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03 私有地がダメなら・・・

 鉱物採集をする際、私有地がダメならどうするか。
 安直ながら「公有地で拾う」というのが有力な答えの一つです。

 私は、ブログでも紹介しているように「水石」も趣味として嗜んでいます。川で揉まれて十分に川ずれした山や谷、平原の形をした石を水盤に入れて床の間に飾って楽しむのです。
 水石探しと、鉱物採集を(場合によっては化石の入った「ノジュール」と呼ばれる岩石探しも)川での石拾いという形で実践することがとても多いです。他の鉱物ハンターの方よりも圧倒的に川の中で鉱物採集している割合が高いと思います。

 この記事のヘッダー写真は、福島県中央部のとある鉱山跡そばの小川の現況写真です。写真上部の崖上に坑口が二つ有り、川には鉱物の付着した岩塊が混じって転がっています。この川で拾える石は見た感じズリではなく、付近の鉱脈が崩壊して転石となったものだと思います。主に黄銅鉱、黄鉄鉱、綺麗な水晶が見つかります。
 表面に鉱物の結晶が見える石を中心に割っていきます。産地に慣れてくると、母岩の形質で中の鉱物のアタリが付くようになってきて採集の効率がぐっと上がります。一番楽しいひとときです。

 皆さんは河川での石拾いについて、こんな疑問を持ったことはありませんか。
 「川は公有地なのだから、そこで産出する石も公の物。勝手に持ち出してはダメな気がする。」
 「窃盗罪で罰せられてしまうのでは?」
 多くの人は、なんとなく「少量なら問題ないんじゃね?」とか何の根拠もなく(失礼!)考えていると思うのですが、理論的バックボーンを含めこの記事では様々な角度からこの疑問に取り組んでいます。
 また、記事の最後には多分誰も目を向けていない公有地でのおすすめの鉱物採集ポイントを解説しています。

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