろうなとは思う。
ただ、少なかった頃の名残があまりにまだ根強く残っているものだから
あぁ、女性の少ない業界なんだなとしみじみしてしまうことが多くある。
それは良いことも悪いこともある。
良いことでいうと、例えば男性に優しくしてもらえる。
これは甘やかしと捉える人もいるかもしれない。
ただ、例えば私では重くて運べないものを「やってあげるよ」というすこし見下したのか親切なのかわからない言葉とともに軽々と持ち上げて行く様子などを見ると
あぁ優しくしてもらった。と思う。
急に仕事の変更をしても、依頼をしても
しょうがないなぁ…と言いながら対応してくれる。
急なときは本当に申し訳ない気持ちがあるので、すみません…としおらしくしつつ、これが演技に見えないといいな…と思いつつ、でもやってくれるって正直思ってた…って自分でも反省したり。
女性だからではないからかもしれないけど、
それに自分が男性として生きたことがないから分からないけれど
なんとなく、私が「女子」だからそうしてくれたのかなと思うときは多い。
悪いことでいうと、当然、
なめられる、バカにされる、信用されない。
幸いにも誠実そうな顔に生んでもらったので(学生まではなんて地味な顔に生まれたんだと嘆いた日もあったけれど社会人になってからは両親に感謝しかない)
信用されないことは少ないかもしれない。
ただ、私が男だったら…と思うときはある。
同じ言葉を女の私が言うのと、男の私が言うのでは
きっと受け取られ方も違うのだろうな。と。
前職では特にそういう感覚になることが多かった。
同期でレベルもそこそこ同じ(なんなら私よりできないと当時の私は思っていた)男の子が担当のときはそこまでうるさくないのに、私が担当になった途端に愚痴だとか希望だとか説教だとかが格段に増える職人さんもいた。(職人さんという人たちは基本的に良い人で、そんなことをするやつは一握りではあったけれど少なからずいたのも事実)
同じ書類を同じように(なぜなら写してるから)書いて出したときに、同期の男の子はかんたんに受領されたのに私のは拒否されて、なんでですか?あの人と同じように書いたのにと言ってもいろいろな理由をつけて受理されないことも。
性別の違いは変えようがないので
あくまで想像でしかないのだけど
きっと私が女の子(いい加減「女性」とくくるべきだろうかと思いつつ、建築業界で20代は20代だというだけで「女の子」なのだ)だからだろうなぁと思う場面が多い中。
40代以上の女性たちが怖すぎる。
彼女たちが、今わたしのいる土壌を作ってくれたのだと思うと何もとやかく言えないのだけれど。
そして怖いというと語弊があるかもしれない。
何事にも言い方がきつすぎる。
当然、自分もつい言い方がきつくなったなと反省するときもある。
いやいや
それより彼女たちはものすごい言い方がきつい。
この違和感は何だろうと考えた結果、
LGBTという表現が浸透してる今となっては申し上げにくい気もしつつ
「オナベ」なんだな、という気がした。
男らしく、強く、と念じた結果
男性より男性らしい女になってしまったのかもしれないと。
仲の良い職人さんが話していたのを思い出した。
「オナベは男らしくしようとしすぎるあまり男らしさを超えてしまう。それはオナベらしさになってしまう。オカマも同じだけど。」と。
彼女たちは強く生きようとしたあまり、強い女性を超えてどこか違う境地に達してしまったのかもしれない。
そんな彼女たちは、もしかしたら
自分たちがつくりあげたフィールドで女性性を失わずに(と私は思っている)のびのびと仕事をしている小山田が気に入らないのかもしれない。
彼女たちとうまくやりたいとおもうし、彼女たちは笑うと可愛い。
でもなかなか彼女たちは笑わない。
私もその大変な気持ち、分かるんですけど。と思いつつ、自分はそこまで大変な思いをしてないかもしれない。と後ろめたい気がするときもある。
まだまだ先は長いし溝は深そうだけれど
彼女たちのようにはなりたくないし
でも彼女たちとは仲良くやりたい。
先輩がた、見ててくださいね。
あなた達のようにはなりませんから。
武器の違う戦友になれますように。
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