カービング クラッチバッグ 2023/03/08
こんばんは!
本日はクラッチバッグが完成しました。
いやぁ、大分難儀しました。
物凄くシンプルな構造ではあるのですが、立体物となると意識するポイントがとても増えます。
しかし、その分本当に良い勉強をさせて貰ったと感謝しています。
縫製・仕上げはお伝えする事が少ないので、統括として革でバッグを作る際に注意するべき点や、難しかった点を語っていきます!
構造
まず、構造・型紙を考えるのに大変苦戦しました。
財布やカードケース等の平面物でも、革の場合は厚みがあるので考慮する点はあるのですが、立体物となると中に空洞があるので革の質感や硬さ、内装と表革の違いによるギャップなど、考慮しなければいけない要素が物凄く多いなと思いました。
デザイン画を描き上げるまでに3日以上かかったのは、型紙が決まらなかったのが大きいです(´・ω・`)
前面背面底面を一枚で作っているので、バッグの形を決めるのは側面のマチ部分になります。
私の使う厚みが2mm以上あり、かつ固めの革を使用する場合、マチの縫い合わせはつまんで張り合わせる方法で作る事が多いです。
この方法だと作りがシンプルで、厚い革の強度をそのまま使えるのでとても理にかなっています。
しかし、この手法だと革の圧力が全て内側に掛かってしまい、バッグの形がどうしても狭くなってきてしまいます。
※大変説明し辛いので、後日絵に描こうと思います。
それらを解決するため、今回はマチ部分を二度手間になる方法で作りました。
マチパーツを作って、それをバッグ内側に曲げ込み、その外側に1mmの革テープを縫い付けて、そのテープと表革を縫い合わせる事でマチを作る方法を取りました。
これをすると、マチが受ける表革からの力に強く、マチ自体が内側に逃げようとしない為、バッグの形が崩れにくくなります。
ビジネスバッグのような箱型のバッグに使われる方法だと思います。
結果的に、バッグの形は凄く保たれる構造になったと思います。
カド部は硬いですが、クラッチバッグとして持つ部分(中央近くの底面部)は適度な柔らかさを持っているので、悩みまくった分結果が出たかなと満足しています(´ω`)
素材
こちらも構造に少し関わってくるのですが、主に内張の素材選びに凄く困りました。
硬さ、厚さ、重さ、鞣し方・・・と詰め込み始めると全く素材が決まらなくなってしまいました。
今回は依頼者の方と簡単に相談できる環境にあったので良いですが、最初の仕様決めの時点で硬さと厚さだけは絶対に決めておかないといけないです。
革はどうしても厚みがある素材なので、設計図段階でそれを考慮しないと後でつじつま合わせしなければいけなくなったりします。
硬さによっても色々と変わる部分があります。
内装を表革と張り合わせる場合、曲げながら張らなければいけないのか、或いは張らずに浮かすのか、とか、上部口のファスナー部幅も変えないといけないですし、兎に角素材を張り合わせる前に表革と合わせて形を作ってみたり、パーツを作る毎に手で組んでみたりすることはとても大事だ・・と常に感じました。
完成写真
細かいことを上げたらキリが無いですが、バッグ以上の大物を作る際には、細かいディティールを考えるよりも全体像をしっかりと考えて作る事がとても大事、だという事だと思います!後は作業する順番!
そんな訳で完成したクラッチバッグの画像です。
見た目はかなり硬そうに見えますが、思ったよりは柔らかくて持ちやすくなりました。
細かい反省点は山ほどありますが、製品の仕立て自体は問題なく作れたのはとても自信になりました。
依頼者にお渡ししましたが、想像よりももっと手に馴染むし、中に付けた小物入れも邪魔にならずにとても使いやすそう!との事で、本当にホっとしました(汗
革はここからの耐久性や経年変化が肝なので、全く安心できませんが・・・(´・ω・`)
作業風景全てを画像に収めて無かったので、最後の方は特に駆け足でしたが、一製品の製作風景を日記に収められたのも大きな成果でした。
見て下さった方、ありがとうございました!
それではまた次回の製作物でお会いしましょうー!
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