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01 鉱山跡を探したい! ~文献調査~

 鉱物採集が好きになった人が思うこと。
 「有名な場所は、皆が採集に向かうのですぐに枯渇したり荒れてしまう。自分だけが知る採集地をなんとか見つけることって出来ないかな?」

 でも、どうやって?
 何を手がかりに?

 地道な方法ながら、やはり鉱山であれば、当時のあるいは後年の「記録」いわゆる記載してある文書、文献を読むのが王道です。

■ポイント! ここが重要!
・地元図書館へ行く。常設書架で「郷土の本」が読めるコーナーなど。
・「○○県鉱産誌」、「○○県鉱山誌」を探す。
・「○○市史」や「○○町史」等の産業編の中の「鉱業」欄を読む。
・市史や町史の自然編の中の地質や産出鉱物、示相化石情報を読む。
・特定の鉱山に関して著した「○○鉱山史」という書籍もある。
・自治体の紹介パンフレットにも伝承や情報の断片の記載が稀にあり念のため一読を。

■解説
 ネットで得られる鉱物採集できるポイントの情報は、誰でも得られる情報なので極端な話、大勢が押し寄せ、案外、思うような標本は採れません。
 一般的でない、いわゆる文献の中にひっそりと隠れているマイナーな鉱山跡がそれこそ我が国には数多くあります。また、有名な鉱山でも抗口が封鎖されズリが処理されてしまい、鉱物採集できる場所がなくなっている場合も多いです。
 図書館で、上記の本を読むことができれば、自分の住む県にこれほど多くの鉱山がかつて稼働していたことにびっくりするはずです。それらの中から、鉱物採集向きの、自宅からアクセスの良い自分だけの採集ポイントを探してみてください。
 私の場合は、地元にあるかつて日本三大銀山の一角に数えられた有名な鉱山の関係地(「跡地」ではないことに注意!)を主なフィールドにしています。ある事実に気付かないとズリの集積場にたどり着けないため、鉱物採集をしている人は私以外にはほとんどいません。(これまでに出会ったことがありません)

紫水晶(アメシスト)の群晶(クラスター)
母岩に付いたアメシスト


 鉱山名、産出鉱物のほか所在地は通常大字レベルまで表示されています。
 次に手に入れるのは、国土地理院発行の2万5000分の1の地形図と、5万分の1の地質図です。
 地形図は書店で購入可能ですし、ネットなら地図センターNetShoppingというサイトが便利です。
 地質図は産総研の地質調査総合センターのHPから購入できますが未発行のエリアも多いです。その場合には無理に入手しなくても大丈夫です。

 さあ、鉱山の情報と地図を入手したら、いよいよ鉱山跡探しが始められるようになります。
 でも、ちょっと待って! 「鉱山跡」と「鉱物採集のできる場所」は必ずしもイコールではありません。一般に「鉱山跡」と言う場合、商用公開や特別に保存されていない限り、封鎖されたり野ざらしのままの「坑口」のことを指すことが多く、危険で中に入ることができないことを考えると、昔の坑道・鉱脈で採集することはほぼ不可能です。
 Youtubeなどで古い坑道に入る動画を見ることがありますが、私も含めたアマチュア鉱物ハンターには危険すぎますので絶対に立ち入らないでください。
 では、どこで、どんな場所で鉱物を採集するのか。
 それは、①「ズリ」を探すか、②鉱物の入っている岩を探すか、の二つの方法になります。鉱山跡を探すことと、この二つの探索がどのように結びつくのかについては、別の記事でご紹介します。

 例によって、この記事により、君もしくは君の仲間が散財しても当局は一切関知しないからそのつもりで。
 なお、この記事は自動的に消滅・・・しない。

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