時には昔の話を—花焼かぬ

大学生の頃

何かあるたび文章を書いていた

人に見せるでもなく

どこかに送る訳でもなく

ただ書いてはそれで満足していた

友人が昔書いていた日記を読み

自分の書いた文章のことを思い出し

PCを探したら発見した過去の自分

大学生の時はずっと恋愛していたみたい

驚くほど男の子のことを書いていた

かわいいなあと思うと同時に

この女の子は今どこに行ってしまったのだろうと

寂しい気持ちに

この女の子は社会に出ても自分は変わらないと思っていただろう

当時大好きで仕方なかった人は

今も好きだけどあんな情熱的に想えない

あの時の私はひそやかに

はなやかに

自分だけの秘密の花園で生きていた

くすくす

ひそひそ

うふふ

優しい花の色と

空気の匂いが思い出されるよう

この気持ちをまた書き留めておかないと

私はすぐに忘れてしまうので

いつかまたこの文章を読み

あぁ自分は変わってしまったと

過去の自分に想いを馳せるのでしょう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?