秋が去る③

今私は
詩集を読んでいるの
すみれの花の砂糖づけ

ところで
わたしの友人も
今の私と同じようなことをしているみたい

女って面白い
みんな
いとおしい
かわいい

なんて
自分の欲望に忠実な生き物かしら

私たちは三人とも、本を読むのが好きだった。
三人で同じものを読んだこともあった。
私は最近、8月20日以来、悲しいラブストーリー(女の子でも、男の子でも、失恋をするお話)を読むと、ついあの二人を重ね合わせてしまうの。
自分と誰か、ではなく。
美弥と、大村。

二人が、このまま結婚するかのような毎日を送っていて
でも
ある日突然どちらか一方の決断によって離別してしまう。
そんなお話。

実現したとしたら
どうしよう。
私は彼女の話を聞いてあげて
彼の話も聞いてあげて
きっとそんなことは無理だけど、
それで
どっちとも仲良くやって
彼と
少しの間だけ
つながれたい。

それで
何十年も経って
三人で会って
思い出して
くすくす笑いたい。

叶わない話という気がしてならないけれど、
願えば叶うかもしれないし。
ねえ
神様
聞いてる?
でも
そんな夢
叶わなくていいかもしれない。
あの二人が悲しむところは見たくないし

ねえ
神様
そんなことより
私と彼を結んでよ
彼って
あの人
うん
そう
私がずっと恋していて
でも
諦めたあの人
東京に帰ってくるのはずっと先にことになるみたいだから
そんなに長く待っていられないから

もう
私から言っちゃおう
好きです
付き合って下さい
って

私は
きっと
エンキョリレンアイに向いているのだと思う。
だから
きっと
上手くやっていけると思うの
あの人と私が
早く
結ばれる日が来ますように。
そして
私が
親友の彼氏のことを想わなくなって
二人の離別を望んだりしなくて
私も
彼も
自由で
ずっとずっと
幸せに
暮らせる日が
来ますように。

かみさま
いいこになりますから
おねがいです

私は
こういう形で
過去を
昇華させていくのだなあ。

想う
今日この頃。

四日後に
また
親友の彼氏と
会う日が来る。
二人きりではないけれど、
また
キスくらい
してくれるのではないかと
期待している。

そんな自分が
いとおしい。

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