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7月2日は「半夏生」「半化粧」 初夏の里山に群生 貴重な植物を保存する 高浜町蝓蜊(ゆり)の里からの通信

皆さんは半夏生という名前の雑草を知っていますか。「はんげしょう」と読みます。福井県高浜町中寄区にある里山の谷に大きな群生があります。ちょうどこの時期、梅雨明けの7月上旬、あたり一面が白く色づいた葉っぱで覆われます。朝方見ると梅雨にまみれた半夏生と背後にある竹藪とがまさに幽玄の世界を作り出しています。

◎葉っぱが白く色変化 「お化粧」する花

半夏生。どうしてこんな名前が付いたのでしょう。いわれはいろいろあるようですが伝え聞くところによると、雑節の一つ「半夏生」の時期に花・葉っぱが白くなるためともいわれています。夏至の日から数えて11日目にあたる日、今年は7月2日から5日間がその時期になるようです。

半夏生そのものの植物は「片白草」(かたしろくさ)というドクダミ科の毒草です。梅雨明けの7月初め、葉っぱの一部、表側だけ白くなります。花を見ると女性が半分化粧をしているように見えることから「半化粧」とも呼ばれています。

◎若狭の里山に群生 残るは貴重な群生

ここ若狭地方では昔から里山の谷に多くの群生があったようですが、農地の開墾や住宅地の開発などで姿を消し、今では一部の限られた湿地に群生するのみです。

高浜町中寄の谷に群生が見られたのは、村の有志が谷に放棄された田畑を草刈りなど行っていたら白くなっている半夏生の群生を発見したことからです。「なんかこの草、ドクダミみたいに臭いな」と言いながら当初は全部刈り込んでいました。しかしある時、県のレッドデーター絶滅危惧種の調査隊が谷に入り「この群生、絶滅危惧種の一つだから貴重です」とアドバイスを受け地権者の了解を取り付け保存のための環境整備を行ってきました。

◎地域で自然を保存 イベントなど展開

小学生自然観察会1・ボランティアさん説明

これまで村人を中心に里の自然を保存していこう、放棄田畑の草刈り、あぜ整備、桜の植樹、ビオトープ自然田んぼの再生、蓮田の開墾など進めてきました。地域の方にも鑑賞してもらおうと半夏生の時期に散策デイーや子供たちの自然まるごと体験などのイベントを実施してきました。

最近では「半夏生の里」としてて知られるようになり多くの方が鑑賞にみられるようになりました。

◎手作りの里山再生に全力注入 次の世代につなぐ

いまここにある自然を生かし、地域住民で環境整備し保存する。実際やるとなるとマンパワー、資金面など非常に課題は多いものですが、できる範囲で自分の住む村、町をよくする。その心意気で取り組んでいきたいものです。

◎コロナ禍でわが身を見つめる癒しの場に

コロナ禍で多くの人が今まで経験したことがない「世界」に身を置いています。今一度われの身の置き場所を再見する場として半夏生に対面してはいかがか。

何かを感じてもらえるのでは、、、。。





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