安堵と、決意~THE IDOLM@STER 10thAnniversary雑感
『プロデューサーさん!ドームですよ!ドーム!』
アーケード版のデモムービーの最後に吹き込まれたこの台詞は、ゲームの中だけだと、ゲームの中でのみ実現されるものだと思われていた。
しかし、現実はついにゲームに追いついた。
アイドルマスターは、ついにドームに辿り着いた。
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10周年という節目に、ついにこの台詞を中村繪里子さんが、まさにそのドームの中心で叫ぶことが出来たというのは、アイドルマスターに関わるプロデューサーとしては喜ぶべきものなのだろう。
個人的な感想を言うならば「良かった、言わせてあげられた」という安堵があった。酷く高慢に思われるかもしれない。しかし、思わずにはいられなかった、天海春香、そして中村繪里子さんに『ドームですよ!ドーム!』と言わせてあげられた事を。
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2日間にわたって開催された西武ドームでのライブ、2日目はあいにく仕事の都合もあり、参加を断念し、新幹線で地元へ帰る途中、8th名古屋で舞台となったZepp名古屋、9th名古屋で舞台となった笠寺の日本ガイシホールが見えた。
ガイシホール、1万人。Zepp名古屋にいたってスタンディング約1700人。
Zepp名古屋はともかく、ガイシホールを埋め尽くしたあの光景は、素晴らしい物だった。さいたまスーパーアリーナでのライブでも、その光景に圧倒された。
しかし、今回はそれを更に上回った。
ドームを埋め尽くしたプロデューサーの数、2日間で延べ10万人。
音速分遅れて響くコール。反響する社長の声。サイリウムの海。
全てが、ドームという会場の広さを思い知らされるものだった。
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個々の曲について語ればキリがない。
初日しか参戦していない身として幾つか挙げれば、First Step、細氷、9:02pmだろう。
浅倉杏美さんの歌うFirst Stepは、彼女が雪歩と共に歩んできた道を表しているようで、毎度泣かされている。既に彼女が雪歩として歩み始めてからもう5年。ついに長谷優里奈(落合祐里香)さんの演じた期間を超えた。
そんな彼女の全てが、あの歌に込められていると思う。
「笑顔も涙も全てと歩いて行く」2人を、今後も末永く応援していきたい。
細氷については、MASTERARTIST3シリーズの収録曲である。
これは勝手な捉え方でしかないのだが、細氷の途中、スクリーンに映し出された今井麻美さんのスモークに映るシルエットが、まるで千早がそこに居るかのように錯覚させた。
そして9:02pm。
あずささんの担当として、この曲は決して忘れることは出来ない。
たかはし智秋さん――ジューシーでポーリーな彼女の、あずささんとしての歌声は、いつも私を初心に帰らさせてくれる。
今回のライブは、改めてアイドルマスターというコンテンツの底力、魅力を再認識させられたものになったのではないだろうか。
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ライブ後の、駅への人波に流されていた時、まだまだこの果てしないアイドルマスターというコンテンツの未来に希望を抱いて、時に泣き、時に笑い、関わり続けていく決意を新たにした。ボンクラではあるが。
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私は10年全てに付き合ってきたわけではない。箱マス(XBOX360版アイドルマスター)からのP、それもアイドルマスターSP(PSP版アイドルマスター)のDLCが出尽くす寸前にこの世界に入り込んだ人間である。おまけにお世辞にもプロデュースが上手いわけでもない。
だとしても、10周年というこの節目までPとしてこのコンテンツに触れ続けられたのは大変幸せなことだったと思う。SSという物を介して、というのももちろんである。
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10年。義務教育が9年だから、小学校に入学した子供が大学生、もしくは社会人になるような期間。
そんな長い時間を駆け抜けてきたアイドル達、そしてそれを演じ続け、一心同体となって進んできた声優の皆様、それを支え続けてきたスタッフの方々、スピンオフ、関連作品、その他アイドルマスターに携わり、触れてきた全ての方々に、感謝を。
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