好きだった先輩が結婚した

大学生の頃、好きだった先輩が結婚した。
普段見ないfacebookをふと開いた瞬間、目に飛び込んできた。

もう何年も前の話だけれど、私はその先輩のことが好きで
でも付き合えなくて
諦めていたのに
先輩の隣に写る、奥さんになる人を見たとたん
ものすごい虚無感に襲われてしまった。

あなたは私の2年上の学年で
大学院まで進学していたから、学部卒で就職した私と同じ年に
建築事務所に就職したんでしたよね。
お互い社会人1年目で、大変で大変で
でもその合間に飲みにいったり、お祭りに行ったり、当時LINEだったかメールだったのか今となっては思い出せないけど
仕事の愚痴を言ったり聞いたりして慰め合ったりした日もありました。
私が友達と渋谷で夜遊びして、でも1時過ぎには退屈してしまって
不意に送った「今から飲みませんか?」の連絡にも
「いいよ、まだ渋谷の事務所に居るから」ってすぐ出てきてくれて。
手は繋がなかったけど、腕なんか組んだりもして
「俺、遠距離で付き合ってた彼女と別れたんだよね。」なんて話聞いたりもして。
絶対付き合えると思たんだけどなあ。

思い切って、聞いてみました。
自転車を押すあなたの隣に並んで渋谷の街を歩きながら
付き合いませんか?って。

でもあなたの返事はNOでした。

今忙しくて、付き合っても相手できないし
きっと良くないと思う。嫌な思いさせると思う。って。

なんてきれいごと言うんだろう。
普通に、後輩としてしか見られない。とかの方がまだマシだったのに。

そうやって自分も私も傷つけないように、誰も悪者にならないように私を振った先輩は
時々、お花見やるよ、とか。BBQやるよ、とか言って私を呼び出し(あくまで大勢の飲み会だけれど)

その度に私は先輩に彼女が出来ていないことに安堵していたのに。
そしてその反面、やっぱりずるい人だ。と思っていたのに。

あなたの隣で、すごく楽しそうに、幸せそうに笑いながらケーキを切る
あなたの奥さんになる人は

あぁ、私と似ている人だ。

見たくなかった。

もっと、私と全然違うタイプの人と結婚して欲しかった。

きっとすごくおこがましいことを言っているのは分かります。

私とは全然違う女性なんでしょう。

でもやっぱり、あの時に私を振った言葉は
誰も傷つけない、自分の保身のためのセリフだったのではなく
本心だったのかもしれない。と思ったら

やりきれなくて。

末永くお幸せに、なんて。

まだ言えない。

ごめんなさい。

好きでした。

きっと、まだ好きでした。

忘れたと思っていたのに。

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