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宇宙博2014~NASA・JAXAの挑戦~を見て来た

 現在幕張メッセにて開催中の宇宙博。今年はNASA・JAXAの挑戦と題してどのようにして宇宙開発が進められてきたかを歴史から辿って行き、現在の宇宙探査、宇宙開発の最前線の現状から未来展望までを紹介していました。

 入って直ぐのエリアでは先年退役したスペースシャトルの打ち上げ映像を見る事が出来た。人が多いので大分後ろから見ていたのですが、恐らくはスペースシャトルの最後の飛行であるアトランティスの打ち上げではないかと思われましたが、何せ天候があまり良くないので打ち上げ後すぐに雲に入る構図。

 ここは見栄えを重視して晴れた日の打ち上げや夜間打ち上げとかをチョイスしても良かったのではないかと。

 続いてのエリアからは、米ソ宇宙開発競争の歴史。

 一番最初に出迎えたのは天井からつるされたスプートニク1号。ソビエト最初の衛星にして人類が初めて地球周回軌道に乗せた人工衛星。その量脇のエリアでは米ソ宇宙開発黎明期の映像が。

 今でこそ高い成功率を誇るロケットであるが、それでも成功確率は95%程度が主流で、その昔は更に成功率は低かったということで、打ち上げ後推力低下、発射台で爆散、順調に飛行したと思われたが予定コースを外れたので爆破、あるいは方向制御がままならず迷走したのち地面に激突爆発。

 宇宙開発は爆発の歴史である(違う)

 有人宇宙飛行と言えば、ボストーク宇宙船に乗ったソ連の英雄ユーリ・ガガーリンの「地球は青かった」やテレシコワの「私はカモメ」が有名であります。

 それに送れるアメリカもマーキュリー計画を立ち上げ、フレンドシップ7号でジョン・グレンが地球周回飛行に成功、諸々トラブルもあった物の彼もアメリカの英雄として讃えられました。

 ちなみに、彼はその後77歳でスペースシャトルへ搭乗し、宇宙へ旅立っているというから驚きです。


 さて、宇宙飛行士関連のエリアを通り過ぎると今度はロケット関連の展示が始まります。これが今回の主目標。

 ここで忘れてはならないのが、現代のロケットの礎を築いた人々。

 つまり、ツィオルコフスキー、ゴタード、オーベルトというロケットの基礎を築き、後に種をまいた人々。

 それに応じたフォン・ブラウン、コロリョフ、そして糸川英夫。

 米ソの宇宙開発の中心には常にフォン・ブラウンとコロリョフが居た。

 しかし日本の宇宙開発の始まりは、糸川英夫がロケットによる超音速旅客機を……という話は別の話であり、今回は宇宙博です。

 そういった先人たちの紹介やツィオルコフスキーのロケット方程式の展示を通り過ぎると、タイタンロケットのエンジン、先端部、またサターンVのアクチュエーターなど等等。

 まあ、おいてあるだけである。


 そこを通り過ぎると、今度は宇宙船。

 まずはマーキュリー宇宙船。

 マーキュリー宇宙船は大人1人がやっと入れる程度の狭い空間に、殆ど押し込められるようにして搭乗する事から「宇宙服を着る」という表現がされたと言われており、実際かなり狭い。


 そこからさらにジェミニ計画に入るとアポロ計画を意識してかかなり大型化したジェミニ宇宙船。

 こちらでは船外遊泳なども行われ、かなり居住性能は向上しているのではないかと。

 ちなみに、この付近にはドッキングターゲット衛星アジェナも展示されています。

 その周辺にはアポロ時代に用いられていた軌道計画用の計算機などが並んでおり、どこかで見た覚えがあると思ったら内之浦のおおすみを打ち上げた管制盤と雰囲気が似ているんだこれ。

↑内之浦宇宙空間観測所併設の資料館に展示されている、実際に使用されていた管制装置。


 月探査関連の展示は、ロシアの月探査車ルノホートやアポロ月面車がメイン。

↑ルノホート、何だか顔っぽい辺りはキュリオシティの先輩格。ちなみに2号はオポチュニティ(米火星探査車)が登場するまで、地球以外の惑星で走行した探査車の総走行距離では世界一でした。

 会場奥へ進むと、スペースシャトルアトランティスの機首部分を再現したという大型の模型。

 まあ、コクピットを後方から通り過ぎるようにして見るだけだった、人が多くなければじっくり見たかったなぁ。

 また、4kならぬ8K映像による宇宙映像体験というブースでは、最新の観測写真などを超高画質で見ることが出来た。

 目が悪いというのは不幸なもので、どうなんだろう。

 更に、ここからはNASAだけでなくJAXAの展示も始まる。

 ↑日本初の火星探査機になるはずだったのぞみ。夢半ばにして火星周回軌道には投入できず。しかしのぞみで取得されたデータや技術ははやぶさの雲鷹時にも役立った。

 相模原から出張していたはやぶさ、のぞみ、IKAROSのソーラーセイルを始め、打ち上げが失敗したH-Ⅱロケット8号機のメインエンジンを海中から引き揚げたのですが、それも展示。

↓なんだったか、多分いぶき。


 とにかく大物がドンドンドンッとおかれている印象を受けました。近いのは多分筑波宇宙センターのスペースドーム。あれの規模を拡大したらこんな感じになると思います。

 ↑国際宇宙ステーションの日本実験棟きぼう

 人件費などの都合もあるので一概には言えないのですが、やはり解説に立ってくれる方が欲しいところ、いや、その為の音声ガイドなんだろうけど。

 ↑固体ロケットモータ

 ↑説明が特にありませんでしたが、横のちょっと太いのはクラスター型ペンシルロケット。

 さて、今回の宇宙博の目玉と言えるのはこれだけではありません。

 火星で活躍中のアメリカの探査車キュリオシティです。

 今回は実物大模型が置かれています。

 キュリオシティと反対側のエリアには次世代の宇宙開発という事で、宇宙エレベータや月の縦穴内部での開発などなど。


 ここまで書いて分かるのは、やはり「濃さ」という点では宇宙研の特別公開には及ばないのだなぁと。

 もちろん今回の宇宙博に展示されている数々の物品は、実物などもあり大変貴重な者ですが、それらを運用した、または運用してきた「人」と話して、経験談を聞くと言うのは中々得難い経験をしているのではないかと思い、またそうでなければ物足りなくなっている自分がいます。

 ただ、親子連れはとても良いのではないでしょうか。音声ガイドの評判は上々ですし、展示物も大きなものが多いので子供やお父さん方は楽しいのではないでしょうか。

 という訳で最後はヘトヘトになりながら幕張メッセを後にして、近くのレストランでつけ麺とビールをかっ込んで2014年夏の宇宙関係参りは終了したのでした。




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